汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」過労がテーマの漫画!あらすじ感想は?

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」はTwitterから始まった!過労がテーマの漫画のあらすじは?

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」はTwitter発!反響がすごすぎる

日本人は生真面目な気質で、協調性を重んじると言われています。忍耐強くあることが美徳とされ、我慢することは必須。理不尽な状況でも会社や上司に従い、仕事をこなさなければなりません。

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」は、過労が原因の自殺や病死を迎える前に、現状がおかしいということを気付かせてくれる漫画です。近年、働き方の見直しが進んでいるとはいえ、労働環境が改善されているとは言い難く、過重労働かつ低賃金というブラック企業も、まだ多く存在する日本。「辞めればいいじゃない」と思いそうなものですが、なぜそれができないのでしょうか?

本作では、そんな過労時の心理状態が、漫画でリアルに描かれています。汐街コナの実体験を元にした8ページほどの漫画は、Twitterで公開されるや瞬く間に話題となり、書籍化。NHKのニュース番組や新聞社でも紹介され、大きな反響を呼びました。

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」共感必至の漫画の原点とは

「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の作者の汐街コナは、もともと広告会社にデザイナーとして勤務し、残業は、月90~100時間。これでも社内では断トツに少なかったと言いますが、毎日走らなければ終電に間に合わないような生活を送っていました。

ある日、いつも通り走って駅にたどり着き、終電を待っていた汐街コナ。ホームに滑り込んでくる電車を見つめながら、「今一歩踏み出せば、明日会社に行かなくていいのでは」と気が付いてしまいます。「たった一歩を踏み出せばいい」……その考えが非常に魅力的に思えた汐街コナでしたが、ふと我に返ったときに、自殺するつもりが一切なかった自分自身が、そんなこと考えたことに呆然。

こうした経験ももとに、周囲のことを考えて、さまざまな可能性を自ら握りつぶしてしまう過労状態に至るまでの心理を、漫画で分かりやすく表現しています。傷だらけになり、それでも険しくなっていく道を進み続ける登場人物の姿に、胸が締め付けらる人も多いことでしょう。

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」感想!名言に救われる!

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」は自分のことだった?感想は

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」は、過重労働をテーマに、それが原因で自殺してしまう人の心理などを解説しながら、「自分自身を大切にしてほしい」という願いが込められた作品です。Twitterの漫画が人々の目を引いて書籍化に至りましたが、今、多くの共感の声が寄せられていると言います。

そのほとんどは、「これは自分のことだ」という言葉。辛いけれど色々なことを考えて会社を辞められず、自分が我慢すれば何とかなるのではという負のループに陥って抜け出せずにいる人々が、自身の姿を重ねて読んでいるのでしょう。本作は、そのような人に「辞める」という選択肢を提示します。

その結果、自分自身の状況を顧みて、仕事を辞めると決めた人も多くいるそうです。しかし、「年齢によってはその選択肢は選べない」と冷静な指摘をする声も。「自分が働いて苦しい思いをしたからこそ、若い人には失敗してほしくない」「働く前にこの本を読んでほしい」と感想を綴っている読者の姿も見られます。

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の名言に救われる!?

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」は、誰かに寄り添い、傷だらけの心を救ってくれる言葉に溢れています。過重労働がテーマではありますが、そうではない人の心の琴線に触れる言葉も数多く登場します。新人時代に残業をしていた汐街コナが、先輩に帰るように促され、思わず「私がやらないと」と言った時のこと。

「大丈夫」という言葉とともに、「俺がやらねば誰かがやる」と言われたそうです。ただ……、人を気遣う名言ではありますが、この先輩が人一倍残業をする人であるという不穏な情報が気になるところです。本作には、汐街コナが、友人や母親に相談したときの返事も記載されていますが、その一刀両断っぷりも見事!誰かにズバッと自身の思い込みを切り捨ててもらえる爽快感を味わえます。

書籍化に際しては、精神科医のゆうきゆうが監修を務めていますが、家族に相談する際のポイントは、理解してもらうことを重要な条件にしないことだとか。一番近しい家族だからこそ、一定の心の距離感を持つことが大切だと示唆しています。特に、「あなたに難しいことを、家族に要求するのは酷です」という一文には、家族だからこそ、という考えの危うさを実感させられます。

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」がリアルすぎる!生々しい体験談に共感の声が続出中

汐街コナ「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」は、過酷な労働環境下で、人間がどのような精神状態になるのかが描写されています。この漫画を描くきっかけとなったのは、とある有名広告代理店に勤務していた24歳の女性の自殺が過労死認定されたというニュースでした。

皆が、「死ぬ前になぜ辞めなかったのか」と口にする中、汐街コナは、実体験から、辞めることができない心理状況を漫画で表現しました。人は誰かの目を気にして生きる生き物で、日本人は、とりわけ仲間意識が強く、協調性を重んじると言われています。これが、「死ぬ前にやめられない理由」に繋がってしまっていると指摘しているのが本作です。

会社が過酷労働を強いるブラック企業だった、パワハラ上司がいる、といったことに気が付いた時、「辞める」という選択ができる人の心は正常です。しかし中には、親が心配する、すぐ辞めては根性がないと思われる、みんなも頑張っているから等という理由から、辞めるという選択肢から目をそらしてしまう人も。

新たな道を探る可能性が次々に消え、逃げ道をなくしていった結果、ぼろぼろの状態で険しい道を行かなければならなくなります。そしてギリギリまで追いつめられたその時、ふと浮かんでくるのが自殺という選択肢です。長時間労働の結果、思考の幅が狭まり、まさに生きるか死ぬかの2択しかできなくなってしまう……「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の心理描写はとにかくリアルです。

Twitterには、自分も同じ状況であるという共感の言葉や、いじめで自殺してしまう子供も同じ状態なのでは?といった言葉が寄せられました。漫画には、まだ大丈夫と判断できるうちに取り組める対処方法も紹介され、「とにかく世界は広いことを忘れないでほしい」という言葉で締めくくられています。『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」が教えてくれるのは、誰かのために頑張って働くのではなく、自分のために生きて働いて幸せになることなのでしょう。

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