緒形直人は華麗なる俳優一族!映画「64」で見せた演技が圧巻だった

2019年3月6日 更新

緒形直人の父は緒形拳、兄は緒方幹太!息子・緒形敦もドラマデビュー

緒形直人は華麗なる俳優一族!父の緒形拳は旭日小綬章を授与

俳優やナレーターとして活躍している緒形直人の家族は、それぞれが俳優の仕事に就いているという俳優一族です。緒形直人の父である緒形拳は、2000年に紫綬褒章、2008年に旭日小綬章を授与された日本を代表する名優。1937年7月20日、東京都出身の緒形拳は、高校卒業後に俳優になるべく新国劇に入団し、辰巳柳太郎の弟子となりました。30代まではテレビドラマを中心に活躍していた緒形拳でしたが、40代に差し掛かってからは俳優活動の基盤を映画に移します。

そして、名作に欠かせない俳優として多くの人に愛されました。緒形直人の兄にあたる緒形幹太は、1966年11月21日生まれ。日本大学高等学校を卒業し、1989年にTBS系で放送されたドラマ「淋しい女は太る」で俳優としてデビューしました。藤沢周平の小説をもとにした映画「蝉しぐれ」では、父の緒形拳との共演も果たしています。

緒形直人の嫁は女優の仙道敦子!!息子の緒方敦も俳優デビュー

緒形直人は、1993年に人気女優の仙道敦子と結婚しました。1969年9月28日、愛知県名古屋市出身の仙道敦子は、幼少時より児童劇団ひまわりに所属。時代劇ドラマ「大江戸捜査網」や「生きる」などで見せた演技で、名子役として注目されるようになりました。

その後も、映画「鬼龍院花子の生涯」など数々の話題作に出演した仙道敦子は、1983年の映画「白蛇抄」でアイドル女優から演技派女優への転身に成功。1984年には日本アカデミー賞「新人俳優賞」、第8回くまもと映画祭でも「新人女優賞」を受賞しました。
緒形直人と嫁・仙道敦子の息子である緒形敦が俳優デビューしたのは、2017年の人気ドラマ「陸王」です。役所広司演じる主人公の息子(山崎賢人)の親友役で熱演を見せ、三世タレント誕生となりました。1996年6月20日神奈川県出身の緒形敦は、アメリカの高校に通っていたため英語がとても堪能です。

また、特技のひとつであるサッカーでは、高校生時代にアメリカ東海岸の選抜メンバーに選ばれたほどの実力を誇ります。祖父・緒形拳の出演作品を見て演技の道を志すようになった緒形敦が、父・緒形直人と母・仙道敦子の血も受け継いでどのような俳優になっていくのかは楽しみですね。

緒形直人が映画「64」で見せた演技がスゴイ!ナレーションの評価も高し

緒形直人が映画「64」での演技がスゴイと映画評論家やネット上で絶賛の嵐!

ひところは、トレンディドラマに数多く出演するなどしていた緒形直人。しかし近年は、出演作品が大きく取り上げられることもなく、活動はさほど目立ちませんでした。そんな緒形直人が「復活した」と話題になったのが、映画「64」です。「究極のミステリー」とも言われている横山秀夫の小説「64」を映像化した2部作品で、映画化するにあたり、小説とは違うクライマックスが用意されたことでも注目を集めました。

2部作中の後編に出演している緒形直人は、映画オリジナルの結末にも絡む映画「64」のカギともいえる人物を演じています。佐藤浩市や永瀬正敏ら豪華な出演者と負けるとも劣らない重厚で深みのある演技を見せた緒形直人は、観客はもちろんのこと、

映画評論家からも高い評価を得ました。映画批評家の前田有一は「とてもバランスが難しい役を見事に演じ切っている」と、緒形直人の映画「64」での演技を絶賛しています。

緒形直人はナレーションの評価も高し!「世界遺産」のナレーションが愛された理由は優しさとちょっぴりの冷たさ!?

俳優の緒形直人はまた優れたナレーターとしても評価されています。1996~2001年までは、TBS系の「世界遺産」のナレーションを務めていました。また、2008~2010年にかけては、同局のスポーツドキュメンタリー番組「メヂカラ」で、さらに不定期ではあったもののNHKの「スポーツ大陸」でもナレーションを務めています。

世界に散らばる文化遺産や自然遺産を紹介するミニ番組「世界遺産」では、初代ナレーターとしてナレーションを担当していた緒形直人。その人気はナレーションを降りた今も健在で、歴代の「世界遺産」ナレーターの中でも一番の人気を誇っていると言います。柔らかな語り口調に、空気を引き締めるようなトーンが時おり混じる緒形直人の緩急のバランスの良いナレーションは、「世界遺産」の視聴者の耳や心に心地よく響いていたのでしょう。

緒形直人の父・緒形拳が息子に語った言葉とは?映画「望郷」で重なる父と子の想い

2017年9月に公開された湊かなえの短編小説が原作の映画「望郷」で、緒形直人は、大東駿介演じる主人公の亡父を演じました。物語は、若くしてガンで他界した亡父とわだかまりを残したままである主人公が、父と同じ教師となり、さまざまな問題に直面する中で父が遺した言葉を思い出して……というストーリーです。緒形直人は、自身が父から受けた言葉にまつわる思い出を明かしています。

俳優としてデビューした当初は、映画スタッフになりたいと思っていた緒形直人。しかし、緒形直人の想いとは反対に、デビュー映画「優駿 ORACION」での演技は高く評価され、俳優としての注目度は増すばかり。緒形直人曰く「細かいことを言う人ではなかった」という緒形拳ですが、この頃に「お前の船はもう出港したのだから、元には戻れない」と言われたそうです。その言葉があったからこそ、俳優として歩き出すことができたと明かしています。

二世タレントはとかく親と比較されがちですが、名優の息子となればプレッシャーはより一層強かったに違いありません。近年は、出演作を絞り、一作入魂のスタンスでお芝居しているという緒形直人は、父・緒形拳の放った強烈な演技とは対照的な内に情熱を秘めた演技で、二世としてではなく、一俳優として認められるようになりました。

現在は、息子の緒方敦が俳優デビューしたことで、亡父・緒形拳と同じ立場となりました。先輩として、あるいは父として、緒形直人は、息子にどのような言葉を送っていくのでしょうか?今後の日本映画界を支えていく1人に違いない、緒形直人の活躍がとても楽しみです。

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