隆大介は無名塾出身!ドラマ「臨場」「軍師官兵衛」など主な出演作は?
隆大介は無名塾出身!若い頃は渡辺謙並みに将来を期待されていた!?
隆大介(りゅうだいすけ)は、芸歴30年以上のベテラン俳優です。1977年に、俳優養成所「無名塾」の1期生として入塾し、その翌年には芸名を隆大介として活動してきました。仲代達矢が主宰する「無名塾」は、入塾希望者が多く倍率が高いことから「劇団の東大」と称されることもある養成所。出身俳優には、2期生の役所広司や、9期生の若村麻由美、22期生の滝藤賢一や真木よう子などがいます。
そんな名門出身の隆大介は、周囲の期待に応えるかのように、1980年には黒澤明監督の映画「影武者」の織田信長役に抜擢され、ブルーリボン賞新人賞を受賞。それまで映画に数本出演しただけだったのが、テレビドラマにも出演するようになりました。
同時期に、新進の俳優として活躍し始めていたのが渡辺謙です。年齢も近い2人は、鋭い眼光で、鼻筋の通った苦み走った顔立ちがどこか似ている感じもします。若いながら、重厚な武者役などもこなせる実力派俳優として将来を期待されていたという点も、通じるところがあったと言えるでしょう。
隆大介の「臨場」「軍師官兵衛」など主な出演作は?大河ドラマにも多数出演
これまで多くの映像作品に出演してきた隆大介の代表作と言えば、やはりブルーリボン賞を受賞することになった映画「影武者」が挙げられます。また、人気ドラマの劇場版では、織田裕二が主演を務めた「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1998年)や、「臨場 劇場版」(2012年)にも出演。「臨場」では、映画版とドラマ版ともに、激情型の捜査一課の刑事・坂東治久を演じ、物語を引き締めていました。
テレビドラマでは、NHKの大河ドラマへの出演回数が5回と多いことも目を引きます。1982年に出演した赤穂事件を題材にした「峠の群像」では、播磨赤穂藩の第3藩主・浅野内匠頭を見事に演じ、エランドール新人賞を受賞しました。その後、1990年の「翔ぶが如く」、1995年の「八代将軍吉宗」、2012年の「平清盛」、2014年の「軍師官兵衛」と大河ドラマに立て続けに出演した隆大介。
「軍師官兵衛」では、V6の岡田准一演じる主人公・黒田官兵衛の叔父・黒田職隆の弟である黒田休夢役を熱演しています。坊主頭の休夢が戦場にも赴く姿は非常に印象的で、隆大介の鋭い眼光もあいまって、脇役でありながら大きな存在感を放ちました。
隆大介は気難しくて酒癖が悪い?!台湾で起こした事件とは?
隆大介は気難しくて酒癖が悪い?!人気が2000年代に下降した理由とは?
1990年代は売れっ子俳優として多忙を極めていたという隆大介。しかし、2000年以降は、その勢いが少しずつ衰えて人気が下降していったとも言われています。各作品における配役を見ても、1990年代は主役や主要な役どころを演じることが多かった隆大介ですが、2000年以降は脇役が多くなっていきました。
一部では、人気が下降したのは、隆大介の性格が影響したからだと言われているようです。感情の起伏が激しく、酒癖が悪いという隆大介からは、芝居仲間も次第に離れていってしまったと言います。
隆大介が台湾で起こした事件はお酒による不祥事!映画「沈黙 -サイレンス-」を降板
2000年以降は人気が下降気味になったと言われていた隆大介に、再び大きなチャンスが巡ってきます。それが、2014年に放送された大河ドラマ「軍師官兵衛」の黒田休夢役でした。期待に応え、主人公に近い重要な役どころを好演した隆大介。しかし、再評価の気運が高まっていた矢先、台湾で不祥事を起こしてしまい、悪い意味でお茶の間を騒がせることになります。
2015年に、名匠マーティン・スコセッシ監督の新作映画「沈黙-サイレンス-」に出演することになった隆大介が、撮影のため、台湾に向かっていた道中に事件は起こりました。飛行機の中でビールを何杯か飲んだ隆大介は、酔ったまま台湾の入国審査に入って空港職員とトラブルになり、相手を骨折させてしまいます。
その場で現行犯逮捕された隆大介は、「沈黙 -サイレンス-」を降板。さらに、「無名塾」は破門となり、所属先の東映マネージメントからはタレント契約が解除されるという俳優として致命的な傷を負いました。出演予定だった映画「沈黙 -サイレンス-」は、2016年公開の映画において、タイム誌のランキングでトップ5になるほどの話題作となりました。
もしもこの映画に出演していたならば……と考えると、隆大介にとっては、あまりに大きな代償を払う結果になってしまったと言えるかもしれません。
隆大介の現在の姿がSNSで話題に!?俳優としての再出発なるか?
2015年に、隆大介が台湾で不祥事を起こしてから3年。隆大介が俳優として復活する大きなチャンスが再びやってきました。それは、2018年4月7日に公開された映画「私は絶対許さない」です。出演者に名を連ねている隆大介は、実に3年ぶりとなる公の場に登場しました。
初日の舞台あいさつでマイクを渡された隆大介は、開口一番、2015年に起こした不祥事について謝罪の言葉を述べました。続けて、出演映画「私は絶対許さない」について、「社会的に意義のある作品。俳優として参加できたことを誇りに思う」とコメントしています。
本作は、壮絶な半生を綴った雪村葉子の手記を映像化した作品です。作中には、レイプや援助交際、整形、風俗といった衝撃的な内容も多く含まれており、今の世相の闇を映し出す内容です。隆大介は、主人公を暴行した犯人の義父で、主人公と援助交際の契約を交わす早田役を好演しました。
久しぶりに公の場に現れた隆大介を見た多くの人は、その姿に驚いたのではないでしょうか。3年前に比べると、肌は色黒に焼け、髪は白髪まじり。頬の肉はげっそりとこけて「まるで別人!?」と思わせる風貌です。SNSでも取り上げられるほど注目されましたが、表舞台に立てなかった3年間は、それだけたくさんの困難に見舞われていたということなのかもしれません。
心機一転して新しい芸能事務所に所属している隆大介ですが、映画「私は絶対許さない」以降の仕事は未定の様子。お酒との付き合いはほどほどに、本作をきっかけに、次へとつながるチャンスをぜひつかみ取ってもらいたいものです。