江守徹 現在の近況は?脳梗塞を克服し「徹子の部屋」出演!病気を支えた家族、子供は?中尾彬との掛け合いがおもしろ過ぎる!名優(盟友)エピソード

2015年8月11日 更新

江守徹 現在の近況は?脳梗塞を克服し「徹子の部屋」出演!

江守徹 脳梗塞を克服し、「徹子の部屋」に出演

江守徹。1944年生まれ、71歳。言わずとしれた演劇界の重鎮。2007年に脳梗塞に倒れてからは、テレビでの露出が急激に少なくなったので、その病状が心配されていました。

しかし、脳梗塞という病気そのものは2カ月程度で回復し、それからは仕事を選んで、コンスタントに活動しているようです。先日、7月13日には「徹子の部屋」に出演。江守徹は、脳梗塞を克服した元気な姿を見せ、近況を報告しています。

司会の黒柳徹子とはデビュー以来、もはや半世紀の付き合いというから驚きです。江守徹は、高校を出てからすぐ、往年の名優、宇野重吉や杉村春子が所属していた新劇の老舗「文学座」の研究生となり、「ハムレット」などの舞台で、またたく間に頭角を現します。

同時に数多くのテレビや映画に出演。その圧倒的存在感と演技力、そして、自ら演出を手掛けることもできる芝居への造詣の深さは、文学座だけでなく、今や日本トップクラスの俳優と言えるでしょう。

江守徹 豪快、役者伝説

江守徹は、小さい頃から芝居や演劇が好きで、とにかく役者になりたい一心でこの世界に入ってきました。ちょうどその当時、新人俳優の発掘を積極的に行っていた映画界。ところが江守徹は、映画界の新人の呼び名「ニューフェース」という言い方が、薄っぺらい感じで嫌いだったのだとか。

同じ役者になるならばと、新劇の文学座を選んだそうです。もうこの時点で、江守徹のその後の役者としての生き様やこだわりを垣間見るようですね。脳梗塞という病気で倒れるまでの江守徹は、この時代の演劇人にありがちな、酒豪で、ヘビースモーカー。

数々の豪快な武勇伝を残しています。もともと声が大きい上、酒を飲んで芝居仲間と議論などを始めると、周りの人は、そのあまりのうるささに驚いたそうです。また酒を飲んで、相手に対する親愛の情が高まってくると、女は言うに及ばす男、見ず知らずの人まで、誰彼かまわず抱きついてキスをする。

それもゴリラが羽交い絞めにして嘗め回すようなキスだというのですから、相手はたまったものではありません。

江守徹 病気を支えた家族、子供は?中尾彬との掛け合いがおもしろ過ぎる!名優(盟友)エピソード

江守徹、今では、賢婦人と子供や孫たちに「テッタン」と呼ばれる家庭人

しかし、そんな猛獣のような江守徹を、一言でたしなめ帰宅させる人物がいます。もう半世紀も連れ添ってきた夫人です。江守徹が酔いつぶれると、夫人がかならず車で迎えに行き、江守徹は、すごすごと夫人に従って家に帰るのだとか。

夫人との間には、一男二女の家族がいて、もう子供たちも四十前後。孫もすでに二人いて、徹という名前から、自分のことを「テッタン」と呼ばせているそうです。

家庭人としての江守徹は幸せのかぎりで、このような家族の支えがあったからこそ、脳梗塞からも早く回復できたのでしょう。江守徹は、病気の教訓を生かしてか、今では酒もたばこも止めています。

江守徹 盟友中尾彬とは半世紀の友でありライバル

江守徹は、かつてバラエティ番組で、年齢的には2つ上の盟友、俳優の中尾彬と、芝居や映画業界の嘘とも真ともつかないエピソードを語り、またトークバトルを繰り広げて話題になりました。お互いに、相手を罵るような言葉の応酬なのですが、下手な漫才を見るより面白いとの声も。

そんな江守徹の盟友・中尾彬は、武蔵野美術大学に入学後、江守徹が嫌っていた映画のニューフェースとして、日活に採用されます。しかし絵の道を捨てきれず、フランスへ留学。しかしまたすぐに日本に舞い戻り、劇団民芸に研究生で入ったという、俳優としては変わり種です。

江守徹も中尾彬も、当時は二枚目でしたが、役者としては、どちらもあくが強いタイプ。お互い反発しながらも、惹かれあうものがあったかもしれません。ただし江守徹は、文学座にしっかり根を下ろして古典演劇を続けてきたのに対して、中尾彬は、早くにフリーとなり、今のスタイルを確立しました。

今となっては、盟友とはいえ、役者としての格は、江守徹が数段上といってよく、江守徹も本音のところ、「こいつ、いい加減に生き延びてきやがって」と思っているかもしれませんが。

江守徹も絶句。劇団文学座代表、加藤武急逝

7月31日、江守徹が所属する文学座に、衝撃が走りました。宇野重吉や杉村春子などの重鎮が亡くなった後、劇団の代表を務め、劇団員にとっては精神的支柱であった加藤武が、通っていたスポーツジムで倒れ、そのまま急逝したのです。加藤武は86歳。

映画、金田一耕助シリーズの警察幹部役など、名バイプレーヤーとして有名で、今なお現役で活動を続けていた俳優。演劇界にとっては大きな損失です。8月2日には、江守徹をはじめ、渡辺徹や文学座の俳優が多く出演した「トロイラスとクレシダ」の千秋楽。芝居が行われた東京・世田谷パブリックシアターでは、加藤武の当然の死を悼んで、出演者全員が黙とうを捧げました。

ここ数年、戦後活躍してきた多くの名優たちの死が続いています。それはまた、映画や演劇業界が、新しい時代を迎えるということでもありますが、ともすれば、ルックスや感性だけでデビューしては消えていく、映画やテレビの若手俳優に対して、俳優を育てると言う点においては、これまで以上に、老舗劇団の使命が高まっているのではないでしょうか。

今でも、江守徹の稽古中や本番の舞台のそででは、若い劇団員たちが、その演技の全てを見逃すまいと凝視しているという文学座。江守徹にはこれからも、たまにはテレビのバラエティなどに出て、面白いエピソード語ってほしいものです。

けれどもそれ以上に、日本演劇界の宝として、原点に戻って本格的な芝居をし、後輩の育成に努めていってほしいと願ってやみません。

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