2022年5月13日 更新
ちあきなおみ 現在の近況は?歌手芸能活動休止は最愛の夫の遺言?
ちあきなおみ 最愛の夫郷鍈治、死の衝撃!歌手芸能活動休止の真相
ちあきなおみは1978年、31歳のときに俳優・郷鍈治と結婚。郷鍈治は、往年の日活アクションスター宍戸錠の弟で、自らも日活映画に籍を置いて活躍していました。
ちあきなおみと結婚後は、彼女の個人事務所を設立し、社長兼マネージャーとなります。二人はマイペースで働き、仲睦まじく暮らしていました。しかし1992年、郷鍈治は肺がんで、55歳の若さで亡くなります。ちあきなおみが、郷鍈治が荼毘に付される時、柩にしがみつき「私も一緒に焼いて」と号泣したという話は、多くの人々の涙を誘いました。
亡くなる前、郷鍈治はちあきなおみに「もう無理して歌わなくていいよ」と遺言したそうです。ちあきなおみは、「故人の強い希望により、皆様にはお知らせせずに身内だけで鎮かに送らせて頂きました。主人の死を冷静に受け止めるにはまだ当分時間が必要かと思います。皆様には申し訳ございませんが、静かな時間を過ごさせて下さいます様、よろしくお願いします。」というコメントを発表するとともに、周囲が近況を気にするのもそのままに、その後四半世紀、現在にいたるまで表舞台に登場することは一切ありません。
歌手芸能活動の休止がいつまで続くのかは、ちあきなおみのみが知るところなのでしょう。
ちあきなおみ 「喝采」日本歌謡界の伝説的ヒットソング
美空ひばり以降、日本歌謡史における、レジェンドオブレジェンドは、ちあきなおみに尽きるでしょう。1992年、最愛の夫であった俳優・郷鍈治との死別をきっかけに、すでに四半世紀、一切の歌手芸能活動を休止していながら、今なお復帰が望まれるちあきなおみ。
伝説の歌姫として語り継がれ、今も多くの歌手が、ちあきなおみの名曲をトリビュートしています。ちあきなおみ。1947年生まれ、すでに67歳。五木ひろしや森進一が同い年にあたります。1960年代後半から1970年代前半にかけて、日本は歌謡曲が大ブームとなっていました。
従来の演歌は、ド演歌からムード歌謡へ。和製POPSは、グループサウンズからアイドル路線へと大きな変革期を迎えていたのです。ちあきなおみは、その中でもお色気歌謡路線で、どちらかといえばキワモノ的扱いの歌手でしたが、その歌唱力はずば抜けていて、1972年の「喝采」のヒットが、ちあきなおみを伝説の歌手へと導きました。
ちあきなおみ 代表曲「喝采」「夜を急ぐ人」「星影の小径」が泣ける!
ちあきなおみ 彼代表曲「喝采」女を伝説にしたエピソード
ちあきなおみは、書かれた歌詩が偶然にも、かつて兄のように慕っていた男性の死と重なった「喝采」のエピソードと、愛する夫・郷鍈治との悲しい死別によって、伝説の歌姫とされてしまったかもしれません。当初、ちあきなおみは、あまりに身近な歌詞に、「喝采」を歌うことをためらったそうです。
しかし、ちあきなおみは、歌手としてこの歌を歌い切り、1972年、爆発的ヒットを記録。見事日本レコード大賞に輝きました。当時、彼女がこの歌を歌うときは、誰もが息を呑んで歌に聞き入ったと伝えられています。
ちあきなおみ 「星影の小径」「夜へ急ぐ人」昭和の名曲をカバー!自身もトリビュートされるディーバ
このちあきなおみの泣ける代表曲「喝采」は、演歌、J-POPを問わず、多くの実力派女性歌手がカバーしています。しかし、自らのエピソードすら超えて、「喝采」を歌い上げたちあきなおみに敵う歌い手はいません。ちあきなおみは結婚後、「ヒット曲を追うのではなく、自分が歌いたい歌にじっくり取り組みたい」とマイペースで仕事を続けました。
1991年には、かつて永六輔が作詞し水原弘が歌った名曲「黄昏のビギン」や、戦後まもなくはやった「星影の小径」をカバー。これらの曲は、その後、数々のコマーシャルソングに採用され、この歌手は誰?と、改めてちあきなおみの歌に注目が集まりました。
また1977年、フォークシンガー友川かずきが作詞作曲をした「夜へ急ぐ人」は、ちあきなおみの歌唱力とパフォーマンスが相まったおどろおどろしい歌。今でもカルトな人気を誇っており、最近では一青窈がカバーしています。
ちあきなおみ 世代を超えて愛される本物の歌手として
そしてまた、ちあきなおみの曲が、TVCMに使われることになりました。サントリー缶コーヒー「BOSS」シリーズの新作です。新CMの発表会では、CMに出演した、ちあきなおみに扮したミッツ・マングローブや、司会者役の赤坂泰彦、そして別バージョンに出演した、いとうあさこが登場。
さらにコロッケが、久々にちあきなおみのものまねを披露しました。コロッケは「『喝采』はコロッケにとってのデビュー曲のようなもの。ちあきさん本人を知らずに私で知ったという世代がいるようですが、ちあきさんはこんな人じゃないですよ」と自嘲気味に語ったそうです。
確かに、ちあきなおみを生で見、その歌を聴いた人は、もうすでに少数派かもしれません。ほとんどの人たちは、コロッケがものまねでデフォルメしたちあきなおみしか知らないのですから。
しかし、この「BOSS」のCMコンセプトのように、世代を超えて愛され続けるものとして、ちあきなおみの歌はあります。また、山口百恵が、中森明菜がそうであるように、ちあきなおみは自らがその歌を封じることによって、今も伝説であり続けています。
芸能マスコミは、時折思い出したように彼女の消息を追いかけますが、最愛の夫が残した言葉、「もう無理して歌わなくていいよ」という言葉をかたくなに守り、ちあきなおみは夫を偲び、今も静かに孤独を過ごしているようです。