ダニエル太郎(テニス)の快進撃が止まらない!プロフィールやランキングは?
ダニエル太郎(テニス)スペイン仕込みのプレーでリオオリンピックの注目株!プロフィールは?
ダニエル太郎(テニス)は、アメリカ人の父と、日本人の母の間に生まれた、日本国籍を持つハーフです。リオオリンピックでは、男子テニス界96年ぶりのメダル獲得がかかった錦織圭への期待が過熱する傍らで、思わぬ躍進を見せた新星・ダニエル太郎にも、熱い視線が注がれました。
ダニエル太郎は、1993年1月27日、米国ニューヨークに生まれ。少年時代を過ごした名古屋を離れ、スペインに移住したのは14歳の時でした。スペインでは、あのダビド・フェレールらが所属するバレンシアの有名アカデミーで、テニスの腕に磨きをかけています。
クレーコートが揃う異国のアカデミーで、名立たるトッププロたちとの練習を重ねてきたダニエル太郎。日本人が最も苦手とする土をものともしないことは、いうまでもありません。190cmの恵まれた長身、そして、14歳から過ごした環境で培われた、精神面の強さ。それこそが、ここぞという大舞台でのダニエル太郎の快進撃の理由です。
ダニエル太郎(テニス)の世界ランキング変遷!リオオリンピック出場は”おまけ”だった
ダニエル太郎(テニス)のプロ転向は2010年、17歳の時でした。グランドスラム初挑戦となった2014年の全豪オープンでは、惜しくも予選決勝で敗退しています。しかし、同年2月のチリ・オープンでは、見事に予選を勝ち上がり、ATPツアー大会デビューを果たしたダニエル太郎。この時の世界ランキングは226位ながら、シード選手や、同大会優勝経験者を破る大金星をあげ、本戦ベスト8まで勝ち進みました。
この快挙は日本でも大きく報じられ、2カ月後のデビスカップ国別対抗戦には、怪我で欠場した錦織圭の代かわりに起用されることに。日本のトップ選手たちに一歩近づいたダニエル太郎は、善戦を重ね、2016年4月には、世界ランキングを自己最高の85位まで上げてきました。リオオリンピックの参加基準は、2016年6月6日時点での上位56人。この時のダニエル太郎は、108位まで降格していましたが、辞退者が相次いだことで、ITF(国際テニス連盟)推薦枠での出場を果たします。
”おまけ”だったはずのダニエル太郎が、あれほどの活躍を見せるとは予想外。現在は世界ランキング117位となっていますが、ダニエル太郎は、数字が示す以上の力を、まだまだ秘めていそうな予感がします。
ダニエル太郎(テニス)のラケット、プレースタイルを検証!弱点はサーブ?
ダニエル太郎(テニス)のラケットのメーカーとスペック!プレースタイルに与える利点は?
ダニエル太郎(テニス)の使用ラケットは、バボラのピュアドライブ。近年、初心者からプロまで、多くのテニスプレイヤーから愛される、メガヒットモデルです。ダニエル太郎のラケットのスペックは、フェイス面100平方インチ、重さ300gのもの。ガットのテンションは、16歳ごろまでは55ポンドで張っていましたが、近年は48ポンドと低めに張っているようです。
ガットのテンションを下げる理由は、打球にパワーが出ることと、スピンがかかりやすくなること。これは、球足が遅くなりがちなクレーコートを戦う強みにもなっています。ダニエル太郎のバックハンドを見てみると、地に膝が着かんばかりに低い姿勢が特徴的。
この低い重心が、安定したストロークを生みます。また、ベースライン後方にポジション取りすることで、常に振り切るスウィングが可能に。威力あるショットに加え、リスクを排除した慎重なストローク配球は、テニスの歴史で多くのチャンピオンを生み出してきた、スパニッシュテニスそのものです。
ダニエル太郎(テニス)のサーブが遅すぎる?弱点をカバーするスペイン仕込みのテニスとは?
ダニエル太郎(テニス)のサーブが遅すぎるとの声が、ネット等では多く聞かれます。一般的に、男子のトップ選手、とりわけダニエル太郎ほどの長身の選手なら、サービススピードの平均は、ファーストサーブで200km/h、セカンドで180km/h とされています。
ところが、ダニエル太郎の場合、ファースト175km/h、セカンドで140km/hと、確かに遅めです。そのためなのか、相手のサーブをブレークできても、自身のサービスをキープできないという場面も多々見られるダニエル太郎。その原因として考えられるのは、身長190cmに対して、体重76kgという、ダニエル太郎の線の細さが挙げられます。
とはいえ、身軽であるが故のコートカバー力から生まれる”守備力”こそが、ダニエル太郎の強みです。ラリーに持ち込んで、相手のミスを誘うスタイルこそが、スペイン仕込みのプレースタイル。攻撃性よりも、粘り強さ重視のテニスが、ダニエル太郎の勝敗を左右してきたといえるでしょう。
ダニエル太郎(テニス)リオオリンピックで16強入り!成長の鍵はサーブと攻撃力!
ダニエル太郎(テニス)のリオオリンピック初出場は、常に錦織圭への注目の影でした。その23歳の新星が、1回戦でシード選手を破り、2回戦では世界ランク81位のエドムントにストレート勝ちしたのですから大変です。オリンピックは、世界ランキングを左右するポイントは付きませんが、4大大会でも成し遂げられなかった初のベスト16入りは、金星に値する大躍進。ベスト8をかけた3回戦で負けはしましたが、ダニエル太郎の相手はジョコビッチやナダルを破り、決勝に進出したデルポトロでした。
そのデルポトロに対し、タイブレークの末に第1セットを先取したダニエル太郎。決して”胸を借りた”と満足せず、「もっと頑張っていければ……」と悔しがる様子には、まだまだ伸びしろが感じられます。「日本人の勤勉さ、アメリカ人の自立性、スペインラテン系の明るさを備えたダニエル太郎は、メンタル的には申し分ない」と評すのは、錦織圭を見出した松岡修造です。
全力で打ち、全力でボールを追う精神性に、有効なサーブと積極的な攻撃力が加われば、ダニエル太郎がトップ100、トップ50と上がっていくこと間違いなし。ハーフたる容姿と、インパクトのある名前にも華がある選手ですから、リオオリンピックでの活躍をきっかけに、母国・日本での人気も高まっていくでしょう。錦織圭に次ぐ日本人テニスプレイヤーとして、ダニエル太郎が4大大会を賑わす存在となる日は、必ず来る気がします。