映画「ダンケルク」はクリストファー・ノーラン監督渾身の戦争映画!空、陸、海3つの視点から描く
映画「ダンケルク」は現代の名監督クリストファー・ノーラン初の戦争映画!
映画「ダンケルク」は、2017年9月に日本で公開されたアメリカ映画で、監督・脚本・製作はクリストファー・ノーランが務めています。クリストファー・ノーランは、監督と脚本を務めた2000年公開の「メメント」の終わりから始まりへとストーリーが逆行していく作風が話題になり、2005年に「バットマン」シリーズの監督に抜擢されました。
すると、アメコミを原作とした映画とは思えない深みのある映画に仕上げたことで名監督の仲間入りを果たし、続く「インセプション」や「インターステラー」などの新作が次々と大ヒット。観客のみならず、批評家たちからも高評価を受ける現代を代表する監督の1人となりました。そんなクリストファー・ノーランにとって、映画「ダンケルク」は初の戦争映画です。企画段階で100ページを超える脚本を執筆し、実際に史実に基づいてフランスのダンケルクで撮影を行った意欲作となっています。
映画「ダンケルク」は空、陸、海3つの視点からダンケルク撤退を描く!
映画「ダンケルク」は、イギリスとベルギー、カナダ、フランスという4カ国の連合軍兵約40万人が、第二次世界大戦下のフランスのダンケルク海岸で、敵対するドイツ軍と死闘を繰り広げた実際の出来事を基にしています。ダンケルク海岸でドイツ軍に完全に包囲されてしまった連合軍兵は、ダンケルクからの撤退を決意します。
本作の特徴は、撤退時の様子を、空、陸、海という3つの視点から描いていることです。空では、連合軍撤退を阻止しようとするドイツ軍を倒すため、イギリス空軍パイロットのファリアとコリンズが戦闘機を操ります。一方の陸では、ドイツ軍によって自身の所属する分隊が全滅させられたイギリス陸軍のトミー二等兵が撤退作戦に合流。
海では、小型船の船長であるドーソンが、船の徴用命令を受けて、ダンケルク海岸から撤退する兵士を乗せるために息子たちとともに船を出港させ、ドイツ軍の妨害にあいながらも奮闘します。こうして、史実では「ダンケルク大撤退」とも呼ばれる大規模な救出劇が遂行され、兵士たちはダンケルクからの撤退に無事成功しました。
映画「ダンケルク」でワン・ダイレクション(1D)のハリー・スタイルズが俳優デビュー!
映画「ダンケルク」でワン・ダイレクション(1D)のハリー・スタイルズが俳優デビュー!
映画「ダンケルク」で、英国陸軍の若き二等兵アレックス役を演じているのは、本作が俳優デビューとなったハリー・スタイルズ。イギリスの超人気ボーイズグループ、ワン・ダイレクション(1D)のメンバーとして世界中で人気を獲得してきた売れっ子です。イギリスのオーディション番組に出演したメンバーで結成されたワン・ダイレクションは、2010年にデビューするや、若い女性を中心に熱狂的なファンが続出して世界中で大人気に。
中でも多くのファンを獲得し、中心メンバーとして活躍していたハリー・スタイルズですが、2015年に活動休止を発表しました。クリストファー・ノーランは、ハリー・スタイルズを抜擢した理由について、「俳優デビューだからフレッシュさを出せると思った」と語っています。実際のダンケルク海岸には若い兵士たちも多くいたことを知ったクリストファー・ノーランには、リアリズムを徹底するため、俳優として無名の若者を起用したいとの狙いもあったようです。
映画「ダンケルク」に監督作品常連俳優が多数出演!主演の1人はトム・ハーディ
映画「ダンケルク」で若き英国陸軍二等兵トミー役を演じているのは、フィン・ホワイトヘッドです。起用された時点ではテレビドラマのキャリアがメインだった若手イケメン俳優が、大作映画の主演の1人に抜擢されたことは大きな話題になりました。オーディションでフィン・ホワイトヘッドを見たクリストファー・ノーランは、彼にカリスマ的な存在感を感じ起用を決意。
期待に応える演技を見せたフィン・ホワイトヘッドは、本作出演を機に、世界で活躍するイギリス人俳優の1人に名を連ねるようになるかもしれません。同じくメインキャストの1人である英国空軍ファリア役を演じているのは、「ダークナイト ライジング」や「インセプション」など、クリストファー・ノーラン監督作品ではお馴染みの大人気イケメン俳優トム・ハーディです。
他にも、「インセプション」のマイケル・ケインや、「ダークナイト」のキリアン・マーフィーなど、クリストファー・ノーラン監督作品では常連となっている役者が多く出演。映画「ハリー・ポッターと秘密の部屋」ロックハート役のケネス・ブラナーや、オスカー俳優のマーク・ライランスなど実力派俳優も脇を固め、重厚な物語に深みを与えています。
映画「ダンケルク」が日本でも予想を上回る勢いで大ヒットを記録!アカデミー賞有力候補に名乗り
映画「ダンケルク」が、1988年に日刊スポーツ新聞社が設立した日刊スポーツ映画大賞の「外国作品賞」を受賞しました!これまでに、「スポットライト 世紀のスクープ」や「レ・ミゼラブル」などが受賞してきた「外国作品賞」。2017年度の受賞作品は、あらゆる映画賞を席巻した「ラ・ラ・ランド」を抑えて「ダンケルク」という結果になりました。監督のクリストファー・ノーランは、「この賞はキャストやスタッフにとって嬉しいこと。日本で高く評価されたことは光栄です」と喜びのコメントを寄せています。
アメリカでは2017年7月に公開された映画「ダンケルク」は、全世界興行収入が5億ドルを突破しました。日本でも、公開から2日間で3億2400万円の興行収入を記録するなど、1億ドルを超えたと言われている高予算を遥かに上回る収益を記録する大ヒット映画となっています。
これまでにも数々の名作を世に送り出してきた名監督クリストファー・ノーランの最高作品とも評される映画「ダンケルク」。監督自身が「戦争映画というよりサスペンス映画」と語っているように、セリフがほとんどない斬新さもあいまってか、これまでの戦争映画とは一線を画する、辛口の批評家をもうならせる傑作となっています。
もちろん、ギレルモ・デル・トロの「シェイブ・オブ・ウォーター」や、マーティン・マクドナーの「スリー・ビルボード」と並び、2018年のアカデミー賞有力候補にも挙げられている映画「ダンケルク」。映画館で見逃した方は、レンタルすることも可能となっているので、そちらで鑑賞してみるといいかもしれません。