福澤徹三「侠飯(おとこめし)」原作本のあらすじ!人気レシピが気になる!
福澤徹三の人気小説「侠飯(おとこめし)」、原作のあらすじは?
福澤徹三は、「すじぼり」や「東京難民」で知られる小説家です。同じく福澤徹三の書いた「侠飯(おとこめし)」が、同じタイトルのドラマとして、2016年7月からはじまったことで、今、あらためて注目されています。1962年、北九州市生まれの福澤徹三ですが、これまで、日雇いの肉体労働者、飲食店、専門学校講師、そしてデザイナー、コピーライターなど、さまざまな経歴を持ち、まさに波乱万丈の人生を歩んできました。
福澤徹三が作家活動をはじめたのは40歳の頃ですが、「侠飯(おとこめし)」も、そんな経歴があったからこそ書かれた異色の作品かもしれません。暴力団抗争で銃撃戦になり、ヤクザの組長である柳刃竜一が、ワンルームで暮らしている大学生、若水良太の部屋に転がり込むところから物語は始まります。柳刃は、良太の部屋に居候することになりますが、食には妙にうるさい人で、自ら料理を作るように。良太は、恐怖を感じながらも、柳刃がつくる料理の美味しさにビックリ。ヤクザとの共同生活の中で、良太が、人として成長していく姿を描いている「侠飯(おとこめし)」。単なるグルメ小説ではないところに深みを感じさせます。
福澤徹三「侠飯(おとこめし)」の気になる人気レシピとは?
福澤徹三の小説「「侠飯(おとこめし)」で登場している料理レシピは、家にある残り物で絶品料理ができ上がるというものばかり。中でも、読者に人気があったのは、レトルトカレーを使った料理でした。レトルトカレーをフライパンで炒めて、カレー粉を加えたら、ご飯も混ぜてチャーハンのように混ぜて食べるという柳刃流カレーライス。書いてある通りに作ると、本当に名店のカレーに近い味になるのだとか。実際に作ってみたという方は、みな大満足だったようです。
福澤徹三自身が料理好きなので、「「侠飯(おとこめし)」に登場するのは、実際に作ってみたものを書いているとしか思えないリアリティのあるレシピばかり。誰でも作ることができそうなのが、人気の秘密かもしれません。ドラマ「「侠飯(おとこめし)」でも、原作本のレシピを、順番に再現していくようです。第1話で登場した「オイルサディーンの缶ごと焼き」「ピリ辛ネギ飯」などは、すぐにでも作ってみたいと思った方も多いのではないでしょうか?
福澤徹三映画化作品「東京難民」が怖い!アウトロー作家が恐れるものとは?
福澤徹三映画化作品「東京難民」のここが怖い!
福澤徹三の小説「東京難民」は、2014年に映画化されました。「東京難民」の物語の始まりは、大学3年生の主人公が、父の失踪によって学費未払、除籍になるというシーンから。主人公は、親からの仕送りもなくなり、実家に連絡も取れなくなります。仕方なく自活を考えるわけですが、なかなか思うようにいかず、たった半年で、普通の大学生だった主人公が、ホームレスにまで転落していきます。これは必ずしも特別な体験ではなく、普通に生きていても、もしかしたら自分にも起こりうる話ではないか?と、考えてしまうのが「東京難民」の怖さ。
福澤徹三は、現代社会の経済戦争で、戦う間もなくはじき出された者という意味で「東京難民」というタイトルを考えました。勝ち組、負け組と差別する以前の格差社会ということです。怠け者だからホームレスになるのではなく、真面目に普通に生きていても転落する者がいるという現状。その上で、福澤徹三は、若者には、真面目とは違う、自分なりの生き方をしっかり持ってほしいと訴えています。
福澤徹三がアウトロー作家として一番恐れるものとは?
福澤徹三の「忌談」は、2013年からずっと書いてきた実話シリーズです。内容は、自身が、キャバ嬢や風俗関係者など、裏社会に生きる方々から取材した、実際にあった怖い話。超自然的な存在を感じる怪奇現象、人間のおぞましさを感じるような嫌な話など、単なる怪談話の範疇には収まりきらない怖い話が詰め込まれています。
福澤徹三が、話をより怖く表現するためにしていることは、取材をもとに、ごく普通の日常生活を書くことです。本当の恐怖とは、平凡な日常が、怪異的なものに侵されることによって引き起こされるのだと語る福澤徹三。そんな福澤徹三は、日常生活の中で、何を一番恐れているのでしょうか?
それは、「痛み」だといいます。どれほど「痛み」を恐れているかというと、歯が痛いだけでも恐怖を感じるそう。若いころに、ひどい歯痛に悩まされていたという福澤徹三は、歯が痛いことに比べたら、幽霊なんて全く怖くないとまで言います。アウトロー作家の意外な一面といえそうですね。
福澤徹三の小説「侠飯(おとこめし)」ドラマ化!スタッフも生瀬勝久も原作に魅了された!?
福澤徹三「侠飯(おとこめし)」が、ドラマ化されました。監督の榊英雄はじめ、スタッフ一同が、「侠飯(おとこめし)」を読んでみて、その内容に魅了されたという本作。原作本のあるドラマや映画には、内容を少し変えて、オリジナリティを強調しているものもありますが、こと「侠飯(おとこめし)」に関しては、内容をそのまま忠実に再現しているようです。
それだけ、原作自体がすばらしいということでしょう。ヤクザの組長役を演じている生瀬勝久も、任侠とグルメのおもしろい組み合わせを演じることにやりがいを感じていると意欲満々。生瀬勝久自身、福澤徹三と同じく料理をするのが好きということで、プライベートでも真似して作ってみたいとも語っています。
福澤徹三は、昭和時代の男のかっこよさは、任侠だったと語っています。仁侠=ヤクザという意味ではなく、自分を犠牲にしても弱い者を助ける精神のこと。他人を犠牲にしてでも頂点に立とうとする人をかっこいいと思う、今の価値観とは違っていたといいます。「侠飯(おとこめし)」は、就活中の大学生が、暴力団抗争に遭遇し、ヤクザの組長を匿うハメになり、居候となった組長が、冷蔵庫の残り物で、おいしい料理を振舞うというストーリーです。
組長と大学生の会話は、ほとんど料理のことしかないにもかかわらず、組長から生きるということをいろいろ学びながら成長していく大学生の姿も見ものです。ちなみに、大学生役を演じるのは柄本時生。幼いころから波乱万丈の人生だったという福澤徹三が、現代の若者に伝えたいメッセージも込められている今だかつてないグルメドラマ「侠飯(おとこめし)」、毎回目が離せませんね!