「ふしぎの海のナディア」アニメファンを虜にした海洋冒険譚!「エヴァンゲリオン」とも繋がりが!

「ふしぎの海のナディア」アニメファンが虜に!海洋冒険譚あらすじネタバレ

「ふしぎの海のナディア」あらすじ!発明家の少年とサーカス団の舞姫の冒険物語

「ふしぎの海のナディア」は、1990年4月13日から1991年4月12日にかけて、NHKにて放送されていたTVアニメです。力の入った作画や演出、物語展開などで人気を集めました。物語が始まるのは、西暦1889年。発明好きの少年ジャン・ロック・ラルティーグは、飛行機コンテストに参加するため、パリを訪れていました。

セーヌ川の岸辺で整備を行っていたところ、自転車で走り抜けた少女に一目ぼれ。褐色の肌と藍色の髪を持った少女ナディアは、「ジャングルの舞姫」という芸名を持つ、サーカス団の看板スターでした。実は、「ブルーウォーター」という宝石を持っていることで、グランディス一味によって狙われているナディア。

両親との唯一の繋がりであるブルーウォーターを守るために逃亡するナディアを、ジャンが助けます。やがて助けてくれたネモ船長の「ノーチラス号」の乗組員となり、世界征服を巡る戦いに巻き込まれていきます。

「ふしぎの海のナディア」アニメファンを唸らせた衝撃展開ネタバレ!作画崩壊?

物語の冒頭こそ、謎の組織に追われる少女と、それを助けようとする少年の、成長と冒険の物語という印象を受ける「ふしぎの海のナディア」。しかし、物語が進むにつれ、海中に沈んだ古代アトランティス王国が開発した超科学の力を使って世界征服を目論む秘密組織「ネオアトランティス」の存在や、それに対抗しようとする勢力「ノーチラス号」が登場。世界の平和と秘密を巡る、一回りスケールの大きい戦いの物語となっていきます。

しかも、そのまますんなりと話が進むわけではありません。ネオアトランティスとの戦いに敗れたノーチラス号は、ナディアとジャン、2人が助けた少女マリーを乗せて無人島に漂着。すると、それまでのシリアスな展開から一転、この「島編」は、時に悪ノリとも感じられるほどコミカルなシーンが増えていくことに。

当時はスタッフも資金もギリギリ状態で、「島編」が描かれている23話ごろから34話までは作画のクオリティも低下し、作画崩壊状態に陥っていたという指摘があるほどです。とはいえ、無人島での経験が、ナディアを人間として大きく成長させるきっかけともなっており、物語全体でも重要なエピソードであることは間違いありません。

「ふしぎの海のナディア」は「ラピュタ」の原点?「エヴァンゲリオン」とも繋がりが!

「ふしぎの海のナディア」は「ラピュタ」の原点?名作アニメ映画との意外な関係!

よく、「ふしぎの海のナディア」と宮崎駿監督作品のアニメ映画「天空の城のラピュタ」の類似性が指摘されます。不思議な石を持った少女、両親が他界していること、科学や飛行機に憧れのある少年の存在、滅亡した古代人の遺した技術とそれを狙う組織など、両作品に、基本的な設定や世界観が似た部分が多いことは事実です。それには理由がありました。

「ふしぎの海のナディア」は、「海底世界一周」という企画をもとに制作された作品です。「海底世界一周」は、多くのクリエイターに影響を与えた近未来アニメ「未来少年コナン」の続編として、同作品の実質的な監督だった宮崎駿によって提案された企画でした。

しかし、「未来少年コナン」の続編としての制作は行われなかったため、企画自体がNHKに残されました。その後、宮崎駿が、「海底世界一周」も活かしながら「天空の城のラピュタ」を制作する一方で、NHKがアニメ制作会社とタッグを組んで「ふしぎの海のナディア」を制作。元となる企画が同じであることから、類似設定が残る結果のようです。

「ふしぎの海のナディア」監督は庵野秀明!「エヴァンゲリオン」との繋がりとは?

「ふしぎの海のナディア」で総監督を務めた庵野秀明は、脚本やアニメ自体の制作だけではなく、キャラクターのモデルにもなっているそうです。ナディアが、ベジタリアンだけどお肉味のお菓子を食べているところや、ジャンに対するわがままでちょっと嫉妬深い部分は、庵野秀明自身の食の好みや、女性観を参考にしていると言います。

「ふしぎの海のナディア」だけでなく、今なお絶大な人気を持つ近未来ロボットアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年)、通称「エヴァ」の監督も務めていた庵野秀明。彼の中では、「エヴァ」と「ふしぎの海のナディア」は、同じ世界観のもとで描かれた物語でした。そのため、「エヴァ」を、「ふしぎの海のナディア」の続編だと見る向きもあるようです。

「ふしぎの海のナディア」がNHK「ベスト・アニメ100」ランクイン!Abemaで放送も!

これまでは、アニメのランキング企画があると、「サザエさん」や「ドラえもん」といった国民的アニメが上位を占める結果となるのが常でした。しかし、コアなアニメファンは、そうした風潮を常々不満に思っていた様子で、「最近のアニメにも注目してほしい」といったコメントを多く発信していました。

そんな中、NHKが、日本でアニメが公開されてから100年が経過することを記念し、日本で制作されたアニメ約1万タイトルの中から、ウェブ投票で人気100作品を選出する「ベスト・アニメ100」という企画を開催。1910~2010年代という幅広い年代の作品から1日3作品に投票できる、というシステムで投票が行われ、2017年5月3日に、上位100作品が公開されました。

結果は、1位が、異色のヒーローの活躍を描いたバディもの「TIGER & BUNNY」で、2位はその劇場版。3位は、可愛い絵柄ながら、物語の完成度の高さで魔法少女もの旋風を巻き起こした「魔法少女まどか☆マギカ」でした。アイドルものブームを巻き起こした「ラブライブ!」など近年のアニメを中心に、さまざまな年代のアニメがランクインする中、「ふしぎの海のナディア」は、90位。放送から長い年月が経過しても、作品の魅力は色褪せずに人々の心の中に残っていることを証明しました。

そんな「ふしぎの海のナディア」が、2017年6月1日から、パソコン&スマートフォン向けインターネットTV「AbemaTV」で放送されています。チャンネルは、1980年代から2000年代初頭にかけて放送されたアニメを中心に放送する「なつかしアニメ」。月曜日から金曜日の平日に、毎日2話ずつ放送され、土日には見逃し放送用に再放送もされるという、学生や社会人アニメファンにも嬉しい放送スケジュールとなっています。

これは、ちょっとわがままで気が強いけれど正義感の強いナディアと、純粋で温厚なジャンとともに、海と空と世界を巡る冒険に旅立つチャンス!「シン・ゴジラ」や「エヴァ」の監督が作った作品として観る人も多いと予想されるため、新たな「ふしぎの海のナディア」ファンも増えそうです。

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