映画「ザ・シークレットマン」原題、原作者も「マーク・フェルト」!その意味は?

映画「ザ・シークレットマン」はウォーターゲート事件を描いた作品!原題、原作者も“マーク・フェルト”その意味は?

映画「ザ・シークレットマン」は1972年のウォーターゲート事件の情報提供者を描いた作品!

2017年に制作されたアメリカ映画「ザ・シークレットマン」は、1972年に実際に起こったウォーターゲート事件をテーマにしています。事件の発端となったのは、ワシントンD.C.のウォーターゲートビルにあった民主党本部内に盗聴器を仕掛けようとしていた男たちの逮捕。大統領選が控える中、再選を狙う共和党リチャード・ニクソン大統領の、政権内部の人間が関わっていたことが、次第に明らかになっていきました。

さらに取材が進むと、盗聴器を仕掛けようと不法侵入した男たちが逮捕された件について政権側が、捜査妨害や情報のもみ消し工作を積極的に行っていたことまで判明。ニクソン政権の不正を糾弾する声は強まり、アメリカ大統領が任期中に辞任に追い込まれるという、前代未聞の政治スキャンダルへと発展しました。

映画「ザ・シークレットマン」が描いているのは、ウォーターゲート事件の報道で主導的な立場にあったワシントン・ポストに内部情報を密告していた「ディープ・スロート」と名付けられた人物です。重厚な作風の中に、リークすることを決意し、実際に行動に移すまでの主人公の葛藤や苦悩が克明に描き出されています。

映画「ザ・シークレットマン」原題、原作者も「マーク・フェルト」!その意味は?

映画「ザ・シークレットマン」の原題は、「Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House」。日本語に訳すと、「マーク・フェルト:ホワイトハウスを沈めた男」といった意味合いになります。この「マーク・フェルト」こそが、ウォーターゲート事件の密告者で、「ディープ・スロート」であったことを後年明らかにした人物の名前です。

それが、事件発生当時にFBI(米連邦捜査局)副長官を務めていたマーク・フェルト。当時は正体が伏せられており、「ディープ・スロート」の存在はウォーターゲート事件のミステリーとされていましたが、2005年に自ら正体を公表し、2008年12月18日にこの世を去りました。

脚本作りにあたっては、マーク・フェルトが執筆した「The FBI Pyramid」と「A G-man’s Life」が参考にされているため、原題も原作者もマーク・フェルトです。

映画「ザ・シークレットマン」のあらすじネタバレ!主演俳優ほか主要キャストは?

映画「ザ・シークレットマン」はアメリカ大統領選挙の裏を描いた政治映画!あらすじネタバレ

映画「ザ・シークレットマン」は、アメリカ大統領選挙の133日前に、ワシントンD.C.の民主党本部に不審な男たちが不法侵入を試みる場面から始まります。盗聴器を仕掛けようとしていた男たちの逮捕によって明らかになったのは、当時政権を握っていた共和党リチャード・ニクソン大統領の関係者の関与です。

捜査を任せられたのは、FBI副長官マーク・フェルト。捜査の過程で、ホワイトハウス関係者が関わっていたという驚愕の事実が次々に明らかになりますが、政権寄りのFBI長官の存在や、実際に揉み消し工作が行われるなど、うやむやにされそうな事態に追い込まれます。

そこで、マーク・フェルトは、マスコミに密告する決意を固めて……。映画「ザ・シークレットマン」は、30年あまりも謎の存在だった「ディープ・スロート」マーク・フェルトの人間像を描くことで、世紀の大スキャンダルの根幹に迫ります。

映画「ザ・シークレットマン」の主演はリーアム・ニーソン!ほか主要キャストは?

映画「ザ・シークレットマン」で主人公マーク・フェルトを演じるのは、北アイルランド出身の俳優リーアム・ニーソンです。1993年にスティーヴン・スピルバーグ監督作品「シンドラーのリスト」で主演してアカデミー賞にノミネートされるなど、演技派俳優として知られてきました。

しかし、2008年、56歳の頃に主演したアクション映画「96時間」が大ヒットしたことをきっかけに、50歳を超えてからアクション俳優に転身したという独特のキャリアを持つことでも知られる俳優です。本作では、得意のアクションは封印し、演技派俳優の名にふさわしい物静かで抑制のきいた渋い演技を披露しています。

マーク・フェルトの勇気ある行動に大きな影響を与える妻オードリー・フェルト役は、映画「運命の女」のダイアン・レイン。陰謀の中心にいるリチャード・ニクソン大統領の法律顧問ジョン・ディーン役は、「デクスター 警察官は殺人鬼」で人気のマイケル・C・ホールが演じています。

映画「ザ・シークレットマン」はリーアム・ニーソンが渾身の役作りで挑んだ力作!

アメリカでは2017年9月から劇場公開が開始された映画「ザ・シークレットマン」が、日本でも2018年2月24日から上映開始となっています。

マーク・フェルト役を演じているリーアム・ニーソンは、実在した人物を演じるにあたって、「彼という人物を伝える上で重要な部分だった」と、あえて白髪にして挑んだという髪の毛へのこだわりを披露。老けメイクも施して、体当たりで演じたことを明かしました。ピーター・ランデズマン監督からは、物静かで常に周囲を観察している感じで演技するよう求められ、ポーカーフェイスな人間を演じるのは難しかったものの面白かったとも語っています。

監督を務めたピーター・ランデズマンは、ジャーナリストだった経験を持つ人物です。これまで発表してきた作品は、引退したアメリカンフットボール選手を襲う慢性外傷性脳症を発見したナイジェリア人医師の伝記映画「コンカッション」。そして、1963年のケネディ大統領暗殺事件の模様を描いた「パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間」など、実話を基にした作風で知られます。

ピーター・ランデズマンは、映画「ザ・シークレットマン」でもその手腕を余すところなく発揮し、人物描写に深みのある、リアリティある作品に仕上げました。

アメリカ人でなくとも、世界を揺るがした大事件の内幕や駆け引きに興味を覚える人は多いはず。映画「ザ・シークレットマン」の制作には、「オデッセイ」のリドリー・スコットや、「ダ・ヴィンチ・コード」のトム・ハンクスも関わっています。日本でもお馴染みのスターも多く参加している肝入りの作品をじっくり楽しみたいものです。

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