ゴダイゴ歌詞の魅力!「銀河鉄道999」「テイキングオフ」は色あせない!
ゴダイゴは、日本初のオリジナリティを持った本格バンドだった
ゴダイゴは、バンドとしての高い音楽性をベースに、J-POPの幕開けと同時に、数多くのヒット曲を世に出しました。特に1978年には、堺正章、夏目雅子が出演して大ヒットした、日本テレビ「西遊記」のエンディングテーマ「ガンダーラ」や、主題歌の「モンキー・マジック」が、翌1979年には、ユニセフ国際児童年協賛曲として「ビューティフル・ネーム」が、さらにアニメ映画「銀河鉄道999」の「テイキング・オフ!~銀河の彼方へ~」が空前の大ヒットを記録します。
今でこそ当たり前になった、英語歌詞や、英語と日本語を交えた歌詞は、当時とても新鮮でした。しかも恋愛を歌うのではなく、若者の夢や希望を奏でる、スケール感の大きな楽曲は、日本の歌謡界にこれまでに存在しないタイプの楽曲でした。
ゴダイゴは、タケカワユキヒデとミッキー吉野という2人の天才の出会いによって誕生した
ゴダイゴの楽曲は全て、ボーカルを担当した、タテカワユキヒデが作曲しています。タケカワユキヒデは音楽家一族に育ち、東京外国語大学英米語学科を卒業した秀才で、作曲は、10歳の頃より始めていたそうです。一方、ミッキー吉野は、グループサウンズ全盛時、「ゴールデンカップス」に参加。その後、アメリカの名門音楽学校バークリー音楽院で学び、帰国してタケカワユキヒデと出会い、ゴダイゴを結成します。この2人の高度な音楽性の融合が、ゴダイゴを生み出したのです。
J-POPと呼ばれる新しい音楽が一挙に登場する1980年代初頭。それらより一足早く、シンプルなロックに飽き足らない、ジャズやクラシックなど、他ジャンルの音楽を融合した前衛的なロック、プログレシッブ・ロックを目指したバンドが、1976年にデビューした、ミッキー吉野率いるゴダイゴだったのです。
ゴダイゴのバンド名由来や西遊記主題歌「ガンダーラ」が仏教的!
ゴダイゴというバンド名に隠された、深い意味
ゴダイゴというバンド名の由来は、この名を英語で綴ったときに分かります。英語の綴りを分解してみると、Go・進む、 die・死ぬ、go・進むとなることから、永遠に輪廻する生命を表しているのだとか。ゴダイゴの楽曲もまた、なかなか薀蓄深いものがあります。「ガンダーラ」の曲制作においては、作詩が先行でした。タケカワユキヒデと作詞家は、ともにエキゾチックな歌にしたいと意見が一致し、あれこれ考えていたところ、ガンダーラ美術のようなイメージに浮かび、そのままタイトルに採用したそうです。
ゴダイゴ「ガンダーラ」のエキゾチックで仏教的旋律は、海外でも大ヒット
「ガンダーラ」は、タケカワユキヒデらの狙い通り、どこか仏教の念仏を思わせる旋律で、アジア的哀愁が漂う楽曲に仕上がりました。実際、三蔵法師もガンダーラ地方を訪ねたそうで、番組のエンディングで流れる、シルクロードやインドのイメージ映像と、「ガンダーラ」の旋律は実に番組にマッチし、大ヒットにつながりました。
また、テレビドラマの「西遊記」は、イギリスやオーストラリアでも放送され、「モンキー・マジック」や「ガンダーラ」は、イギリスとオーストラリアでもヒットを飛ばします。ゴダイゴは、アメリカや中国・ネパールなど、海外でも全く支障なくコンサートを行っています。1980年のネパールでのゴダイゴのコンサートは、首都カトマンズにあるネパール王立競技場で行われ、6万人の観客が集まったそうです。
ゴダイゴが、6人編成バンドとして再結成。彼らが目指す音楽は?
ゴダイゴは、1985年に解散後し、期間限定で、あるいは、イベント出演のため単発で、何度か再結成を行っています。そして2015年11月、タケカワユキヒデ、ミッキー吉野を含む、オリジナルメンバー5名に、ベースの吉沢洋治が加わった6人編成のバンドとして、本格的な再結成を果たしました。
今から考えると、ゴダイゴの活動期間は、1975年から1985年の10年間。人気のピークは、1978年から1980年のたった3年間でした。一時代前には、レコード会社や芸能プロが仕掛けたグループサウンズブームがありましたが、その音楽性は日本の歌謡曲そのもの。それに飽き足らなかった当時の若者たちは、自分たち自身のバンド結成を目指します。
しかし、それらの多くは、洋楽ヒットのコピーバンドにしかすぎませんでした。洋楽に負けない、自分たちの音楽性を確立したバンドは、なかなか現れなかったのです。そんな状況の中、登場したのがゴダイゴです。ゴダイゴの音楽は、オリジナル性だけでなく、大衆性まで備えていました。というより、そのように計算し尽くされた楽曲に仕上がっていたのです。
ゴダイゴは、その後続々と登場するJ-POPアーティストのお手本となります。アーティストにとって、独自の音楽性、世界観の確立が最も大事なのだと。しかし不思議なもので、ゴダイゴは、大衆受けするヒットが続くほど、バンドとしてのコアな人気が落ちていきました。ゴダイゴは、歌謡曲の時代からJ-POPの時代への、偉大な橋渡し役だったのかもしれません。