原田マハおすすめ小説「楽園のカンヴァス」「暗黒のゲルニカ」あらすじネタバレ!
原田マハの本屋大賞にノミネート作「暗黒のゲルニカ」あらすじネタバレ!
本屋大賞に最新刊「暗黒のゲルニカ」がノミネートされている作家の原田マハ。その作品は、美術への深い造詣に裏打ちされており、アート好きからも、小説好きからも、多くの支持を受けています。
反戦の想いがこめられたたピカソの傑作「ゲルニカ」を軸に展開する「暗黒のゲルニカ」。主人公は、MOMA美術館のキュレーター瑤子です。彼女は、本国スペインからは門外不出といわれる「ゲルニカ」の原画の、アメリカでの展示を実現しようと奔走します。
それは、9・11の同時多発テロで失った夫のためでした。作中ではゲルニカの制作過程も描かれ、世紀の名画がどうして誕生したのかも知ることができます。
原田マハおすすめ小説「楽園のカンヴァス」あらすじネタバレ
原田マハの本屋大賞ノミネートは、初めてではありません。「楽園のカンヴァス」で本屋大賞の3位に入ったことから、その名は一気に広く知られることになりました。こちらもアートをテーマに扱った作品で、ルソーの名画「夢」にそっくりな絵をめぐり、物語が紡がれます。
ルソーの研究者であるティム・ブラウンと早川織絵は、絵の所有者から、「絵の真贋を見極められた方にその絵を譲渡する」と告げられ、たった7日間という短い期限で奔走するというのがあらすじです。物語はミステリー仕立てとなっているためハラハラドキドキしつつ、美術館の舞台裏や、アートの見方も頭に入ってくるというお得な構成になっています。
原田マハのプロフィール!映画「カフーを待ちわびて」あらすじネタバレキャスト!
原田マハのプロフィール!美術界の裏を知り尽くしているワケ!
深い美術への造詣を誇り、アート界の舞台裏を鮮やかに描きだすことのできる作家・原田マハ。そのワケは、彼女のプロフィールにありました。原田マハは、早稲田大学で美術史を専攻して卒業した後、マリムラ美術館、森ビル、ニューヨーク近代美術館といった名だたる有名美術館でキュレーターとして活躍しています。
2002年には、フリーのキュレーターとして独立。翌年には、ライターとしての活動もはじめました。そして、同年に「カフーを待ちわびて」で日本ラブストーリー大賞を受賞してしまうのですから、その才能は凄まじいものです。ちなみに、実の兄は小説家の原田宗典ですから、血は争えないといえるでしょう。
原田マハの映画化作品「カフーを待ちわびて」あらすじネタバレキャスト!
原田マハが日本ラブストーリー大賞を受賞した「カフーを待ちわびて」は、映画化もされています。主人公の明青は、愛犬カフーとともに南の島で雑貨店を営む青年です。ある日、彼のもとに届いたのは、「あなたのお嫁さんにしてください」という手紙でした。
やがて美しい女性・幸が訪れ、明青は幸にひかれていきます。しかし、幸には秘密があり……。映画版のキャストには、明青に玉山鉄二、幸にマイコが配されました。ネタバレすると、幸は、明青が生き別れた母親が再婚した相手の連れ子でした。義母から聞いていた明青の話を頼りに訪ねてきたというからくりです。
原田マハの人気の秘密!独壇場のアート小説か、お仕事小説路線か?
2度目の本屋大賞にノミネートされている原田マハ。2017年の本屋大賞は、芥川賞を受賞した村田沙耶香「コンビニ人間」や、直木賞を受賞した恩田陸「蜂蜜と遠雷」といった人気作、話題作が並んでいるだけに、にわかに注目度も高まってきています。それだけに、大賞受賞への道は厳しいものかもしれませんが、原田マハが、人気、実力を着実に積みあげてきていることには変わりはないでしょう。
「楽園のカンヴァス」「ジヴェルニーの食卓」「暗幕のゲルニカ」で、すでに3度も直木賞候補にもあがっており、その作家としての評価が年々高まっていることは間違いありません。とはいえ、直木賞受賞までの道のりはなかなかにけわしく、5回、6回の落選は珍しくないといわれる世界。原田マハの直木賞受賞まで、もう少し時を待たなければならない可能性はあります。
そんな原田マハの作品の大きな魅力の1つは、なんといってもアートの現場を知る者だからこそ描けるリアルな舞台裏。そして、美術作品の奥深い魅力を、物語のドラマチックさに絶妙にからめることができる大胆さです。美術への深い知識と愛情を持つ者でなければ、ピカソやルソーといった、世界的に知られている画家や、その作品について、ここまで踏み込んだ作品は書けません。そういう意味では、原田マハにとって、美術の分野は、独壇場ともいえる状態にあるといえそうです。
しかし、原田マハの魅力は、それだけではありません。2010年に発売された「本日は、お日柄もよく」は、スピーチライターという職業を扱った胸を打つお仕事小説になっています。主人公のこと葉は、想いを寄せていた幼馴染の厚志の結婚式で、涙が流れるほど感動的なスピーチを耳にします。幼馴染への失恋で最悪な気分を抱えていたこと葉を感動させたそのスピーチは、伝説のスピーチライター久遠久美のものでした。
「本日は、お日柄もよく」では、久美に弟子入りしたこと葉が、奮闘する日々の中で、思いを伝えることの大事さや、言葉の持つ力に気づきながら成長する姿が描かれます。作品は20万部をこえるベストセラーとなり、今も売れ続ける人気作になりました。原田マハが、アート小説というイメージから脱却し、さらに広く読まれるようになったきっかけとなった作品でもあります。
人気の高さを受けて、2017年1月からは、比嘉愛未を主演に迎え、WOWOWでドラマ化もされました。共演には、長谷川京子、渡辺大、速水もこみち、八千草薫と、なかなか豪華な顔ぶれがキャスティングされており、かなり力が入っているようです。感動のお仕事小説といえば、次々と作品が映像化される有川浩や池井戸潤といったベストセラーを連発する人気作家の顔ぶれが浮かびますが、原田マハも名を連ねることになるのでしょうか。今後の作品の方向性が気になります。