京極夏彦の本名・謎の私生活とは?電子書籍化に今後を託す!?

2016年3月4日 更新

京極夏彦の本名・謎の私生活とは?電子書籍化に今後を託す!?

京極夏彦はいつも和服?本名・謎の私生活とは?

京極夏彦は、妖怪好きな方やミステリー小説好きな方に人気の作家。いくつもの人気作品があり、百鬼夜行シリーズや「嗤う伊右衛門」シリーズは映画化もされました。

妖怪や古典の怪談を下敷きにした作品が多い京極夏彦は、作品同様、私生活にも謎が多い人物です。中学生の頃から和装を始めたという京極夏彦は、著者近影やテレビ等に出演する時は必ず和服。着流しが普段着だと語っています。そしてトレードマークともいえるのが皮手袋。しかし、京極夏彦の本名は、大江勝彦といたって普通。ペンネームは「京(けい)」「極(ごく)」「夏(ナノ)」「彦(ピコ)」と一文字ずつ、数字の単位を表しており、友人が考えたのだとか。そして、ファンの間でもう一つ有名なのが、京極夏彦の自宅の書斎です。

京極夏彦の巨大書庫が凄い!本好きが電子書籍化に今後を託す!?

京極夏彦の書斎は、壁がすべて本棚。地震で本が落下しないように、棚は奥に向かって斜め下に傾かせているそうです。そんな巨大書庫に納められた蔵書は1万冊以上。それだけあると乱雑になりそうですが、京極夏彦は整理整頓が趣味だということで、書籍のサイズやジャンルを揃えて、いつでもきれいに整えてあるそうです。紙の本を偏愛しているともいえる本好きな京極夏彦ですが、意外にも自著の電子書籍化には積極的。2010年には、日本でのiPad発売と同時に著書『死ねばいいのに』を電子書籍として配信スタート。

「電子書籍の新しい局面を作り上げるための第一歩としたい。著作権や肖像権のあり方も今後大きく変わらざるを得ないが、紙か電子かと幼稚なことを議論している場合ではない――」と前向きなコメントを発表しています。京極夏彦は電子書籍化の進展に本の今後を託しているのかもしれません。

京極夏彦おすすめ「鵺の碑」「百鬼夜行シリーズ」あらすじ感想ネタバレ!

京極夏彦のおすすめ作品「百鬼夜行シリーズ」あらすじ&感想ネタバレ

京極夏彦のデビュー作にして、代表作である百鬼夜行シリーズ。作品の舞台は、終戦後の東京。古本屋「京極堂」店主の中禅寺秋彦が、もちこまれる奇怪な事件を「憑き物落とし」として解決していくあらすじです。作品のタイトルには毎回妖怪の名が入っていることから、百鬼夜行シリーズと呼ばれています。

京極堂こと中禅寺秋彦が、民俗学・論理学等のさまざまな知識を駆使し、妖怪にからめて事件の背景を読み解いていくところが最大の特徴です。そして、このシリーズは長大であるのも特徴。しかし、それを苦に思わせないのが京極夏彦の筆致のすばらしさといえるでしょう。

京極夏彦「百鬼夜行シリーズ」最新作「鵺の碑」はいつ発売されるのか?

「百鬼夜行シリーズ」の第一作「姑獲鳥の夏」は、1994年に発売されました。その後、コンスタントに続編が発売され、そのタイトルは「魍魎の匣」「狂骨の夢」「鉄鼠の檻」「絡新婦の理」「塗仏の宴 宴の支度」「塗仏の宴 宴の始末」「陰摩羅鬼の瑕」「邪魅の雫」と、これまで本編は9作。毎回、新刊が発売されると同時に、次巻タイトルも予告されます。

そのため、次作のタイトルは2006年に「鵺の碑」として発表されていますが、その後、発売はされていません。予告されてから10年、京極夏彦の最初の人気シリーズなだけに「鵺の碑」の発売を熱望しているファンは多いことでしょう。

京極夏彦は元アートディレクター!バブル崩壊が生んだ小説家!?

京極夏彦は1963年生まれの52歳。小説家として活躍する前は、なんとアートディレクターとして活躍していました。桑沢デザイン研究所で学んだ後、広告代理店で働き、その後は独立してデザイン会社をたちあげた京極夏彦。時代はバブルで、京極夏彦のアートディレクターとしてのキャリアは順調のようにみえました。しかし、間もなくバブルが崩壊。すっかり仕事が減ってしまいます。そしてそれが、小説家・京極夏彦を生むききっかけとなりました。

仕事が減り、会社ですることがなくなった京極夏彦は、他の同僚の手前、早く帰るわけにもいかず、手慰みに小説を書きだしました。1年後、完成した小説をせっかく書いたんだから「もったいない」という思いから、講談社に送ります。編集者は当初「返事は数カ月から半年かかる」と話しますが、読んでみると面白く、2日後には発売が決定したといいます。

その後の京極夏彦の活躍はめざましく、百鬼夜行シリーズは全く間に大人気に。各出版社から、京極夏彦のもとに執筆依頼が入りだし、百鬼夜行シリーズ以外にも人気作を次々と生み出すこととなりました。本推理作家協会賞、泉鏡花文学賞、山本周五郎賞、直木賞、柴田錬三郎賞と、京極夏彦はさまざまな文学賞も受賞しています。

そして、京極夏彦といえば、作品にたびたび登場する妖怪に関する活動も有名です。妖怪漫画の第一人者といえる漫画家・水木しげるとは親交も深く、共著も多数あります。京極夏彦は水木しげるを敬愛していることから、作家・京極夏彦の生み出す作品群が水木しげるの影響を受けていることは間違いないでしょう。

そして、熱心に執筆活動を続けるかたわら、作家の大沢在昌・宮部みゆきとともに「大極宮」という公式サイトを開設。サイトを通じて、「リーディング・カンパニー」という自作を朗読するイベントも行う等、京極夏彦の活動は多岐にわたっています。
デビュー以来、精力的に活動する京極夏彦。多くのファンは、どんどん新刊を発売してくれるこの稀有な作家を応援し続けていくことでしょう。しかし、皆が一番熱望しているのは、10年近く待ち続けている百鬼夜行シリーズ最新作「鵺の碑」なのは確実です。

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