宮本輝の「流転の海」がついに完結?創価学会員なの?母が作品に?

宮本輝の「流転の海」シリーズがついに完結?

宮本輝(みやもとてる)といえば、いくつもの名作を生み出している有名な小説家です。過去には太宰治賞や芥川賞なども受賞しており、すばらしい経歴のある小説家なのですが、驚くべきは、その作品の数です。

数多くある宮本輝作品の中でも「流転の海」シリーズの執筆期間は、なんと37年にもわたります。そんな宮本輝の大作である「流転の海」が今年全九巻でついに完結しました。同小説は、戦後の日本を背景にした自伝的大河小説ですが、読むのもハラハラしてしまうほど内容が濃く、波乱万丈の家族の形が描かれています。

この作品のファンは長年「続きを早く読みたい!」と思いつつも、いざ完結してしまうと「読み終わりたくなかった…」と少し寂しい気持ちになってしまう人が多いようですね。それだけ長年にわたって愛され続けた作品という証拠でしょう。

もう全て読み終えてしまったという人は、また再度読み直してみるのもオススメですし、まだ読んだことがないという人は、是非手にとってみてください。長編作品なので読むのにかなりの時間がかかりますが、色々なことを考えさせられる素敵な作品です。

宮本輝の母親が作品に出ている?!

「流転の海」をご存知の方は知っているであろう話ですが、同作の主人公である松坂熊吾は、宮本輝の父親をモデルとしています。そして松坂熊吾の妻である房江は、宮本輝の母親である雪江さんがモデルであり、2人の息子である伸仁こそが宮本輝自身なのです。

あまり詳しく書いてしまうとネタバレになってしまいますが、父親の女性問題や借金問題で、母親の雪江さんと宮本輝は大変苦労したようです。実に激動の人生といった感じですね。作品中には多くの人物が登場する中で、特に宮本輝の母親がモデルである房江の苦しみや試練を乗り越え、強く生きようとする姿に心を打たれて涙を流した人は多いようです。

創価学会員との噂は?

宮本輝が創価学会員であるとの噂は、数多くネットで出回っています。この噂は、デマではないようです。というのも、本人である宮本輝が創価学会員であるということを過去にインタビューで述べています。自ら明かしているということは、宮本輝自身も隠したりするつもりはないのでしょう。

情報によれば昭和47年、宮本輝が25歳のときに創価学会員になったとも言われています。宮本輝は25歳のときに結婚もしているので、「妻や家族も創価学会員なのか?」という疑問をもつ人が多いようですが、それについて宮本輝自身は何も語っておらず、確証がないので分かりません。

芸能界にも創価学会員は多く存在していますが、同学会をあまりよく言わない人も世間には少なくないため、このような噂は広まりやすいようです。何を信仰するかは本人の自由ですから何も悪いことはないのですが、宮本輝の作品まで批判してしまう人も中にはいるようです。単なる偏見で宮本輝の素晴らしい作品まで批判されてしまうのは、悲しいことですね。

宮本輝のオススメ作品を紹介!

多くのファンがいる宮本輝作品の中で、特に支持されている作品を調べてみました。

やはり37年もの長きにわたり執筆された「流転の海」シリーズは多くのファンが存在しますが、その他に「錦繍」「春の夢」も広く支持される人気作です。この2作品のあらすじを紹介します。

「錦繍(きんしゅう)」

離婚してしまった男女2人が10年後に偶然ある場所で再会を果たします。その再会がきっかけとなり手紙を送り合うようになるのですが、手紙の内容こそがこの小説のストーリーとなっています。離婚のきっかけとなってしまった出来事・離婚後のお互いの生活の様子などが手紙に綴られており、今後2人はどんな生活をしていくのか?という内容の小説です。

「春の夢」

父親が借金を残して死んでしまい、主人公と母親は借金取りから逃げるため別々に暮らすこととなります。主人公が1人暮らしを始める家の柱に釘を打とうとしたとき、間違ってトカゲの体を釘で打ってしまいます。しかしトカゲは死なず、釘を抜くことで死んでしまうかもしれないと考えた主人公はそのトカゲに「キン」と名付け、そのまま一緒に生活します。この体を釘で打たれながらも生きているトカゲの姿に、人の生き様を映し出している作品です。

宮本輝の作品は少々暗いストーリー展開が多い傾向にありますが、その中にも人間らしさや生きる力を感じさせ、本当にいろんなことを考えさせられる作品ばかりです。「何か小説を読みたい!」と思っている人はもちろんのこと、悩み事がある人や人生に疲れたと感じている人なども、前向きな気持ちにさせられる何かがあるので、是非読んでみることをオススメします。

宮本輝の作品は、一度読破した作品を数年後にまた読んでも楽しめるという声が多く聞かれます。読む時の心のモチベーションで、また違った感想を得られるのでしょう。普段本や小説などは読まないという人も、宮本輝の作品を読めば読書が好きになってしまうかもしれません。休日や眠れない夜などに、読書の時間を作ってみてはどうでしょうか。
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