佐藤愛子は霊現象に苦悩し、原啓之や美輪明宏に相談していた!

佐藤愛子を江原啓之、美輪明宏が霊視?93歳作家「私の遺言」が興味深い

佐藤愛子は93歳のベストセラー作家!江原啓之、美輪明宏が霊視していた?

佐藤愛子は、御年93歳にして、エッセイ「九十歳。何がめでたい」がベストセラーとなった作家です。世の中の矛盾や、世相の乱れを厳しく批判し、思い込んだらまっすぐに怒りを爆発させることから「憤怒の作家」とも呼ばれています。

90歳を超えてもなおその舌鋒の鋭さは衰えなかったようで、新刊は、旧来のファンだけでなく、多くの読者に歓迎されました。竹を割ったような性格の佐藤愛子ですが、一時期は霊現象に悩まされ、数多の霊能者に霊視や除霊をしてもらって解決にこぎつけた過去があったといいます。その際は、スピリチュアルカウンセラーの江原啓之や、歌手の美輪明宏にもお世話になったのだとか。

佐藤愛子が霊現象で苦悩!エッセイ「私の遺言」が興味深い

佐藤愛子が霊現象に悩まされた顛末は、エッセイ「私の遺言」に詳しく書かれています。バブル景気にのって北海道に別荘を建てた佐藤愛子は、その直後から、ラップ現象や、謎の足音、家具の異動、激しい頭痛といった超常現象に悩まされます。佐藤愛子は、今までは信じていなかった霊能者に相談したのを契機に、物質世界の対極ともいえる精神世界、いわば霊界の存在を意識するようになりました。

エッセイ「私の遺言」の中には、江原啓之や美輪明宏に相談をし、霊視によって、見事に自らの置かれている状況を言い当てられたエピソードが紹介されています。

佐藤愛子のプロフィール!おすすめ作品「血脈」あらすじネタバレ

佐藤愛子のプロフィール!父は小説家で母は女優!兄は有名作詞家だった

佐藤愛子は、「憤怒の作家」「怒れる作家」として知られていますが、本人はといえば、すっきりと髪をまとめ、白い額を出した上品な老婦人です。佐藤愛子は、1923年大阪市生まれ。母は女優で、大正時代に、女優・三笠万里子として活躍しています。父は、小説家の佐藤紅緑(さとうこうろく)です。

20歳も年下の万里子に夢中になった佐藤紅緑は、妻子を捨てて万里子と再婚。2人の間に、次女として誕生したのが佐藤愛子でした。ちなみに、その時、佐藤紅緑に捨てられた腹違いの兄が、「ちいさい秋みつけた」等の童謡で知られる作詞家のサトウハチローです。

佐藤愛子おすすめ作品「血脈」あらすじネタバレ!自らすごい家族を暴く

佐藤愛子は、「私の遺言」といったエッセイが人気ですが、10年以上をかけて完成させた大河小説「血脈」も、菊池寛賞を受賞する等、評価も高く、おすすめの作品です。「血脈」のあらすじは、父・佐藤紅緑、異母兄・サトウハチローをはじめ、自らを含めた佐藤家の面々の来し方行く末を描いた大長編。

佐藤愛子の父・佐藤紅緑は、小説家として高い理想を持つも、激しやすく破天荒で、周囲を顧みず行動する性格の持ち主でした。その血は、サトウハチロー、佐藤愛子の2人に最も深く受け継がれていることも「血脈」を読むとよく分かります。

佐藤愛子が断筆宣言から復活したワケ!面白すぎるエッセイ

佐藤愛子は、93歳にしてベストセラー作家となりました。しかし、佐藤愛子が、かつて「断筆宣言」をして一度筆をおいていたことをご存じでしょうか。

2014年に、小説「晩鐘」を書き上げた佐藤愛子は、「書くべきことは書きつくして、もう空っぽになりました。作家としての私は、これで幕が下りたんです」と語っています。大正生まれの佐藤愛子は、当時すでに90歳。長年手書きで執筆してきた身体はボロボロで、慢性的な指の痛みにも悩まされていたそうです。しかし、熱心なラブコールに折れて、「90歳を超えて感じる時代とのズレについてならば……と半ばヤケクソで(笑)」エッセイ執筆の依頼を受けてくれたと、当時の編集担当者は語っています。

それが、「女性セブン」に1年にわたって連載されたエッセイでした。それをまとめた「九十歳。何がめでたい」は、発売当初、同年代を中心に共感を呼び、その後、インターネット上で話題になったことで、若年層を含めて読者層が広がったようです。

「九十歳。何がめでたい」の気になる内容はというと、皆が思っていてもなかなか言えないようなことを、佐藤愛子がずばっと指摘し、世の中を縦横無尽に斬りまくっています。音が静かになりすぎて近づいても気付けない自転車に怒り、スマホの普及に対しては、「来るか?日本人総アホ時代」とばっさり。動物や子供の騒音にイライラをぶつける人や、いたずら電話に、「いちいちうるせえ」と、小気味いいお小言をぶつけてくれる様に胸がすかっとする人が続出しています。

お得意の「世間に対するお怒り」に貫かれているのは、ユーモアにあふれていてカラッと明るい愛子節です。また、「私がこう思う、と書いても、そう思わない人はいくらでもいます。それで結構、と昔から思ってます」というきっぱりと自立した姿勢もあって、読後すがすがしい気分にさせてくれるのかもしれません。著者がベストセラーとなったことについて、佐藤愛子は、「こんなものが読まれるようじゃ日本は滅びるんじゃないかと思いますよ(笑)」と、お得意のユーモアあふれる答えを返しています。

しかし一方で、現代の日本社会について、「いまの日本人は悪意のない事故さえ、あきらめたり、許したりできなくなった。自分が被った損失や痛みを、相手を苦しめることで癒やそうとする、情けないことになっているんです」と危惧を語っています。佐藤愛子の怒りの裏側にある思慮や優しさ、意外なほどの寛容さがうかがえる一言です。思ったことをずばっと言うことが、誰がどこで見ているかわからないネット時代の到来とともに難しくなってきた昨今。それだけに、佐藤愛子には少しでも長く世間に対して怒りの眼差しを向け続けてほしいものです。

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