宮﨑駿の原点「ルパン三世 カリオストロの城」の舞台設定へ影響を与えたのは?
宮﨑駿 ジブリ美術館で新企画展開催 カリオストロの城のモデル
東京・三鷹の森ジブリ美術館は、5月30日より宮﨑駿さんによる新企画展示「幽霊塔へようこそ展―通俗文化の王道―」の開催を発表しました。
「幽霊塔」は、宮﨑駿さんが中学生の頃夢中で読んでいた江戸川乱歩の小説です。宮﨑駿さんの劇場初監督作「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)の舞台設定にも大きな影響を与えたことでも知られています。宮﨑駿さん自身がその通俗的なおもしろさや作品の舞台となる“時計塔”を漫画パネルにして紹介する予定です。
宮﨑駿 チケット先行抽選販売へ 「クルミわり人形」展の評判は!?
5月まで開催されている「クルミわり人形とネズミの王さま」展は、宮﨑駿さんが長編映画から引退を宣言した後の初仕事として話題となりました。
引退作の映画「風立ちぬ」の制作中に出会った絵本「くるみわりにんぎょう」(徳間書店)の幼い女の子たちをひきつける不思議な魅力を読み解きます。宮﨑駿さんの描き下ろし展示パネルや立体造形を駆使して、絵本の世界やチャイコフスキーのバレエも合わせて紹介。
昨年の展示開始直後は「チケットが取れない」一方で転売目的によるチケット購入事例があったとか。
今年は転売を防ぐためと、チケット購入の機会を公平に提供することを目的としてチケットの抽選販売を実施することになりました。
宮﨑駿 ルパン三世からとなりのトトロまで 「アニメーションは子供のもの」
宮﨑駿 「おもしろい仕事をやりたいという願望と気力があった」
1963年、学習院大学政経学部を卒業後、東映動画に入社。高畑勲さん、小田部羊一さんとともにAプロダクションに移籍します。当時からアニメーターとして第一線で活躍していた大塚康生さんの誘いで高畑勲さんとともに「ルパン三世」を途中から演出することになりました。
高畑勲さん、小田部羊一さんと映画「パンダコパンダ」(1972年、1973年)を作り、3人はズイヨー映像(のちの日本アニメーション)に移籍します。テレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」(1974~1975年)を3人で手がけ大ヒット。
1978年には「未来少年コナン」(NHK)で事実上の初監督を務め、当時の視聴率は低調でしたが、後のアニメーターやアニメ演出家に影響を与える作品に。大塚康生さんに「ルパン三世」の映画化を持ちかけられ、テレコム・アニメーションフィルムに移籍して映画「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)を4カ月半で作り上げました。
この頃、当時「アニメージュ」副編集長の鈴木敏夫さんと出会います。
宮﨑駿さんの作品にほれ込んだ鈴木敏夫さんが「風の谷のナウシカ」を映画にしようと尽力し、1984年に映画「風の谷のナウシカ」の公開に至りました。これにより「宮﨑駿監督」の名前が広く認知されるようになります。
宮﨑駿 ずっと作りたかった映画の評価は!?
1985年、徳間書店の出資を得てスタジオジブリを創立。1986年「天空の城ラピュタ」、1988年「となりのトトロ」を公開します。興行成績はそれほど良くなかったものの「アニメーションは基本的に子供の物」と公言している通り子供の人気が高く、ぬいぐるみやビデオ販売、テレビ放映では今でも視聴率が良く人気は衰えていません。
「天空の城ラピュタ」の放映時には、終盤のクライマックスの「バルス」(滅びの呪文)に合わせた2ちゃんねるの実況版などネットへの大量書き込みで高負荷によるサーバーダウンが発生。最近ではツイッターでも同様に一斉ツイートされておりツイッターアカウントが「バルス」投稿の自粛をお願いする事態に発展しているほど。
「となりのトトロ」は、作品の公開から30年近く経っても「こどもに見せたい映画」であり、アニメ映画の評価としては常にトップにあります。
宮﨑駿 ジブリ美術館がある東京都三鷹市のおすすめは?
宮﨑駿 東京都三鷹市で開催 三鷹の森アニメフェスタ
毎年恒例の「三鷹の森アニメフェスタ」は三鷹の森ジブリ美術館が厳選する古今東西のアニメーションや全国の新人クリエーター作品を上映するイベントです。
2015年は3月7日、8日の2日間開催。1日目は「~アニメーション古今東西 その12~」と題し、第1部は「トムとジェリー 星空の音楽会」やウォルト・ディズニーの「音楽の国」など、音楽を題材にした5~30分の短編アニメを6本上映。第2部は「思い出のマーニー」上映後、米林宏昌監督の講演会が行われました。
2日目は第13回インディーズアニメフェスタを行い、新人クリエーター作品の他、市内中原小学校の児童が制作したアニメが上映されるなど、地域密着のイベントとなっています。
宮﨑駿 東京都三鷹市 三鷹みやげTAKA-1に注目!
三鷹市のおみやげを認定するTAKA-1(みたかセレクトONE)は、三鷹市の魅力的な商品や市民に知られていない逸品を認定し、広める事業です。
三鷹産キウィフィナンシェ、太宰ロゴ入りクッキー、三鷹産野菜を使った旬菜ドレッシングなどおいしそうな商品がたくさん。食品以外でも、井の頭公園*まるごとガイドブックや太宰治ゆかりの地を訪ねる太宰マップ、三鷹市のキャラクター「Poki(ポキ)」(宮﨑駿さん原案)の小物など毎年様々な商品が認定されています。
三鷹市のおみやげとしてチェックしてみてくださいね!
宮﨑駿さんの初期作品は、ずっと作りたかったものがやっと形になった作品ばかり。派手さはなくても思い入れがある分、この先も長く語り継がれる作品になることでしょう。