中野量太監督映画「湯を沸かすほどの熱い愛」は号泣必至!あらすじネタバレキャスト!

中野量太監督映画「湯を沸かすほどの熱い愛」は号泣必至!あらすじネタバレキャスト!

中野量太監督映画「湯を沸かすほどの熱い愛」衝撃のラストに涙腺崩壊!日本映画最高の感動作かも!

中野量太という若手監督の映画「湯を沸かすほど熱い愛」が、映画業界を揺るがすほどの話題になっています。2016年10月29日に公開された同作は、余命2カ月の母・幸野双葉と家族の絆を描いた、いわゆる”余命もの”です。

命が尽きるのを前に、放蕩夫に銭湯を復活させ、娘をいじめから救って独立させる母の姿に、感動しない者はいないでしょう。しかし、「湯を沸かすほど熱い愛」は、使い古されたお涙頂戴の終活劇ではありませんでした。特に、いよいよ最期を迎える母のラストは、従来の余命ものとは全く違うもので、思わずむせび泣いてしまいつつも、温かな感動で胸がいっぱいになります。

ラストだけではなく、泣いては笑い、また泣き……と、物語を通して感動しない箇所がなく、「余命ものに、こんな描き方があったとは!」と称賛の声が鳴り止みません。「泣き狙いの作品に泣いてやるものか!」と劇場に足を運んだ人でさえ、涙腺が全開になってしまうという映画「湯を沸かすほどの熱い愛」。観なければ日本映画を語ることができないかもしれない、まれに見る感動作と評判です。

中野量太監督映画「湯を沸かすほどの熱い愛」主演は名女優・宮沢りえ!キャストは主役級の精鋭揃い

中野量太監督映画「湯を沸かすほどの熱い愛」では、余命2カ月の母・幸野双葉を主演した宮沢りえの技量にも注目が集まりました。双葉の娘・安澄を演じた杉咲花は、NHK朝ドラ「とと姉ちゃん」で3姉妹の末っ子役を演じ、若手では群を抜く演技力と評価される国民的人気女優。

この他、双葉の夫を演じたオダギリジョーや、旅先で双葉と出会う若者・拓海を松坂桃李が演じるなど、主役級の実力派揃いとなっています。同作のキャスティングについては、中野量太監督が自ら手紙を書いてオファーしたそうですが、宮沢りえほどの名女優が、若手監督の作品に出演するなど異例中の異例。

中野量太監督が描いたシナリオには、数ある名作に出演してきた精鋭たちをも惹きつけてやまない魅力があったと言えるでしょう。これが商業映画デビュー作品にして、原作なしのオリジナル作品だというのですから、中野量太監督の力量には目を見張るどころではないものを感じます。

中野量太監督のプロフィール!長編映画デビュー作「チチを撮りに」あらすじネタバレ!

中野量太監督の出身高校や大学!長編映画デビュー作「チチを撮りに」は海外でも評価されていた!

中野量太監督は、1973年7月27日生まれで、京都府京都市出身。格別に優秀とはいえない、偏差値51の出身高校・京都市立日吉ヶ丘高校では、ブラックマヨネーズ吉田敬と同級生だったそうです。学業が本懐ではなかった中野量太監督は、京都産業大学卒業後に上京し、日本映画学校(現・日本映画大学)で、3年にわたって映画製作を学びました。

2000年の卒業制作で学内賞などを受賞するなど、徐々に才覚をのぞかせており、卒業後には、映像業界で助監督やディレクターを務める傍ら、メガホンをとった自主制作の短編映画で、数々の受賞歴を積み上げています。そして2012年。自主制作ながら、初の長編映画となった「チチを撮りに」で、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭・国際長編コンペティション部門で、日本人初なる監督賞とSKIPシティアワードをW受賞。いくつかの国内新人監督賞にも選ばれ、期待の若手監督として脚光を浴びる存在となりました。

中野量太監督「チチを撮りに」も”余命もの”の感動作!確かな脚本力で描かれる人間模様

中野量太監督初の長編映画作品となった「チチを撮りに」は、公開・配給未定で自主制作されたものの、国外での監督賞受賞に端を発し、国内外の映画祭や劇場で公開されたという異例の作品です。物語の中心となる姉妹は、幼い頃に家を出た父が余命幾ばくもないことを知った母から、父の最期を写真に撮って来くるように頼まれます。

しかし、すでに父はなくなっていただけでなく、思いがけない修羅場に遭遇。「湯を沸かすほどの熱い愛」と同様に、人の死を扱う作品ながら、わざとらしく感情を誘導することなく、笑いあり、涙ありの感動作となっています。「チチを撮りに」では、カンヌ国際映画祭受賞作品への出演歴を持つ、母親役の渡辺真起子や、無名塾仕込みの名バイプレイヤー滝藤賢一といった、実力派の演技が光りました。

しかし、姉妹役の柳英里紗や松原菜野花は、ほぼ無名の若手女優で、お世辞にも演技力があったとはいえません。それもかかわらず、正反対の性格を持つ姉妹の掛け合いや、意表を突くダジャレを織り交ぜ、1つの無駄もなく魅せた中野量太監督の脚本力には、骨太さを感じさせられます。

中野量太監督映画「湯を沸かすほどの熱い愛」不遇時代を乗り越え日本アカデミー賞で快挙!

中野量太監督映画「湯を沸かすほどの熱い愛」が、2017年の第40回日本アカデミー賞で、優秀作品賞・監督賞・脚本賞の他、宮沢りえの優秀主演女優賞、杉咲花の優秀助演女優賞の計5部門を受賞しました。最多11部門での受賞となった大型作品「怒り」には及ばなかったものの、他の受賞作に比べて前宣伝の薄かった商業映画デビュー作品ですから、最高位に値する賛辞と言ってもいいかもしれません。

中野量太監督は、この「湯を沸かすほど熱い愛」で、年末の報知映画賞では新人監督賞も受賞しています。とはいえ、監督としてのキャリアはすでに16年にもなる43歳。過去の受賞歴は、一見して輝かしいようですが、早くから才能の片鱗をのぞかせながらも、約15年もの間、商業作品にありつけずにいた不遇の人でもありました。それでも映画監督への夢を諦めることができず、スポンサーを得られないまま自主制作を続け、背水の陣で挑んだ長編映画「チチを撮りに」では、200万円の借金が残ったといいます。

この作品が国内外で評価されたことで、商業映画のオファーを受けたそうですが、低予算と思えないクオリティの高さは、これまで日の目を見ることができなかったことが不思議なくらいです。初の商業映画でコケるどころか、前作を遥かに超える強烈なインパクトを残した中野量太監督。ハードルは確実に上がってしまいましたが、これから生まれ来るはずの作品は、幾度となく賞レースを賑わすことになるに違いありません。

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