坂元裕二が手掛けた作品は名作だらけ!「カルテット」も手掛けた天才脚本家!
坂元裕二は「カルテット」を手掛けた天才脚本家!月9ブームの火付け役となったあのドラマも!
坂元裕二(さかもとゆうじ)は、これまで数々のヒットドラマを生み出している人気脚本家です。ドラマ脚本だけでなく、TM NETWORKや織田裕二、松たか子などに作詞提供、本を出版、クリエイティブな才能を活かして第一線で活躍しています。脚本家や作詞家という仕事柄、あまり表舞台に出ることはありませんが、今までに坂元裕二が手掛けた作品は誰でも知っている名作だらけです。
近年では、松たか子主演のドラマ「カルテット」が大きな話題となりましたが、1991年に社会的ブームとも言える大ヒットとなったドラマ「東京ラブストーリー」の脚本を手掛けたのも坂元裕二。「東京ラブストーリー」は、フジテレビの月9ブームの火付け役ともなったドラマです。
「月曜の夜は街からOLが消える」と社会現象を巻き起こすほどの大人気作となりました。40代以上の方ならば誰もが知っている伝説のドラマだと言っても過言ではありません。このお化けドラマの脚本を手掛けた当時、坂元裕二は弱冠23歳でした。すでに天才脚本家として才能を発揮していたことが分かります。
坂元裕二は日本屈指のヒットメーカー!輝かしい受賞歴は?
今や日本屈指のヒットメーカーである脚本家の坂元裕二は、1967年5月12日生まれ、大阪府出身です。奈良育英高等学校を卒業後、19歳の時に、第1回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞したことをきっかけに脚本家としての道を志します。
「東京ラブストーリー」(1991年)を皮切りに、2008年「わたしたちの教科書」では、第26回向田邦子賞を受賞。
その後も、2010年のドラマ「Mother」や、2011年の「それでも、生きてゆく」、2013年の「最高の離婚」と「Woman」などの人気作品に携わりました。勢いは止まらず、2016年には「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」、そして2017年には「カルテット」と、ドラマ好き視聴者の心を鷲づかみにする名作を生み出し続けています。
中でも「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」と「カルテット」は、有識者と視聴者が共に支持する「質の高いドラマ」として評価され、コンフィデンスアワード・ドラマ賞を受賞。輝かしい受賞歴に裏打ちされている実力は、映画「そして父になる」や「海街diary」で有名な是枝裕和監督をもってして「尊敬する現代の脚本家のひとり」と言わしめるほどです。ラブストーリーから社会派ドラマまで作品の幅が広いところも、坂元裕二が売れっ子脚本家として活躍し続ける理由かも知れません。
坂元裕二が明かすセリフの作り方に目からウロコ!妻・森口瑤子との馴れ初めは?
坂元裕二のオリジナリティとリアリティが溢れる作品の名言!軽妙な会話劇にはまる
坂元裕二の脚本の魅力は、何と言っても「会話劇」です。登場人物には薄っぺらなセリフを言わせず、本質を突くセリフが見事に散りばめられている脚本に定評があります。「人と人との意見が食い違う時、会話のずれが起こるときに面白さが生まれる」と語っている通り、脚本を書く際には、モノローグ(独白)よりダイアローグ(会話)に重きを置いている坂元裕二。自分の周りにいる人たちの誰が言ってもおかしくないリアリティがありつつ、どこか詩的でオリジナリティを感じさせるセリフが視聴者の心をつかんで離しません。
ドラマ「最高の離婚」で登場したのは、「結婚だって、離婚だって、どちらも幸せになるためにするものじゃないですか?」との名言です。「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」では、「恋人には2種類あるんだよ。好きで付き合っている人たちと、別れ方が分かんなくて付き合っている人たち」と登場人物に語らせました。
極め付きは、「カルテット」で主人公の真紀が口にした「泣きながらご飯を食べたことがある人は、生きていけます」という刺さる名言があげられるでしょう。
このように、オリジナリティとリアリティが絶妙に同居するセリフが注目される坂元裕二。
しかし当の本人は、「自分にはオリジナリティなんてないと思うし、もし僕に才能があるとすれば、情報の取捨選択」「基準はあっけないほど簡単なんです。常に楽しいほうを選ぶこと」と自分自身を表現しています。坂元裕二曰く、物語は、「人間」から始まっていくもの。
脚本の中の登場人物をどれだけ生きているように見せられるか、あるいは、今、その人に何が起こっているのかをしつこく想像することでよりリアリティが生まれてくるのだとか。ちょっとした意見のずれや共感、対立など、「会話」によって引き起こされる面白味を熟知している坂元裕二だからこそ描ける世界観なのかも知れません。
坂元裕二の妻は女優の森口瑤子!美人妻との馴れ初めは?
天才脚本家として第一線で活躍し続ける坂元裕二。プライベートについては詳しく公開されていませんが、1998年に結婚していることが分かりました。しかも妻は、「ミツカン味ぽん」のCMでもお馴染みの女優・森口瑤子(もりぐちようこ)というから驚きです。
森口瑤子は1966年8月5日生まれなので、坂元裕二よりも1歳下。高校生の時に、「ミス松竹」に選ばれて女優デビューし、今もその美貌は健在です。2人の馴れ初めは、坂元裕二が原案・脚本・監督を務めた映画「ユーリ」(1996年)に森口瑤子が出演したことでした。
「ユーリ」から2年後にめでたく結婚となり、2002年には長女が誕生。父親は天才脚本家で、母は美人女優ですから、いつかは長女も芸能界デビュー!?と、つい期待してしまいますが……。現在は、親子3人で仲睦まじい生活を送っているようです。
坂元裕二著「往復書簡 初恋と不倫」で人生の不条理を描く!
脚本家として数々の名作を世に生み出してきた坂元裕二による「往復書簡 初恋と不倫」(リトルモア)が、2017年6月27日に出版されました。本書は、坂元裕二が演出を手掛けた「不帰の初恋、海老名SA」(2012年)と「カラシニコフ不倫海峡」(2014年)という2本の朗読劇が書籍化されたものです。出版を記念して、9月には「朗読劇-VOICE OF BOOK」が東京・テアトル新宿で上演されるなど話題となっています。
「不帰の初恋、海老名SA」では、初恋の人から手紙を受け取った男と事故を起こして逃走してしまった婚約者を追う女のやり取りが描かれました。「カラシニコフ不倫海峡」では、海外で亡くなったはずの妻が生きているというメールを受け取った男と送った女のやり取りが描かれています。「ト書きなし」の「会話のみ」という構成なので、最初は少し違和感があるかも知れませんが、あっという間に坂元裕二の世界に引き込まれていくこと請け合いです。
2作を通じて浮かび上がってくるのは、「人は不条理でできている」という真実。自分を取り巻く環境ばかりか、自分自身の内面でさえ不条理で説明のつかないものだということが、坂元裕二ならではの「会話劇」で表現されています。
書籍で味わう坂元裕二ワールドもとても面白いものですが、やはり、坂元裕二の「会話劇」を贅沢に堪能できるドラマも楽しみたいものです。次のドラマではどのような名言が飛び出すのでしょうか?これからも、「みぞみぞする」作品を期待しています!