渋沢栄一が新1万円札の肖像画に決定!実業家・慈善家として名を馳せた偉人

日本の実業家、慈善家として名を馳せた渋沢栄一。2019年4月初頭に政府から発表があったように、新しい1万円札の肖像画に採用されることが決まりました。

江戸時代末期に農民から武士へと位が上がり、その後移った明治政府では大蔵少輔事務取扱(事務次官)に任命された渋沢栄一。大蔵大輔(大蔵次官)・井上馨の指導のもと、積極的に国の財政政策を取り仕切っていきました。

その後、活動の軸を実業家に移した渋沢栄一は、第一国立銀行や東京証券取引所、理化学研究所など、ジャンルを限定しない様々な企業の経営に関わることに。

現在の二松学舎大学の学長を務め、また、現在の一橋大学や東京経済大学の設立などにも尽力。こうした功績から、渋沢栄一は「日本資本主義の父」とも称されることとなりました。

北海道にゆかりが!サッポロビールの生みの親

2019年4月に、1万円札・5千円札・千円札の肖像画が変更されることが発表されました。2024年度に発行が予定されている新1万円札の肖像に採用された渋沢栄一は、実は北海道に縁の深い人物でもあります。

渋沢栄一は、なんとあの「サッポロビール」の生みの親。1887年に札幌麦酒会社の委員長となり、その後「札幌麦酒株式会社」となった同社の取締役会長に就任しました。渋沢栄一とビールはあまり繋がらないイメージですが、こういったジャンルにも知見があったのですね。

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また、渋沢栄一は鉄道交通の開設にも深く関わっていることで知られています。現在のJR北海道は、北海道炭礦鉄道などがルーツ。札幌麦酒会社の委員長となった数年後、幌内鉄道を譲受し、北海道炭礦鉄道会社の発起人・常議員を務めました。

このようなインフラ整備のひとつとしては、他にガスがあります。現・北海道ガス株式会社の設立に関わったのも渋沢栄一で、「北海道瓦斯株式会社」の発起人・株主となっています。ここまで北海道にゆかりがあったとは、地元の人も改めて知る部分が多いのではないでしょうか。

渋沢栄一の名言とは?あのドラッカーも一目置いた

「現代経営学の発明の父」とも呼ばれるピーター・ドラッカーから「一早く経営の本質を見抜いていた」と言わしめた渋沢栄一。総数500社以上にものぼる事業の立ち上げに関わり、類まれなる才能から「希代の天才実業家」「日本資本主義の父」と言われました。

「たとえその事業が微々たるものであろうと、自分の利益は少額であろうと、国家必要の事業を合理的に経営すれば、心は常に楽しんで仕事にあたることができる」

利益が少ない事業だとわかっていたとしても、それが社会に求められているのであれば実行する。そんな熱い心も併せ持っていたのだとわかる名言です。

何よりも、目の前の仕事・事業にやりがいを感じること。それが最も大切だと説いた渋沢栄一。あらゆる物に溢れ、いわゆる「記号的消費」を続ける現代にも通じる、いつまでも心に留め置きたい言葉ではないでしょうか。

「自分が手にする富が増えれば増えるほど、社会の助力を受けているのだから、その恩恵に報いるため、できるかぎり社会のために助力しなければならない」

お金持ちになればなるほど、人は自分のためだけに資産を使ってしまいがちだけれど、果たしてそれは本当に「豊かさ」といえるのか?

「私利を追わず公益を図る」を信念とした渋沢栄一が残した名言。これも、充分現代に通じる名言ですね。

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渋沢栄一の代表的な著書は?

渋沢栄一の主な著書には、「渋沢栄一全集」「青淵百話」「雨夜譚 渋沢栄一自伝」「論語と算盤」「論語講義」「渋沢百訓 論語・人生・経営」などがあります。

いきなり厚く重たい本を読むのに抵抗がある方や、渋沢栄一について簡単に知りたいという方には、日経ビジネス人文庫から出版されている「渋沢栄一 100の訓言」がおすすめです。

渋沢栄一の五代目の子孫にあたる実業家・渋澤健によって編集された同書は、抽象的なものも多い渋沢栄一の名言に子孫の解説を加え、分かりやすくまとめられた名言集です。

お札の肖像画に採用されたことで、あらためてその人物像がクローズアップされている渋沢栄一。数々の功績を知ることで、高額紙幣の肖像画に選ばれたことに納得できるはずです。

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