歌川国芳の都市伝説!スカイツリーを予言した浮世絵とは?

歌川国芳の都市伝説!スカイツリーを予言した浮世絵とは?

歌川国芳の都市伝説!歌川国芳は奇想天外な天才浮世絵師!

歌川国芳は、江戸時代末期に活躍した浮世絵師です。確固とした技術に根付いた高いデッサン力をベースに、奇想天外な発想で、大胆かつユーモラスな表現を用いたアバンギャルドな作品を世に送り続けました。そのため、“奇想の絵師”とも呼ばれている歌川国芳。幕府への反骨精神で、さまざまなメッセージが込められている歌川国芳の作品を、庶民は、謎解きとしても楽しんだといわれています。

そして現代。歌川国芳にまつわる都市伝説が、いくつか存在します。例えば「東都御厩川岸之図」では、歌川国芳の没年が絵中に記されているとのだとか。歌川国芳が没したのは1861年ですが、絵中の番傘にも「千八百六十一番」と、謎の数字が見えます。また、2012年に伊勢市で潮が大きく引き、夫婦岩の全身が現れた現象が起きましたが、「二見浦 曙の図」には同じ光景が描かれています。

一番大きな話題となったのが、東京のシンボルとなっているスカイツリーが、江戸時代、すでに歌川国芳によって描かれていたという都市伝説。これらにより、歌川国芳には予知能力があったのではとさえささやかれています。

歌川国芳がスカイツリーを予言した浮世絵とは?不思議な高さの尖塔について

歌川国芳がスカイツリーの出現を予言したといわれている浮世絵とは、天保2(1831)年に描かれた「東都三ツ股の図」。一見したところでは、隅田川に浮かぶしじみ取りの船、2人の職人、煙と雲が印象に残る絵ですが、よく見ると……左奥に細長い尖塔が2つ。左側の低いほうは記録があり、当時実在した火の見櫓(やぐら)とされています。

右側の尖塔は、当時の記録がなく、何だったのか不明ですが、遠近法から考えても、かなりの高さであることが分かります。スカイツリーのようにも見えるため、歌川国芳がスカイツリーを予言して描いたものだと都市伝説化したようです。確かに、当時は、江戸城より高い建物は禁止されていたので、絵にあるような高さの建築物が実際に建ててあったとは考えられません。

一番信憑性が高いのは、一時的に建てられていた井戸掘り用の櫓だったのではないかという推論。しかし、櫓だったとしても、この高さは尋常ではないといわれています。歌川国芳に予知能力があったかどうかは分かりませんが、メッセージ性の強い作品を数多く残している彼のことですから、都市伝説化している作品に対しても偶然ではなく、何かしら特別な意味が込められているのではと深読みしたくなりますね。

歌川国芳の猫好きがハンパない!グッズ、文具の売れ行きは?

歌川国芳の猫好きがハンパない!かわいすぎる猫の当て字や戯画とは?

歌川国芳は、無類の猫好きとしても知られています。常に猫を数匹、多い時には10匹以上の猫を飼い、作画している時も、懐に猫を抱きながら描いていたといわれている歌川国芳。もちろん、歌川国芳の作品の中には、猫をモチーフにした作品はたくさんあり、歌川国芳が描く猫の絵がかわいすぎると話題になっています。

猫を擬人化して描かれた戯画や、猫の当て字など。当て字は、人文字ならぬ猫文字のようなもので、「うなぎ」「たこ」などの文字に見えるように猫が配置された構図で描かれたもの。人を寄せ集めて1人の人間を描いた「寄せ絵(だまし絵)」は、もともと浮世絵のジャンルの一つ。

歌川国芳の寄せ絵では、「みかけはこわいがとんだいい人だ」がかなり有名な作品です。歌川国芳は、この寄せ絵を、人ではなく猫バージョンでもやっています。沢山の子猫で一匹の大猫を描いたものや、化け猫の顔の部分が複数の猫で構成されている寄せ絵は、常にたくさんの猫に囲まれながら生きてきた、大の猫好きの歌川国芳だからこそ生まれた発想なのかも知れません。

歌川国芳のグッズや文具の売れ行きは?渋谷で開催中の展覧会について!

歌川国芳と歌川国貞、江戸時代に活躍した浮世絵師2人の作品を一同に集めた展覧会「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」が、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで6月5日まで開催しています。歌川国芳と歌川国貞は兄弟弟子の関係ですが、対照的な2人の天才絵師の作品を同時に見られるということで、展覧会は大好評。展覧会のグッズといえば、文房具が定番ですが、今回もクリアファイルやステッカーなどが用意されています。

さらに、ユニークなコラボグッズも多数展開中です。TAKEO KIKUCHI、SOU SOU、BEAMSのファッションコラボのTシャツや手拭、玩具メーカーの奇譚クラブとコラボしたガチャガチャ(マグネット、根付)、BE@RBRICKとのコラボであるクマ型ブロックタイプフィギュアの「BE@RBRICK 国芳」等々。ガチャガチャの根付は、猫骸骨、踊る猫又、髑髏下駄の3種で、ミニフィギュアながら精巧に作られています。

歌川国芳のグッズは、展覧会の盛況ぶりを示すかのように、まさに飛ぶように売れているようです。中でも歌川国芳が描いた猫をモチーフにしたフィギュア系は大人気。小夏屋とのコラボの大王ネゴラ「歌川国芳 猫石の由来バージョン」フィギュアは即完売しています。

歌川国芳の作品が現代テクノロジーでよみがえる!庶民からヒーローと呼ばれたワケ

歌川国芳と歌川国貞の展覧会では、3Dプロジェクションマッピングなど、光を使った空間の総合演出を担うクリエイティブ集団「NAKED(ネイキッド)」が、エントランス部分を手掛けたことでも話題となっています。NAKEDの持つ最先端技術を駆使し、日常との境目であるエントランスを彩るに相応しい演出で、魅力的でポップな現代アート空間となっているようです。

歌川国芳は、幕府への反骨精神が旺盛で、天保の改革による幕府の弾圧についての皮肉や風刺を盛り込んだ作品を数多く生み出してきました。例えば、「源頼光公館土蜘作妖怪図」では、平安時代の源頼光の土蜘蛛退治を描いたように見せかけ、描かれている妖怪は、実は禁止された役者を例えたものであり、源頼光が徳川家慶、その部下が水野忠邦を描いたもの。擬人化された猫の戯画も、役者の代わりに、猫で表現したものと言われています。

これらを見た庶民は大喜びでしたが、反対に、江戸幕府側からは、危険な存在としてマークされていました。歌川国芳は、幕府から呼び出され、始末書を書き、罰金刑を受けたことは何度もあったようです。しかし、いくらそのような目にあっても決して屈せず、法の網をくぐるように手や品を変え、大胆に、ユーモアも交えながら描き続けた歌川国芳。庶民は、その強固な反骨精神に喝采を送り、いつしか歌川国芳はヒーローと呼ばれる存在となっていきます。

不思議な魅力に満ちた“奇想の絵師”歌川国芳は、現代においても、国内外から高い評価を受けています。歌川国芳の浮世絵は、きっとこの先の未来でも色褪せることなく人の心を魅了し、愛され続けることでしょう。

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