スティーブ・ジョブズ伝記映画「スティーブ・ジョブズ」評価!
スティーブ・ジョブズの伝記映画が2月に日本で公開!
スティーブ・ジョブズと聞けば、誰もが「あの有名なコンピューターのアップル社を立ち上げた……」と思い起こすことができるでしょう。IT業界の寵児と謳われたスティーブ・ジョブズの伝記映画、その名も『スティーブ・ジョブズ』が、2016年2月に日本で全国公開されました。
1976年に、共同設立者であったスティーブ・ウォズニアックと共に自宅のガレージで開業し、1980年の株式市場公開時には2億ドルもの巨万の富を手に入れ、わずか4年余りでシリコンバレーを代表する企業へとのぼり詰めたスティーブ・ジョブズ。今回の映画は、そんな彼のサクセス・ストーリーを描いたものではありますが、その生涯を追った単なる伝記映画ではなく、9割が社内の出来事。つまりはスティーブ・ジョブズの行った「1984年」「1988年」「1998年」、この3つのプレゼンテーションの舞台裏を描くことで進行していきます。
スティーブ・ジョブズの伝記映画を楽しむには、マックの歴史を知っておくことが必至?
スティーブ・ジョブズの伝記映画は、「核」となるエピソードが3つのプレゼンテーションの裏方という特殊なストーリーとなるため、映画評価は、賛否両論に分れています。分かれ目となっているポイントは何なのでしょう?それは、ずばり「マック愛」!どれだけアップルを愛し、スティーブ・ジョブズを崇拝し、何より「マックの歴史を理解しているか」が、この映画を楽しめるか否かを握っているようです。
映画の原案は、スティーブ・ジョブズ自身が、著名な伝記作家に頼んで本にした『スティーブ・ジョブズ』が基。日本でもバカ売れし、上下合わせてミリオンを記録していますから、読まれた人も多いかもしれません。ただ映画は、ジョブズの成功・挫折・復活という、ビジネス・ストリーがメイン。スティーブ・ジョブズ本来の人間性や面白エピソードは描かれていないため、その辺りが一般受けしない理由なのかもしれません。
キャストに関しては、ジョブズ役のマイケル・ファステンバーを始め、相棒役にセス・ローゲン、マッキントッシュの主任役にケイト・ウィンスレットと実力派俳優が目白押しなので、俳優陣の演技力は大いに期待できるのではないでしょうか。
スティーブ・ジョブズ、天才はこうして生まれた!面白エピソード集!
スティーブ・ジョブズの数奇な生い立ち「天才はこうして生まれた?」
スティーブ・ジョブズは、1955年2月24日に生まれましたが、宗教上の問題で両親が結婚できなかった理由から、誕生前から養子に出されることが決まっていました。しかし、実の両親は、養子先の夫婦が大卒ではなかったことに戸惑い、スティーブ・ジョブズを必ず大学に進学させることで養子縁組に同意。ところが、皮肉なことに、スティーブ・ジョブズは、進学したオレゴン州のリード大学を「両親が一生をかけて貯めたお金を、意味のない教育に使うことに耐えられない」という理由からドロップアウトしてしまいます。
しかし、中退後もリード大学に残り、空き缶拾いや電子装置の修理のバイトをしながら哲学や西洋書道など、自分の興味のある学科だけを聴講する「もぐり学生」としてキャンパスライフを送っていました。型にはまった教育に反発し、禅を学び、導師を求めてインドにまで渡ったスティーブ・ジョブズは、高校卒業前には、LSD(幻覚剤)を摂取して、麦畑がバッハを演奏するという幻覚症状を体験しています。
その時のことを「人生で最高の経験だった」と絶賛し、世の中を動かすのはお金ではなく「意識の流れ」という思想に強く共鳴していました。スティーブ・ジョブズは、この時すでに常人には想像しがたい世界に到達していたのかもしれませんね。
スティーブ・ジョブズは「トロ大好きの日本通?」面白エピソード集!
スティーブ・ジョブズは、親日家。よく日本を訪れては、足しげく通ったという寿司屋が京都にあります。その店の名前は『寿司・割烹・すし岩』。スティーブ・ジョブズ自身が「こんな美味しい寿司屋は初めてだ(best sushi I’ve ever had)」と、iPhoneにタグ付したほどのお気に入りでした。
スティーブ・ジョブズが最初に来店した時に対応した二代目若大将は、英語が非常に堪能で、彼のトークと職人としての腕に、スティーブ・ジョブズは絶大なる信頼を寄せていました。その証に、『寿司・割烹・すし岩』には、サイン嫌いで有名なスティーブ・ジョブズの色紙が飾ってあります。
魚だけはOKのベジタリアンだったスティーブ・ジョブズの一番のお気に入りは「大間の鮪」!そのあまりの美味しさに10貫立て続けに注文したほど。癌を患ったジョブズは、静養中にも『寿司・割烹・すし岩』を訪れていたようで、「自宅に握りに来てほしい。その時は自家用ジェットで迎えに行く」と若大将に話していたそう。何ともスケールの大きい話ですね!
スティーブ・ジョブズの感動スピーチ「貧欲であれ!愚直であれ!(Stay hungry, Stay foolish.)」
スティーブ・ジョブズが学生を前に行い、感動を呼んだスピーチがあります。それは2005年、スタンフォード大学の卒業式においてのことでした。スピーチの内容は、スティーブ・ジョブズが人生で得た三つのメッセージ。一つ目は、過去を振り返って、点と点とをつなぐことが、未来への道を切り開くということ。二つ目は、自らがアップルをクビになった経験から、人生に敗北は必要なのだということ。そして、三つ目が「死」について。「毎日を人生最後の日と思って生きてみなさい」。17歳の時に出会ったこの言葉が、スティーブ・ジョブズの人生観を変えたといいます。
この時、すい臓がんを患っていたスティーブ・ジョブズは、「死とは古いものが消えて新しいものに道を開くということ。その新しいものが今の君たちです。しかし、君たちもいつか消え去るときが来る。君たちの持つ時間は限られている。誰かの言葉に惑わされることなく、自分自身の心と直観に素直に従いなさい」と熱弁しました。型にはめられることを何より拒み続けてきたスティーブ・ジョブズは、生前、常に自分自身に投げかけていた言葉「貧欲であれ!愚直であれ!(Stay hungry,Stay foolish.)」を学生たちへの最後のメッセージとして遺し、6年後の2011年に56歳でこの世を去りました。