2022年6月27日 更新
高田純次 名言・語録・発言テキトー伝説と裏腹な真面目な素顔と意外すぎる過去
高田純次 名言・語録・発言テキトー伝説、元祖テキトー男の狂笑
1980年代中頃、バブルを迎える直前のテレビ界はとても浮ついていました。アイドルが粗製濫造され、ついにおニャン子が登場。とんねるずは、イッキ!イッキ!で大ブレイク。ビートたけしは「天才・たけしの元気が出るテレビ」で、現在バラエティ番組で定番となっている様々な企画を次々と実現し、自ら絶頂期を迎えながらも、オーバーヒートして、フライデー襲撃事件へと突っ走ります。
そんなたけしの番組で、当時の新人類でさえ太刀打ちできない、とんでもない中年男が登場します。それが高田純次です。コーナー司会者であった彼は、ある時は女子高校生、ある時はたけしの鬼瓦権三の衣裳に、強烈な顔面メークをして、毎回テレビ画面いっぱいのアップで登場。目を見開いて目玉を高速に動かす芸は、放送コードぎりぎりでした。また、その無茶苦茶いい加減な進行ぶりは、コーナーの企画内容さえ忘れさせる面白さで、当時の高田純次は、狂気さえ帯びた見事なキレっぷりでした。
そんな高田純次の名言、「お茶を飲む時になんで小指を立てるか知ってる?親指を立てるとこぼれちゃうから」「ジョギングは毎朝自分の目の前でミニスカートの女の子がコケてくれないと毎日続かないよね」「キミ、目鼻立ちがしっかりしていて、どこが目でどこが鼻かすぐ分かるね」ホントーにテキトーですね!
高田純次 生真面目な過去と遅いデビュー
高田純次は、1947年生まれ。ビートたけしと同い年の68歳。大学受験に失敗し、デザインの専門学校を出て、一旦演劇の道に進んだものの挫折。宝飾会社で数年間、デザイナーとして真面目に働き、その頃に結婚もしています。しかし世は劇団ブーム。中でも笑いに特化した劇団に人気が集まっていました。
1977年、高田純次は、かねてから知り合いだったベンガルに誘われ、劇団東京乾電池に入ります。高田純次は、すでに30歳になっていました。しかし幸いなことに、高田純次はたちまち劇団の人気役者となり、やがてテレビ業界へと進出します。「天才・たけしの元気が出るテレビ」は、そんなときの仕事だったそうで、本人いわく、とにかく真面目に必死でやっていたそうですが、それから30年、高田純次の現在の活躍は言うまでもありません。
さすがに最近ではコスプレなどせず、ダンディなスーツ姿でテレビに登場していますが、そのテキトーでいい加減な発言や、そのすかした態度、脱力芸は、ますます磨きがかかっています。壮絶な椅子取りゲームをしている、今のバラエティ芸人たちにとって、高田純次は今やカリスマ、神的存在として崇め奉られています。
では軽く高田純次のテキトー語録を。「こんにちは、アンジェリーナ・ジョリーです」「自分で言うのもアレだけど、朝に見る高田純次はキツイよ」「手に『人』という字を書いてケツにつけると緊張しなくてすむんだ。ウソだけど」などなど。元気がない人は、ネットでも調べてみてください。高田純次のテキトー語録は、1000以上もあるそうです。
高田純次 オーストラリアで指名手配?「アジアぷらぷら」から「テキトー散歩」へ!
高田純次 オーストラリアでバズーカぶっ放して、指名手配
高田純次のテキトー語録もすごいですが、ロケ番組で、真剣に、不真面目に取り組む高田純次には、笑いを超えた狂気がやどります。彼の面白さを見たオーストラリアのテレビプロデューサーが、自国に彼を招いて番組を作ったときのことです。高田純次は請われるままに、「寝起きバズーカ」をオーストラリアの民家で実践。訳のわからない日本人が、いきなり街でバズーカを撃っていると住民が警察に電話したことから大騒動となり、高田純次は、現地で指名手配されたとか。
高田純次 アジアをぷらぷらしたら、今度は東京近郊をテキトー散歩
ロケ番組でも、海外であろうが国内であろうが、高田純次は、気の向くままが番組のスタイル。無料BSデジタルハイビジョン放送TwellVで、2012年にスタートしたアジア各国をめぐる旅番組「高田純次のアジアぷらぷら」は、今もカルトな人気を集めています。現地ガイドさんとともに、人気観光スポットやグルメを紹介しているのですが、ここでもナビゲーターの高田純次のテキトー節が炸裂しています。旅行計画の参考になるかは…ですが!
そしてついに、高田純次は、あの有名な散歩番組の三代目を勤めることになりました。
高田純次 「テキトー散歩」で、伝説の散歩番組三代目襲名
努力の二枚目と言われた地井武夫がホスト役を務めた、2006年スタートにしたテレビ朝日平日の帯番組「ちい散歩」は、関東ローカルの番組でしたが、地井武夫の穏やかな人柄と相まって、東京近郊をまったり散歩する番組として人気がありました。しかし残念ながら、地井武夫が急逝。番組は、加山雄三の「若大将のゆうゆう散歩」として引き継がれました。そして加山雄三も、今年9月で番組を卒業が決定。
後任として白羽の矢に立てられたのが、高田純次です。3人ともに全くキャラは違いますが、共通しているのは、彼らを嫌いな人はそういないということ。高田純次は、高田純次なりの「テキトー散歩」で、毎日見ても飽きが来ない、それこそ散歩の醍醐味を見せてくれることでしょう。また地井武夫は、散歩の最後に自筆の絵を披露するのが人気でしたが、高田純次も絵が得意なので、番組で、彼が描く絵も見られるかもしれません。
高田純次はかつて、昭和の無責任男、クレイジーキャッツの植木等と比べられ、平成の無責任男と呼ばれたことがありました。2人に共通するのは、自分に与えられたキャラである、テキトーで無責任な男を、生真面目なまでに演じてきたことでしょう。素顔は極めて現実的な常識人で、バランス感覚がよいからこそ、対極にある狂気の笑いを生み出すことができるのではないでしょうか。
ファンとしては、晩年の植木等のような演技、高田純次が普段は絶対みせない、影の部分の演技も一度は見たいものです。