辻梨恵は師匠の三觜嘉一コーチが育てた癒し系ゴルファー!実家は由緒正しいお寺で特技は座禅に茶道!
辻梨恵は若手注目株の癒し系ゴルファー!三觜嘉一コーチとの出会いで頭角現す!
辻梨恵(つじりえ)は、初優勝が期待されるゴルフ界の若手注目株です。見る人を包み込んでしまうかのようなおっとりした癒し系の和風美人ですが、その外見とは裏腹に、強い負けん気が秘められています。辻梨恵は、1994年1月28日生まれで、神奈川県南足柄市出身。プロゴルファーを目指すには、幼少期からゴルフを始めるのが普通ですが、辻梨恵がゴルフを始めたのは13歳と、キャリアスタートでは遅い部類に入ります。
小学校時代にやっていたバレーボールからゴルフに転じたのは「才能があった」のではなく、「スポーツは苦手で、バレーボールを続けることも躊躇」していたからでした。ゴルフを始めた最初の1年間も、スクールで週2回のレッスンを嫌々やっていたという辻梨恵。
そんな日々を変えたのが、現在の師匠でもある三觜喜一(みつはしよしかず)プロとの出会いでした。三觜嘉一コーチのもと、みるみるうちに頭角を現した辻梨恵は、関東中学校ゴルフ選手権で個人優勝。その後も、ゴルフの強豪・埼玉栄高校に進学し、高校3年で全国高校選手権団体優勝に輝いています。
高校卒業後は、2012年にプロテストを受けたものの不合格となり、2013年からツアー参戦を続け、2015年に、念願のプロテスト合格を果たしました。今のところ優勝歴こそありませんが、2016年には、賞金順位46位で初のシード権を獲得しています。もしも三觜嘉一プロとの出会いがなかったら、今頃はゴルフを放り出していたかも知れません。そう考えると、良き指導者との出会いがどれほど重要かを思い知らされます。
辻梨恵の実家は600年の歴史を持つ禅寺だった!座禅と茶道という渋さも!
「癒し系プロゴルファー」と評されることが多い辻梨恵ですが、それは、彼女の実家が由緒正しい禅寺だという出自にも関わっているかもしれません。辻梨恵の実家は、神奈川県南足柄市にある長福寺です。1426年に開かれたと伝えられていますから、その歴史は室町時代にさかのぼり、およそ600年の歴史を持つ由緒正しいお寺ということになります。
幼少期は「御堂の裏でよく遊んでいて、自分の部屋から本堂の屋根に昇ってかなり叱られたことがあります」と語る辻梨恵は、やんちゃな一面もあった様子。お寺育ちという環境が、彼女の人格形成に大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。
毎月1回は座禅や茶道などを経験し、本堂で十一面観音菩薩に祈りを捧げるなどの経験を重ねました。そのため、若くして座禅と茶道が特技という渋さも持ち合わせている辻梨恵。特に、中学生の頃から参加しているという座禅は、「朝一のティーショットにちょっと通じるものがありますね」と、精神統一への効用が大きい様子です。自分の性格についても、「小学生の頃から落ち着いているって言われていました。
幼稚園のときからお茶をやっていたことも関係しているのかなと思います」と自己分析。今は茶道から遠ざかっているものの、「宗偏流」という流派の免許を持っているそうです。
辻梨恵と渡邉彩香は高校の同級生だった!パターなどのクラブセッティングが知りたい!
辻梨恵と渡邉彩香は埼玉栄高校の同級生!高校時代の同級生はツアー通算3勝!
埼玉栄高校ゴルフ部OGの辻梨恵は、渡邉彩香プロと高校の同級生でした。2人はともにゴルフ部で旧知の仲で、2011年に全国高等学校ゴルフ選手権で団体優勝した時のメンバーでもあります。かつては一緒にトレーニング合宿もした間柄だけに、お互いに負けたくない気持ちも強いことでしょう。
しかし、現時点のプロゴルファーとしての実績では、渡邉彩香に軍配が上がります。身長172cmという長身を生かしたショットで飛ばし屋として頭角を現し、ツアー通算3勝を挙げている渡邉彩香は、オーソドックスなスイングを持ち味とする辻梨恵と好対照のゴルフスタイルです。
ツアー初勝利が待ち遠しい辻梨恵にとっては、高校時代に苦楽を共にした同級生とはいえ、大きく水をあけられているという気持ちに違いありません。渡邉彩香も、同級生に1日も早く初優勝してもらい、同じフィールドで勝負したいというのが本音ではないでしょうか。その意味でも、辻梨恵には早くツアー1勝を挙げてもらい、お互いに切磋琢磨して欲しいもの。優勝できるチャンスは必ず巡ってくるはずです。
辻梨恵のクラブセッティングは?スピン抑え気味で飛距離アップに留意!
辻梨恵のクラブセッティングはどのようになっているのでしょうか?どちらかといえばハードヒッターの部類に入る辻梨恵は、女子プロでは、ヘッドスピードが速くスピンが多いタイプ。ヘッドスピードが速いと、7番ウッドなどでは球が上がりすぎてしまい、距離や方向性をコントロールしづらくなってしまいます。
その対策として、クラブのヘッドもスピンを抑え気味にするものに変更し、飛距離アップに留意しているようです。パターは、バックスピンを抑えて、ボールの転がり具合が安定しやすく、打球の手応えが得やすいいものを使用しています。ドライバーの特徴は、ドローヒッター。つまり、左曲がりのボールを打つタイプのクラブ設計をしている辻梨恵。使用しているシャフトは、先端が硬くなっており、クラブを振り遅れさせやすくできています。
これは、右からドローボールを打ちたい意図が反映されているためでしょう。アイアンは、ヘッドが上から入りやすい軽量スチールのモデルを採用していることから、ダウン軌道に入れたいという意図が見て取れます。クラブセッティングひとつを取ってみても、プロゴルファーの思いが随所に見られるので興味深いですね。
辻梨恵の表情にみなぎる自信!体幹強化に好感触!
プロとしての初優勝が待ち望まれる辻梨恵ですが、2017シーズンは優勝を狙える位置につける場面も多く見られます。サントリーレディスオープンでは4位タイ、マンシングウェアレディース東海クラシックは3位タイ、スタンレーレディスゴルフトーナメントでは最終的に6位タイまで追い上げるなど、あと一歩の結果を残してきました。
本人も、優勝はもう目の前という感触を得ている様子です。実際、2017年10月に行われた富士通レディースでは、辻梨恵の表情に自信がみなぎっていました。「トレーニングを積んで、スイングが安定してきました。体力をつけて体幹が強くなり、軸が安定してきたんです」と、手応えも口にしています。
これまで、いいところまで行きながらも優勝に手が届かなかった原因を突き詰めた結果、自分の技術不足だと認識した辻梨恵。コンディション調整の意図で開始した体力強化が功を奏たことで、だんだんと自信をつけてきているようです。加えて、ドライバーのセッティングを変えたことでボールのスピンが減り、距離や方向のコントロールがしやすくなったことも表情を明るいものにしました。
見込み通りに富士通レディースの初日を単独7位で終えた辻梨恵は、「気持ちよく振り切れています」と好感触だった様子です。しかし、最終結果は34位タイ。直近の大王製紙エリエールレディスオープンも39位タイに終わったため、初優勝への道のりは予想以上に険しいということを実感しているかもしれません。とはいえ、道が険しければ険しいほど、手にした優勝の喜びは大きいものです。辻梨恵が優勝の美酒を味わうのは、そう遠い先のことではないでしょう。