渡辺香津美の歴代使用ギター!使用機材へのこだわりは?

渡辺香津美の歴代使用ギター!使用機材へのこだわりは?

渡辺香津美が所有するギターは100本足らず!

渡辺香津美は、1953年生まれの62歳。今年デビュー45周年を迎える、世界的ギタリストです。渡辺香津美のデビュー当時、若者たちのほとんどは、自分の歌を作ることを目指していました。それに対し渡辺香津美は、ギターの演奏技術や新しい奏法を徹底して試み、デビュー当初から、ギターの音をひずませるファズ、激しくうねらせるワウワウなど、使用機材へのこだわりを見せ、新しい機材を大胆に使ったジャズを演奏します。

渡辺香津美は、ギターもまたデビューから現在まで、さまざまな形状スタイルのものを試してきました。初期はギブソン・レスポール・スペシャルや、アレンビックのショートスケールギター、日本製ギターのアリアプロII・PE、オベーションに、スタインバーガーなどを使用していた渡辺香津美。その後は、ヴァレイアーツ、ポール・リード・スミスなどを経て、現在はコリングスなどを、用途に応じて使い分けているそうです。渡辺香津美本人曰く、ギターは、80本から90本を所有しているそうです。

渡辺香津美は、ベンチャーズに憧れた17歳の天才ギタリストだった

渡辺香津美が音楽の洗礼を受けたのは、日本の若者たちにとって、初めてのバンドブームとなった1960年代中頃。ブームに火をつけたのは、ビートルズといわれていますが、その頃同時に、ピーター・ポール&マリー(PPM)などのフォークソングや、エレキギターのインストメンタルバンド・ベンチャーズの楽曲も大ヒットしました。

その後は、この「バンド」「フォーク」「エレキ」3つの系統が、1970年代の創成期を経て、70年代の終わりに、J-POPという日本独自の音楽に変化し、進化の大爆発を迎えるのです。当時、エレキギターは、まさに若者の脳天をしびれさせました。ベンチャーズの楽曲「パイプライン」は、エレキギターを弾き始めた青年たちの絶対教本。

エレキギターの音を表す「テケテケテケ」という擬音は、「パイプライン」の1フレーズからきていると思われます。そんなベンチャーズに憧れ、エレキギターを手にした少年が、たった17歳で天才ギタリストと呼ばれるようになる渡辺香津美です。

渡辺香津美「インフィニット」デビューは17歳!YMOサポートメンバーだった!

渡辺香津美のデビューアルバムは、超絶のJAZZロック「Infinity」

渡辺香津美のデビューは、1971年17歳の時。エレキギターによるインストメンタルJAZZロックのアルバム「Infinite(インフィニット)」でした。正直、当時の日本では、渡辺香津美の音楽性のすばらしさよりも、彼のギターテクニックに、ただただ驚いたというのが実情でしょう。

渡辺香津美はYMOのサポートメンバーとなり世界的ギタリストに

渡辺香津美は、デビューアルバム「インフィニット」発表と同時期、JAZZ界の新星、サックスの渡辺貞夫などとセッションを重ね、一躍日本のトップミュージシャンの仲間入りを果たしました。そして1979年には、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のワールドツアーに、サポートギタリストとして参加。渡辺香津美の名が、世界中に知られるようになります。1980年代以降は、世界の有名ミュージシャンとのセッションや、コラボアルバムを意欲的に制作する渡辺香津美は、ワールドワイドな活躍を見せます。

一方では、FMラジオなどのパーソナリティも担当し、気さくで人懐こい一面を覗かせました。また1990年から1996年にかけて、渡辺香津美は、関西テレビの深夜のローカル番組「夢の乱入者」で、トーク&音楽ライブ番組のホストを務めています。関西系のロックやブルース、また個性派俳優など、異分野のミュージシャンをゲストに招いてのライブは、渡辺香津美ファンにとって、今では伝説の番組となっています。

渡辺香津美貫禄の「ギター生活45周年祭」開催

渡辺香津美は、デビュー45周年を迎えた5月20日、東京のオーチャードホールで、「ギター生活45周年祭」を開きました。ゲストミュージシャンには、アコースティックの押尾コータローをはじめ、X JAPANでも活躍するSUGIZO、ボサノバ奏者の伊藤ゴロー、クラシック界からはあの村治佳織、フラメンコの沖仁ら、各分野の名ギタリストが次々と登場し、渡辺香津美との華麗な共演を実現。

渡辺香津美は、この「ギター生活45周年祭」と同様、世界的ミュージシャン、リー・リトナー、マイク・スターンらと共演したコラボアルバムも、この春にリリースしています。「ギターの音が演奏者の個性によって、これほど違った表情を見せるのかと驚かされました」と語る渡辺香津美。「ギター生活45周年祭」では、各ジャンルの名手たちの研ぎ澄まされた演奏を、渡辺香津身は余裕で受け止め、存分に楽しんでいるようでした。

また、自分が学んできたことを、若いギタリストたちに隠すことなく伝えていきたいという渡辺香津美の思いが、強く伝わるコンサートでもありました。1960年代後半、初めてエレキギターを手にし、自分たちのバンド、自分たちの歌を作った第一世代が築いた、日本独自のJ-P0Pの世界。そこには渡辺香津美を始め、独学で世界レベルのテクニックを磨いたミュージシャンたちが、数多く存在しています。21世紀を迎えた日本の音楽界は、今こそ、これら音楽技術の継承が必要な時を迎えています。

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