足立紳脚本映画「百円の恋」オーディションを経て安藤サクラ起用!演技力が凄まじい

足立紳脚本映画「百円の恋」オーディションを経て安藤サクラ起用!演技力が凄まじい

足立紳脚本映画「百円の恋」主演の安藤サクラは奥田瑛二・安藤和津夫婦の娘で日本映画期待の女優

足立紳は、「セーラー服と機関銃」などで知られる、早逝した映画監督相米慎二監督に師事し、助監督や脚本家を経て、監督となった気鋭の映画人です。2015年、第39回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を獲った、映画「百円の恋」の脚本を務めたことで、一躍注目を集めました。

受賞の原動力となったのは、なんといっても主演を果たした女優の安藤サクラの演技でしょう。ハードなアクションシーンとラブシーンの描写を演じきれる力が必要な主人公の一子の募集に際しては、役者としてのキャリアを不問とするオーディションが行われました。安藤サクラも、オーディションに応募した1人で、700通以上の応募者の中から起用されたそうです。安藤サクラ自身、「百円の恋」で、同年の日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞を獲得しています。

安藤サクラは、俳優の奥田瑛二、母親はエッセイストの安藤和津の次女として生まれました。現在30歳。夫は、2012年に結婚した俳優の柄本佑です。2013年には、在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督による映画「かぞくのくに」で、第86回キネマ旬報ベストテン主演女優賞と、他複数作の演技で助演女優賞を受賞。同賞史上初となる、同じ俳優による主演・助演ダブル受賞を獲得しています。

足立紳も驚く安藤サクラの役作り!父親譲りの才能開花

足立紳脚本映画「百円の恋」主演の安藤サクラは、最近では、宮藤官九郎脚本の日本ドラマ「ゆとりですがなにが」で、総合職としてクールに仕事をこなしながら、結婚願望を秘めた、ゆとり世代のリアルな女性を演じて好評でした。この「百円の恋」でもまた、安藤サクラの、等身大でリアルな存在感は際立っています。

それは、主人公そのものとしか思えない、映画の告知ポスターを見るだけでも伝わってきます。父親の奥田瑛二譲りなのか、役への入れ込み具合が半端ではない安藤サクラ。役作りのために、ゼロから練習を始めたというボクシングの腕前も今では相当なもので、映画に、より深いリアル感を与えています。

足立紳脚本映画「百円の恋」あらすじネタバレ!プロフィールは?

足立紳脚本「百円の恋」は30歳引きこもり女の恋と再生の物語

足立紳脚本作品「百円の恋」の内容を簡単にご紹介しましょう。安藤サクラが演じるのは、実家に引きこもる、だらしない32歳の女性・一子。離婚して実家に戻ってきた妹と折り合いが悪く、一人暮らしをするはめになり、百円ショップで深夜勤務をすることになります。そこで出会ったロートルボクサーの引退試合を見て、彼と恋に落ちた一子は、いっしょに暮らし始めますが、引退した男は、ただのダメ男でした。とうとう女ができて、一子のもとを出ていってしまいます。

そこで、自分がボクシングに挑むことで、自分の人生を変えていく一子。実際の撮影も、自堕落な暮らしをしていた頃から、ボクシングの練習を始めて、実際に体を絞っていく安藤サクラを追いかけています。そのため、観客は、一子の闘いぶりに、強い共感を覚え、エンディングへのカタルシスへといざなわれていくのです。

足立紳は「百円の恋」だけでなかった!華麗なる受賞歴を誇る人気脚本家

足立紳は、鳥取県出身、1973年生まれで現在43歳です。足立紳は、実はこの「百円の恋」で、2012年、脚本賞として設けられた「松田優作賞」の第1回グランプリに輝いています。さらに、2015年に映画化されたことにより、日本アカデミー賞脚本賞と、「菊島隆三賞」を受賞しました。

また同じく2015年には、「百円の恋」と「お盆の弟」で、第37回ヨコハマ映画祭脚本賞も獲得。「お盆の弟」も、全国で異例のロングラン上映を果たしている人気作となっています。この他にも、2013年に、第38回創作テレビドラマ大賞を獲った「佐知とマユ」が、2016年の第4回市川森一脚本賞を受賞しているなど、近年、めきめきと頭角を現しつつある脚本家の1人です。

足立紳初監督作品「14の夜」は超現代版ヰタ・セクスアリス!

足立紳は、ここ数年で数々の脚本賞を手にした人気脚本家ですが、2016年12月には、ついに自らの脚本で、初監督に挑んだ作品が公開されます。タイトルは、「14の春」。出演者やスタッフには、これまで足立紳の作品に出演した俳優やスタッフが結集し、彼をバックアップしています。「14の春」は、まさに、超現代版ヰタ・セクスアリスというべき、少年たちの悶々たる笑いと涙の性春讃歌です。

主人公の中学生タカシ役には、約750人のオーディションから主役に選ばれた新人、犬飼直紀が抜擢されました。父親役には、「お盆の弟」に出演し、最近活躍が目覚ましいベテラン俳優の光石研。母親役には、独特の存在感を放つ濱田マリ子、姉役には、「佐知とマユ」で主演を務めた若手注目女優の門脇麦、姉の婚約者には、連続テレビ小説「ごちそうさん」で注目された和田正人を配すなど、新旧実力派俳優が顔を揃えています。

また、タカシの幼なじみには、「SUPER ☆GiRLS」の浅川梨奈を起用。足立紳監督自ら、浅川梨奈のオッパイが、映画の見どころと断言しています。ここに、日本映画にまた新たな息吹を送り込む新人監督が誕生しました。いかにも、順風満帆といった足立紳ですが、専門学校を出て、助監督や演劇活動を行っていた20代から30代、そして賞を獲るまでは、結構貧しく厳しい生活をしていたようです。

実際に、「百円の恋」よろしく、深夜の百円ショップで働いたこともあったそうです。しかし、その時の鬱屈感や絶望、また深夜の店にたむろするさまざまな人々の人間模様が、賞を獲った各作品にリアルに活かされていることは間違いありません。脚本家にとって、自分の人生体験全てが、脚本を書く糧といえます。

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