2020年5月15日 更新
大石静の生い立ちや家族、借金返済地獄エピソードが壮絶すぎる!
大石静の生い立ちや家族はドラマ並み?
大石静の名前は、ドラマ好きな方ならば、おそらく名前くらいは聞いたことはあるはず。これまで数々の有名ドラマを手掛けてきた脚本家です。脚本家だけでなく、エッセイスト、作家の顔も持つ大石静は、過去には劇団を作り女優もしていたそうです。
最近では大人のラブストーリを手掛けることが多く、どのドラマでも女性の心をつかんで離しません。人々を魅了する脚本を書き続けてきた大石静の生い立ちとは、どのようなものだったのでしょうか。
大石静は、1951年9月15日東京都生まれの64歳。日本女子大学文学部国文学科卒業すると共に青年座研究所に入り、女優を目指します。しかし不幸にも、24歳の時に見つかった病気は甲状腺がん。闘病生活を終えた後、演出家の永井愛と2人で、劇団「二兎社」を立ち上げました。劇団の旗揚げ公演で、脚本の才能を認められた大石静は、そのまま脚本家としての道を歩んでいきます。
大石静の文才は、実家が老舗旅館で、多くの著名な作家が部屋にこもって執筆していた姿を子供の頃から見ていた影響があるのかもしれません。実母と養母の2人がいるという家庭環境も、大石静の感受性を育て、多角的な視野を持つことにつながっているのでしょう。大石静は、幼少の頃のエピソードについてを、実家の旅館の名前を入れたエッセイ集「駿台荘物語」で綴っています。
大石静の現在の家族は、甲状腺がん闘病の頃に結婚した夫と2人。子供はいません。闘病を支えてくれた夫にとても感謝していると語っています。
大石静が借金2億円返済するまでの地獄エピソードが壮絶すぎる!
大石静は、脚本家として、順調に作品を送り出してきました。中でも1996年のNHK朝ドラ「ふたりっ子」は大ヒットし、向田邦子賞と橋田寿賀子賞をダブルで受賞します。しかし、その頃、大石静のプライベートではとても大変なことが起こっていました。
時代はバブル期。大石静の弟と母が、和食店とステーキ店を出しましたが、バブルがはじけて経営困難に陥ります。借金返済のため、せっかく建てた弟家族と母と大石静の3世帯住宅を売却したり、銀行から追加融資を受けたりするものの、借金の総額は2億円あまりにまで膨れ上がってしまいました。この間に弟夫妻は離婚し弟が失踪、大石静の母も亡くなってしまいます。弟の借金の連帯保証人になっていた大石静には、全ての負債が覆いかぶさってくることになったのです。
一度は自己破産も考えた大石静でしたが、自身の作品の著作権を手放さなければならないと言われてしまいます。そこで弁護士に相談し、1カ月で3000万円支払うという条件で清算できたそうです。この時期には、甲状腺がん治療のため2度の手術もしていた大石静。決して健康ではない体で、脚本やエッセイをひたすら書き続けて借金の返済を続けていたのです。
大石静作品「セカンドバージン」「コントレール~罪と恋~」あらすじネタバレキャスト!
大石静の代表作、「セカンドバージン」の人気再び
大石静作品「セカンドバージン」は、NHK総合ドラマ10で2010年10月12日から12月14日まで放送されたテレビドラマで、主演は鈴木京香、共演に深田恭子、長谷川博己というキャストでした。真正面から不倫愛を描いた上、鈴木京香のきわどいベッドシーンにも話題が集まった結果、徐々に視聴率を上げて、最終的にかなりの高評価を獲得した「セカンドバージン」。大人の恋愛を書かせたら随一との大石静評を決定的にしたともいえます。
2011年9月には、ドラマ版と同じ大石静の脚本で、映画「セカンドバージン」が公開されました。キャストもドラマと同じ、鈴木京香、深田恭子、長谷川博己の3人で、設定は、ドラマの5年後。ドラマの中で語られなかった部分に、新たに静かな光を当てられていたところは、ドラマから展開されたこの映画ならではの魅力でしょう。
ネット上では、ドラマ版「セカンドバージン」を見て、映画鑑賞を楽しみにしていた人からの「少し残念」という感想が多かったようですが、それだけドラマ版のストーリーに根強い人気があったということでしょう。
大石静作品、新作ドラマ「コントレール~罪と恋~」あらすじネタバレキャスト!
大石静が脚本を手掛ける新ドラマ「コントレール〜罪と恋〜」は、「セカンドバージン」と同じNHKドラマ10枠としてNHK総合で4月15日から放送開始です。主演は、石田ゆり子と井浦新。あらすじは、無差別殺人事件に巻きこまれて夫を失った青木文(石田ゆり子)が、絶望の淵で、長部瞭司(井浦新)と出会って恋に落ちるのですが、実は、瞭司こそが夫を殺した張本人だった……というものです。
その他キャストには、原田泰造、桜庭ななみ、堀内敬子、野際陽子などが出演します。大石静のストーリーに描かれるのは、大人の恋模様です。若者とは違い、歳をとり経験を重ねてきている分、それぞれに事情を抱えている大人たち。人を愛するにも簡単にはいかず、さまざまな心の葛藤ややるせなさが生まれます。そんな深みが視聴者の共感を呼ぶのかもしれませんね。恋愛にミステリアスな要素も加わっている「コントレール〜罪と恋〜」では、大石静はどのような恋模様を魅せてくれるのでしょうか。
大石静がアニメ制作に参入!新たな境地へ!!
大石静は、大人の恋愛や、複雑に揺れる女心を描き、NHK総合の朝ドラや大河ドラマの脚本家として、その実力を認められています。その状況には飽き足らなかったのか、新しい境地を目指してなのか、2016年放映開始のアニメ制作にも挑戦していることが分かりました。有名脚本家の大石静ですから、オリジナル長編アニメのオファーを受けてのことなのかと思いきや、今回、大石静が脚本を担当したのは、ソーシャルゲーム「神撃のバハムートGenesis」の続編「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」のアニメ版。
タイトルの「VIRGIN SOUL」の由来は、アニメ脚本初参入の大石静のために、監督のさとうけいいちが提案したものなのだとか。2015年後半は、アニメ1回あたりの放映時間30分×24回分の脚本をひたすら書き続けていたと語る大石静。制作サイドの革新的な姿勢に刺激され、哲学的で複雑な心情までを描き切った野心作に仕上がっているようです。実写ドラマや映画の脚本ともなれば、役者の風貌やキャラにも影響されるでしょうし、表現できることにはどうしても限界があるかもしれません。
その点、アニメーションともなれば、登場人物が変身することも、空を飛ぶことも自由自在。表現においてさらに解き放たれた大石静が、本人すら心配になったというほど、とんがったストーリーのアニメ「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」は、従来のアニメファンのみならず、これまでアニメには興味がなく「セカンドバージン」に酔いしれたファンまでもが楽しめる作品になっている可能性は高そうです。大石静自身の、そしてアニメ界の新境地開拓となるかどうか、「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」の放映開始が待たれます。