辰吉寿以輝(たつよしじゅいき)、デビュー戦階級はスーパーバンダム級!

辰吉寿以輝、親子2代のボクシング物語

辰吉寿以輝、ボクサーを目指す

辰吉寿以輝、1996年生まれ18歳。今や伝説のボクサーである辰吉丈一郎の二男。兄、辰吉寿希也は、ボクシングの道を選びませんでしたが、辰吉寿以輝は、幼稚園の頃から世界チャンピオンになると父親ゆずりのビックマウスぶり。しかし中学卒業後は体重が80キロを超え、とてもボクシングは無理だろうと陰口を叩かれていました。

2014年1月、父と同じ大阪帝拳ジムに入門しようとしたとき、本気でボクシングをしたいなら減量が条件と言われ、彼は、半年のトレーニングと食事制限で、見事20キロの減量を果たしたのです。

辰吉寿以輝、プロテスト合格

そして2014年11月、念願のプロテストを受けます。翌日のスポーツ新聞は各紙がトップで、「浪速のジョーの息子がプロテスト合格」との記事を載せました。テストのスパーリングでは、序盤から相手にプレッシャーをかけて、ロープ際へと追い詰め、左フックをクリーンヒット。ボクシング関係者や記者たちに、辰吉2世の誕生を確信させたのです。しかしその会場に、父、辰吉丈一郎の姿はありませんでした。彼はいきつけの喫茶店で静かに時を過ごし、本人からの電話に、一言だけ「よかったな」と告げ、やっと会場へと向かったのです。プロテストに合格した辰吉寿以輝は、4月16日、ついにプロデビュー第一戦目を迎えることになります。

辰吉寿以輝、2回KOで鮮烈プロデビュー

辰吉寿以揮の父、辰吉丈一郎物語

辰吉寿以揮を語るには、彼の父である辰吉丈一郎を語らないわけにはいきません。伝説のボクサー、元WBCバンタム級世界王者辰吉丈一郎は、現在45歳。伝説と呼ぶには若すぎる歳ですが、彼はバンタム級の天才ボクサーとして数々の死闘を繰り広げてきました。栄光と挫折、戦いの中での致命的なダメージを受けながらも、決して現役をあきらめないボクサーとして、大阪のおっちゃんや若者たちを今なお熱狂させる浪速のジョー。彼はまさに明日のジョーそのものなのです。そして彼の幼き日の貧困やいじめ、不良喧嘩伝説、年上女房たえさんとの恋愛結婚、息子たちとの家族愛など、様々なサイドストーリーが、ますます彼を伝説化していったのです。今回の、息子辰吉寿以輝のプロデビューでは、否が応にも辰吉丈一郎が再びクローズアップされていますが、あの浪花のジョーの華々しい面影はもうありません。そこには、プロボクサーとしてデビューする息子のことをひたすら心配する、歳以上に傷つき老いた父、辰吉丈一郎の苦悩があるだけです。辰吉一家の物語は、今ここに第二章を迎えたのです。

辰吉寿以輝、伝説の始まり

運命の日、4月16日。辰吉丈一郎が3度の世界王座を獲得した時と同じ白いトランクスを着用した辰吉寿以輝がリングに上がりました。その姿は、父辰吉丈一郎とは全く異なり、前向きで明るい性格もあるのか、甘いマスクと恵まれた体からは、ボクサーらしからぬ健康的なオーラがあふれています。スーパーバンタム級4回戦で挑んだプロ第一戦の相手は、アマで11戦、プロでも3戦をこなしたベテラン。対して辰吉寿以揮は、戦績0。アマ経験もなく試合をしたことすらありません。
1ラウンド、彼は全く物怖じせず、父そっくりのフットワークで軽やかに左を出します。そしてラウンド終了直前、連打から、辰吉丈一郎の宝刀であったボディへの左フックが相手をとらえ、早くもダウンを奪います。そして2ラウンド、自分でもいけると思ったのか、熱い闘争心のDNAが、何発か不用意なパンチを食らいながらも、手数と重いパンチで相手を圧倒。2分45秒、レフリーが間に入り、見事なKO勝ちを収めました。リングサイドの父、辰吉丈一郎は、安堵の笑顔を浮かべ、母るみさんは終始泣きじゃくったまま。ここに父辰吉丈一郎の物語は、息子へと受けつがれました。父と同じ階級、WBC世界バンタム級世界王者をめざす辰吉寿以輝の物語として。

辰吉寿以輝の出身地、大阪府守口市ってどんなとこ

辰吉寿以輝もぶらついた、大阪府守口市は電気の町

大阪府守口市は、大阪市の北東部に接した町で、何より、隣の門真市とともに家電メーカー、パナソニックの本社や関連工場が点在する電気の町として有名ですが、かつてはレンコン畑が広がるのんびりした農村であったそうです。1972年に開催された国際花と緑の博覧会の会場が、今では花博記念公園鶴見緑地として整備され、地域の人々の憩いの場となっています。古くから京都と大阪を結ぶ交通の要で、守口という地名の由来は、生駒山へと広がっていた原生林の入り口である「森口」が、石山本願寺や大坂城ができてからは、軍事的要衝として「守口」に変化したと言われています。

辰吉寿以揮も食べた、大阪府守口市の伝統野菜

すっかり都市化してしまった守口市ですが、大阪市内に近いこともあり、今でも近郊農業が盛んで、守口だいこんが大阪府の「なにわの伝統野菜」に認証されています。すでに16世紀頃には、大阪天満宮付近、長柄、橋寺、守口などで長大根が栽培されていたそうで、河内国守口の特産であった糟漬の原料であったことから守口大根と呼ばれるようになり、その漬け物も守口漬けとして知られるようになりました。守口だいこんは、長さ1メートル以上、長いものでは2メートル近くにもなる世界一長い大根で、「世界最長の大根」としてギネス世界記録にも認定されています。

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