羽生結弦の競技引退・プロ転向表明で近づく「理想のスケート」
◆出身:宮城県
◆身長・体重:172cm・57kg
◆血液型:B型
◆出身大学:早稲田大学人間科学部
◆2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪金メダリスト
羽生結弦のプロ転向は新たなステージの幕開け!
羽生結弦(はにゅうゆづる)は2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪で金メダルを獲得したフィギュアスケート選手。2020年には主要国際大会全制覇を男子で初めて果たすなど、数々の金字塔を打ち立てた国民的スターです。
そんな羽生結弦が、2022年7月19日の記者会見で、競技からの引退とプロ転向を発表しました。フィギュアスケート選手の多くは、引退後にアイスショー出演を主な活動とするプロスケーターに転向します。アイスショーでは技術的な難度を落とし、表現の面で観客に魅せる演技をしていくのが一般的です。
ところが羽生結弦は技術への挑戦をやめることは否定し、プロのアスリートとしてスケートを続けることを宣言。メダルを目指す重圧からは離れるものの、今後も努力を続け、フィギュアスケートを極めるためにプロになるという意思を強調しました。
競技会の中で「取るべきものは取った」と考える羽生結弦にとって、この先もルールに則った演技で得点を競うより、プロになった方が理想に近づけると説明しています。
プロ転向はリタイアではなく、次のステージへの「新たなスタート」だと清々しい表情で伝えた、羽生結弦。これから始まる、「羽生結弦第2章」が楽しみでなりません。
羽生結弦の競技引退に海外選手の反応は?感謝とエールが止まらない
羽生結弦の競技引退の報を受け、フィギュアスケート界に残した偉大な功績を表すように、世界中のスケーターから労いと感謝、活躍を祈る温かいメッセージが届いています。
現世界王者で北京五輪でも金メダルを獲得したアメリカのネイサン・チェンは自身のインスタで、「羽生結弦と同じ氷上に立てたことは人生の誇り」とコメント。限りない尊敬と、感謝の思いを捧げました。
また、羽生結弦が少年時代に憧れてやまなかったロシアの皇帝、エフゲニー・プルシェンコは、「世界中の人びとをショーで幸せにしてあげてほしい」と激励のメッセージを送っています。
羽生結弦が引退という言葉を使わなかった深い理由!
羽生結弦は「引退」ではない!会見で伝えた理由
羽生結弦は会見の中で、「引退という言葉はあまり好きじゃないので使いたくない」と語りました。
フィギュアのプロ転向とは、日本スケート連盟の選手登録を外れること。選手は「引退届」を提出することによって、競技会への出場資格を失います。
プロが最高峰の野球やサッカーと異なり、フィギュアのプロはピークを過ぎたスケーターを指すというのがこれまでの概念でした。羽生結弦は「高校野球の選手が甲子園で優勝し、プロになることが引退かと言われればそうではない」と例を示し、アスリート引退との違いを説明しています。
羽生結弦がプロに転向するのは、「より強くなりたい」という思いから。アマチュアでなくなる事実が、後ろ向きなイメージもある「引退」という言葉で表現される制度について「不思議ですよね」と問いかけ、一石を投じています。
羽生結弦が競技に復帰する可能性はある?
羽生結弦は会見の中で「競技を離れることに寂しさはないか」と聞かれた際に、「全然ない」と答えています。
さらに「競技の緊張感が恋しくなることはないか」との質問には「絶対にないと言い切れる」と即答。観客が緊張感を味わえる演技を続けると表明し、これからも最大の目標としてきた、4回転半ジャンプへの挑戦を続けることを明言しました。
会見時点では「競技会というものに出るつもりはない」と語っており、すぐに電撃復帰ということはないでしょう。
しかし、子供の頃から競技一筋だった羽生結弦が高い意識を持って練習に取り組んでいたら、技の完成などのきっかけを得て、「もう1度競技に…」と考えが変わったとしても不思議ではありません。
国際スケート連盟(ISU)の規定では、アマチュア資格を1度だけ復活でき、かつて伊藤みどりも引退から約3年後に、再び競技に復帰しました。羽生結弦の場合も、競技復帰の可能性はゼロではないといえます。
羽生結弦の近況に注目!新たな第一歩はどこから?
羽生結弦の公式YouTubeチャンネル開設に世界が歓喜
羽生結弦は2022年8月7日に、公式YouTubeチャンネル「HANYU YUZURU」を開設しました。初投稿動画はわずか16時間で100万回再生を達成。それまでSNSのアカウントを持っていなかった羽生結弦の新たな一歩に、世界中から喜びのコメントが集まりました。
羽生結弦はチャンネル解説の理由を、「自分のスケート、そして、演技を見ていただきたい」としています。
初投稿の3日後には、地元仙台で開催した公開練習イベント「SharePractice」の様子をライブで配信。今後はYouTubeでの新プログラム公開やリクエストによる過去のプログラムの再現、セルフ解説といった企画も予想され、期待が膨らみます。
羽生結弦の近況、これからの主戦場はアイスショーへ!
羽生結弦は2022年5月から約1ヶ月にわたり、全国4都市で開催された「ファンタジー・オン・アイス」に出演しました。
「ファンタジー・オン・アイス」は、羽生結弦のほかジョニー・ウィアー、ハビエル・フェルナンデス、ステファン・ランビエールなど世界のレジェンドスケーターが出演した豪華なアイスショー。大トリとして登場した羽生結弦は、フィギュアスケートの枠を超えた異次元の演技で観客を魅了しました。
詳細は明かされていませんが、プロ転向会見の中で示唆していた「今の時代に合ったスケートの見せ方」などの構想は、実現に向けて着々と動いているようです。2018年には自身のプロデュースで感謝を伝えるアイスショー「コンテニュー・ウィズ・ウィングス」を開催した実績もあり、動向が注目されています。
長年、トップを走り続けてきた羽生結弦。プロ転向後は新たなステージで、フィギュアスケートというスポーツの可能性を広げていくことでしょう。