2020年5月7日 更新
川村元気は「君の名は。」をヒットに導いた東宝若手プロデューサー!結婚やプロフィールは?
川村元気「君の名は。」をヒットに導いた東宝若手プロデューサー誕生のきっかけは社内公募
川村元気は、映画や舞台の配給・興行を行う東宝株式会社に所属しています。主な仕事は、映画の企画立案や、作品の総合責任者たる映画プロデューサーです。出資者への交渉や、脚本家や映画監督からスタッフ・キャスト選び、制作過程の金銭管理や対外交渉を任され、制作の裏方的役割をしています。
川村元気は、社内企画に応募したことがきっかけで、映画プロデューサーになりました。2005年、26歳の時には、映画「電車男」をプロデュースし、37億円という興行収入を記録。他にも、「告白」「寄生獣」「バクマン。」など、数々のヒット作を生み出してきました。2016年に大ブームを巻き起こしたアニメ映画「君の名は。」をプロデュースしたのも川村元気です。2016年12月25日時点で、213.3億円という、歴代興行収入ランキング5位を記録した「君の名は。」は、2017年1月もヒットが続いています。
川村元気「君の名は。」ヒットの仕掛人!結婚やプロフィールは?
川村元気は、「君の名は。」のヒットによって、映画プロデューサーとして、さらに広く知られるようになりました。プロフィールは、1979年3月12日生まれで、神奈川県横浜市の出身です。上智大学文学部新聞学科を卒業し、2001年に東宝に入社した当初は、大阪の難波は南街にある劇場でチケットのモギリをしていました。しかし、社内企画へ応募したことで、映画のプロデューサーに。一方で、川村元気は、映画の仕事に関わりながら、作家活動も行っています。
本屋大賞にノミネートされるなど、ベストセラーとなった「世界から猫が消えたなら」や「億男」の作者が川村元気です。また、絵本「ムーム」は、アメリカでアニメ映画化。佐野研二郎との共著「ティニー ふうせんいぬのものがたり」は、NHKのEテレで放映されている子供向け人気ショートアニメ「ふうせんいぬティニー」の原作となっています。
このように多方面で活躍する川村元気ですが、プライベートなことは公表していないため、結婚しているのかどうかは不明です。しかし、2016年に発表した「四月になれば彼女は」は恋愛小説。川村元気の恋愛や結婚に対する考えが、少しはのぞけるかもしれません。
川村元気小説「世界から猫が消えたなら」「億男」あらすじネタバレ!
川村元気小説「世界から猫が消えたなら」あらすじネタバレ!猫好き号泣
川村元気のベストセラー小説「世界から猫が消えたなら」は、2012年10月にマガジンハウスよりリリースされ、2014年9月には小学館より文庫が刊行されています。猫のキャベツと暮らす、進行性の脳腫瘍を患った男「僕」は、ある日、自分そっくりの容姿の「悪魔」と出会います。悪魔は、「世界からひとつなにかを消すと、1日寿命が伸びる」と言い、周辺にあるものを消していくことを提案。僕は、電車、電話、映画、時計など、さまざまなものを消し、1日1日を得ていきます。
しかしそれは、思い出の記憶すら消してしまう行為でした。やがて悪魔は、世界から猫を消すことを提案しますが、僕は、すぐにうなずくことができません。愛猫キャベツとの関わりは、家族との思い出を消す行為そのものだと思い返した僕は、猫を消すことを拒否し、最後の日へ向かいます。親しみやすい文章で、「大切なものは何か」を描く物語「世界から猫が消えたなら」は、特に、猫好きにとっては号泣必至の作品です。
川村元気小説「億男」あらすじネタバレ!億万長者になった男の大冒険
川村元気の小説「億男」は、マガジンハウス「BRUTUS」にて連載され、2014年に同社より刊行されました。お金をめぐるエンタテインメント作品です。主人公は、弟の借金を肩代わりし、妻子と別居中の一男。ある日、宝くじが当選し、億万長者となりますが、あまりの大金に不安に襲われてしまいます。
一男は、助言を求めようと、大富豪となった親友の九十九を訪ねますが、当選金を持ち逃げされてしまったことから、九十九を探すハメに。九十九を探す過程で出会う人々は、容姿端麗で富豪の十和子や、賭け事に強い百瀬など、どこかお金に翻弄されている人たちでした。
一男は、彼らのお金に対する価値観に触れるうちに、自然とお金について真剣に考えていくようになります。読者も、「億男」を読むうちに、一男と一緒に、「お金とは何か」「お金と幸せ」についての考えをいつしか深めていくことに。作中では、一男と、お金持ちすぎて生きる意欲を失っている九十九との対比が光ります。
川村元気プロデュース作品は「君の名は。」以外にも「怒り」「何者」まで!小説ヒットの秘密とは?
川村元気は、2016年は、大ヒットアニメ映画「君の名は。」のほかにも、「怒り」「何者」のプロデュースに加え、自身の執筆作品である「世界から猫が消えたなら」の映画制作にも関わってきました。さらには、週刊文春にて「四月になれば彼女は」を連載と、まさに寝る間のないほどの忙しさだったそうです。
映画は、監督や脚本家、音楽家など、単独でも力のある人物を集めた時に、最も良いものができると考えている川村元気。プロデューサーもそうあるべきだと考えて、自身の作家性まで映画に取り込もうとしていた時期がありました。そうして、「告白」中島哲也監督や、「モテキ」大根仁監督とケンカをした結果、「自分で物語を書く経験を経なければならない」と考えて小説を書き始めるようになったとか。
小説を書く際、川村元気は、常にさまざまな疑問を持ち、その答えを突き詰めていこうとしているといいます。文藝春秋より刊行された「四月になれば彼女は」は、大人の恋愛をテーマにした作品ですが、書くきっかけとなったのは、「大人の恋愛小説が売れない」という言葉でした。
さっそく、「なんでだろう?」と考えた川村元気は、20代から50代の男女100人に、「今、恋愛していますか?」とインタビューを敢行。その時に得た回答と、そこからさらに生まれたさまざまな疑問を突き詰めていった結果、「恋愛できない男女」を主人公とした物語が誕生したと明かしています。「インターネットでは出てこないこと」を書こうと意識しているという川村元気の小説作品。
生の声から得られたちょっとした本音を反映し、リアリティを生み出しているところも人気の秘密なのでしょう。「ヒット作品」とは、大層な仕掛けが巡らされた現実離れした物語よりも、むしろ、人々のリアルな本音が適度に散りばめられた物語から生まれるものなのかもしれません。