矢島弘一はドラマ「コウノドリ」の脚本家!「毒島ゆり子のせきらら日記」で向田邦子賞を受賞
矢島弘一はドラマ「コウノドリ」の脚本家!俳優としても出演で話題に
脚本家の矢島弘一は、TBSドラマ「コウノドリ」の脚本を手掛けて注目を集める一方で、演出家や俳優としても活躍し、劇団東京マハロのプロデュースも行うなど精力的に活動しています。ドラマ「コウノドリ」は、綾野剛演じる男性産婦人科医師を中心としたヒューマンドラマで、2015年に初めてドラマ化されて人気となり、2017年には続編となるセカンドシーズンが放映されました。
11月10日放送の5話目には、いつもは脚本を書いている矢島弘一が俳優として出演しています。演じたのは、超低出生体重児の翔太くんの父親役。わが子が障害児として生まれてきたことをなかなか受け入れられず葛藤する新米パパの役をリアルに演じました。
矢島弘一の「毒島ゆり子のせきらら日記」が向田邦子賞を受賞!大人女子をリアルに描いた作品
2016年のドラマ「毒島ゆり子のせきらら日記」も、矢島弘一が脚本を手掛けた作品です。大物政治家の番記者としてがむしゃらに働きながらも、自由奔放に恋愛を楽しむ超恋愛体質の毒島ゆり子(前田敦子)の濃厚なラブシーンも注目を集めました。
この作品により矢島弘一が受賞したのが、優秀なテレビドラマ脚本作家に与えられる向田邦子賞です。現代女性の恋愛観や仕事の悩みをリアルに描き、テンポの良い会話と笑える警句が絶妙だった本作で、矢島弘一のエスプリにあふれた才筆が認められたことが受賞理由でした。
矢島弘一は名誉ある向田邦子賞受賞に対し、「あまり人を信じない人生だったからこそ、ゆり子のキャラクターが書けたのかなと思います(笑)」とウィットに富んだコメントをしています。
矢島弘一脚本の欅坂46主演ドラマ「残酷な観客達」評価が低かったワケ!主催する劇団東京マハロとは?
矢島弘一脚本の欅坂46主演ドラマ「残酷な観客達」評価が低かったワケ!謎が明かされないままの結末に不満が続出!?
ドラマ「残酷な観客達」は、脚本が矢島弘一で、企画と原案が秋元康、主演が欅坂46という強力タッグだったこともあり、深夜枠のドラマながら放送前から注目を集めていました。
作品は、近未来の女子校を舞台に、前触れもなく教室に閉じ込められた21人の生徒が、ルールに従いながら脱出を図るというあらすじのミステリー学園もの。視聴者は、生徒たちが閉じ込められた目的や黒幕の存在に関心を強めながらドラマの展開を見守っていました。
しかし、謎に満ちたストーリーの伏線や秘密が何も解明されないままラストを迎えてしまったため、ネット上では「ドラマ史上最低の終わり方」など、酷評の嵐が吹き荒れる結果に。もちろん、伏線を回収し忘れたわけではなく、あえて謎を残したままのラストにしたのでしょうが、あまりにも視聴者に丸投げ過ぎるという意見が多かったようです。
ドラマの見どころを「緊迫感と馬鹿馬鹿しさ」とコメントしていた矢島弘一ですが、ミステリーファンよりアイドルファンのほうが多かったと思われる視聴者層に対して、少し不条理の度が過ぎたでしょうか。
矢島弘一が主宰する劇団東京マハロとは?旗揚げしたきっかけは?
矢島弘一は、現在、劇団東京マハロのプロデュースも行っています。劇団東京マハロは、矢島弘一が俳優養成所で出会った仲間である、平野勇樹や西野優希とともに立ち上げられました。そもそも俳優を目指していた矢島弘一は、2003年の28歳の時に、俳優養成所へ入所。翌2004年に、オーディションで選ばれて、若き演劇人発掘を目的とした新人公演「八月の光」に出演しました。
その後もさまざまな舞台に出演し、俳優として活動していた矢島弘一でしたが、「自分が面白いと思う作品を作りたい」と制作側に興味を持つように。こうして2006年に結成したのが、劇団東京マハロでした。現在は、劇団東京マハロのほとんどの作品で矢島弘一が脚本や演出を手掛け、独自の世界を築いています。
矢島弘一主宰の新作公演「明日、泣けない女/昨日、甘えた男」が決定!
矢島弘一が脚本や演出などを手掛けている劇団東京マハロの新作「明日、泣けない女/昨日、甘えた男」が、2018年1月18日から東京芸術劇場シアターウエストで上演されることが発表されました。同作は、性的な悩みを抱えている女性が、自身の未熟さと葛藤しながら生きていく様を、シリアスとユーモアを交えて描いた物語。
AKB48の加藤玲奈が舞台に初挑戦するということもあり注目を集めています。そんな矢島弘一主宰の劇団東京マハロのホームページで目を引くのが、「お荷物運びます!」「舞台セット運びます!」という文言です。実は、矢島弘一は、舞台の演出や脚本を手掛けるだけでなく、運送業にも手を広げていました。そもそも演劇に使用する舞台セットは繊細で、運搬する時に気を使うものです。
しかし、プロの運送会社を使うような予算はないため、多くの劇団は、自分たちで工夫して運ぶのが実情。そんな演劇人にこそ利用してもらいたいと、劇団東京マハロを旗揚げした2年後に、運送会社の三友社を設立し社長となった矢島弘一。自らが活動する中でニーズを見出してビジネスを立ち上げるとは、経営者としての手腕も高い様子です。今後も、脚本家として評価を高めていく一方で、演出家や俳優としてはもちろんのこと、舞台セットの運搬を担う三友社の社長としても、広い意味で演劇界を支える存在であり続けていくのでしょう。