八角信芳理事長は元所属の横綱・北勝海!貴乃花親方と関係悪化した理由とは?

八角信芳理事長は元所属の横綱・北勝海!八角部屋設立し関取9人を輩出

八角信芳理事長は千代の富士と九重部屋黄金期を築いた横綱・北勝海!ロンドン海外公演では「ブルドッグ」と呼ばれた!

日馬富士事件に揺れる相撲界にあって、相撲協会のトップとして事態収拾に奔走する八角信芳(はっかくのぶよし)理事長。第61代横綱・北勝海(ほくとうみ)として活躍していた現役時代の姿を記憶しているファンも多いことでしょう。

「昭和の大横綱」として無敵を誇った千代の富士とともに、九重部屋の全盛期を築き上げたのが北勝海でした。現役引退後は、八角部屋の親方として北勝力ら関取を輩出するなど、後進の育成にも手腕を発揮しています。
八角信芳理事長は、1963年6月22日生まれで、北海道広尾郡広尾町出身です。身長181cm、体重150kgで、本名は保志信芳(ほしのぶよし)。その風貌から、ロンドン海外公演では、現地メディアから「ブルドッグ」のニックネームで呼ばれました。北勝海こと八角信芳理事長の現役時代の最高位は東横綱。成績は591勝286敗109休で、優勝8回を誇ります。

中学校卒業後、九重部屋に入門した八角信芳理事長は、1979年3月場所に初土俵を踏みました。兄弟子・千代の富士との熱心な稽古が実を結び、1983年に十両昇進、同年9月に20歳で新入幕を果たします。1985年からは三役へ定着するなど順調なキャリアを積み重ね、「花のサンパチ組」と呼ばれるように。1986年3月には幕内初優勝を決め、同年9月に大関に昇進。四股名を、本名の「保志」から、故郷にちなんだ「北勝海」に改めました。

1987年に横綱に昇進すると、千代の富士とともに、九重部屋の両横綱として角界の頂点を極めます。得意技は押し、左四つ、寄りなど基本に忠実なスタイルで、頭からの当たりの強さを身上としていた八角信芳理事長。しかし、度重なるケガに苦しみ、1992年の5月場所中に、28歳10カ月での現役引退を表明します。横綱在位数は29場所(番付上は30場所)。熱心な稽古と気力で横綱の地位を手に入れただけに、「稽古する気力がなくなったら、もう終わりかな」と引退会見で語っていた姿も印象的でした。

八角信芳理事長は八角部屋設立し関取9人を輩出!前妻と離婚後、14歳年下の女性と再婚

現役を引退した八角信芳理事長は、九重部屋出身の七代八角の定年退職を受けて、1993年9月場所後に、八代八角を襲名しました。そして、同年10月に九重部屋から分家独立する形で、八角部屋を創立します。これにより、九重部屋に在籍していた部屋付き親方や北勝力ら内弟子4人が八角部屋へ移籍。

建物も、古巣の九重部屋から譲り受けて一部を改装するなど、これまでの人間関係が生かされたものでした。ケンカ別れのような分家独立もある中で、八角信芳理事長は順調なスタートを切ったと言えます。現在の八角部屋は、北勝力や海鵬ら関取9人を輩出するなど、スカウト活動と育成に長けており、関取候補として有望な幕下力士が多数所属している点が特徴的です。

部屋の運営自体は順調ですが、その最中に妻と離婚していました。親方の妻といえば、部屋を切り盛りする「おかみさん」です。その「おかみさん」と結婚したのは、現役時代の1990年。お相手は一般女性でしたが、九重部屋に出入りする中で恋仲になったようです。しかし、2003年になって離婚していたことが分かりました。その2年後の2005年に、八角信芳理事長は14歳年下の女性と再婚しています。

八角信芳の理事長選任で理事会が紛糾?貴乃花親方と関係悪化した理由とは?

八角信芳の理事長選任で理事会が紛糾?「先送り」の異議が出た?

八角親方が相撲協会理事長に就任するチャンスは突然に巡ってきました。2015年11月の九州場所中に、北の湖理事長が62歳で急逝。協会理事会で後任に選出されたのが、理事長代行を務めていた八角親方です。しかし、理事会が終了するまでに2時間もかかったことから、理事長選任を巡って会議が紛糾したのではと言われています。なんでも、一部の理事からは、「急いで理事長を決めるより、先送りしてはどうか」と理事長選任に異議を唱える意見が出たとか。

これが本当ならば、八角親方が新理事長に就任することを快く思わない理事がいたということでしょう。結局、候補者を除く理事で採決した結果、6対5の僅差で八角信芳新理事長誕生となりました。「みんなで相撲界を支えて、全員一丸で」と語った八角信芳新理事長は、4カ月の任期を経て、2016年3月に貴乃花親方を破って理事長に再選しています。

八角信芳理事長が見破った相撲協会の裏金問題!貴乃花親方と関係悪化した理由とは?

理事長に就任した八角親方が手を付けたのが、相撲協会の裏金問題でした。当時の相撲協会の顧問は、協会内部の事務方を一手に仕切っているのをいいことに、不要な工事に巨額の資金を投じていたそうです。力士の肖像権など相撲に関する権利をちらつかせて、各業界から裏金も得ていたと言います。加えて、ある会社の債券を70億円分も購入しようと目論んでいることが発覚しますが、疑問を抱いた八角信芳理事長によって債券購入を却下され、裏金顧問はクビになりました。

裏金問題を見事に解決した八角信芳理事長ですが、その一方では、相撲協会を私物化しているとの指摘も相次いでいます。相撲協会の外部理事によると、自分に近しい相撲協会の役員を評議員に入れようとするなど、あらゆるルールが無視されている状況とか。

他にも、理事会に諮ることなく、知り合いの弁護士や会計士を起用しようとしたとも伝えられています。権力強化へ向けて体制を整えつつあるように見える八角信芳理事長に、不信感を募らせているのが貴乃花親方です。2017年11月に大騒動となった日馬富士の暴行事件で相撲協会に協力する姿勢を見せなかったのも、八角信芳理事長の恣意的なやり方に反発してのことだと見られています。

八角信芳理事長がスポーツ庁・鈴木長官に謝罪!「暴力問題は二度と起こさない」と講話会開催も内容は一般論?

連日マスコミを賑わせている大相撲元横綱・日馬富士の暴行事件を巡る一連の騒動を受けて、相撲協会の八角信芳理事長がスポーツ庁を訪問し、鈴木大地長官に謝罪しました。これに対し鈴木大地長官は、「協会で調査を進行中と思うが、国民の期待を裏切ったことは紛れもない」と厳しく返答。さらに、九州場所前の11月初旬には相撲協会が暴行の事実を把握してにもかかわらず、対応を取らなかったことを「場所前に協会独自の調査を始めるべきだった」と批判しています。

これに対し、「当初は重大な事態だと受け止めていなかった」などと釈明に明け暮れた八角信芳理事長は、ひたすら平身低頭の様子でした。待ち構える記者団に対しては、「現段階で分かる限り全てを報告した」とした八角信芳理事長ですが、日馬富士が責任を取る形で現役引退を表明したものの、決着というわけにはいかない様子です。

今後の暴力問題再発防止に向けて相撲協会が行ったのは、十両以上の力士を対象にした講話会。当事者である日馬富士と貴ノ岩は欠席したものの、十両以上の関取70人のうち約60人が出席しています。しかし、冒頭に一連の問題を謝罪した八角信芳理事長が「暴力問題を二度と起こさない」と宣言して以降の部分は非公開に。出席者は内容を口外禁止とされる厳戒態勢が敷かれながら、講話会自体はわずか15分で終了しました。

八角信芳理事長は、「まだまだ指導不足。何回も繰り返し、指導しなければいけない」と注意喚起を継続していく意欲を示したものの、「対策を打った感だけでしょう」と漏らした出席者の一言がすべてを物語っているようにも感じられます。日馬富士が書類送検されてなお過熱する一方の問題について、協会のトップとして八角信芳理事長は今後どのような対策を打つのでしょうか?協会の隠蔽体質も取りざたされていますが、私物化するのではなく真のリーダーシップを発揮することで、2018年3月に行われる理事長選挙までには国民が納得する結論を導いてほしいいものです。

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