「痛いよ」が2010年に発売されて以来、またたく間に世間の知るところとなったシンガーソングライター・清竜人(きよしりゅうじん)。1989年に大阪で生まれ育った彼は、「楽曲ごとにまるで別人となる容貌・コンセプト」が一番の特徴として知られています。
独特な掠れ声で紡がれる繊細な人間描写、かと思えば「一夫多妻制アイドル・清竜人25」をプロデュースしたり、モヒカン&タトゥー姿で公の場に姿を表したりと、目が離せない存在となっています。
「痛いよ」が大ヒット!繊細な歌詞&声が世間を撃ち抜いた
わずか3歳の頃から音楽に触れていた清竜人。ピアノ演奏で音感・センスを土台から磨いた後、アコースティックギターを相棒にオリジナル曲の制作に没頭しました。そして高校生の頃、友人と共に組んだバンドでROCK IN JAPAN FESTIVALへの出演を果たします。
清竜人の音楽的才能が花開き始めたのはこの頃です。高校卒業後2008年に劇場公開されている「僕の彼女はサイボーグ」内で「Send」が挿入歌として起用されたのをきっかけに、翌2009年には「Morning Sun」というシングル曲でデビューします。
そして3枚めのシングル「痛いよ」がヒットを記録。2014年には一夫多妻制アイドルユニット「清竜人25」(2017年に解散)のプロデュースを手がけるなど、活動の幅を予想外な領域まで広げていきました。
前述している通り、清竜人の代名詞ともいわれるヒット曲「痛いよ」は2010年発売3枚目のシングル曲。持ち前の掠れ声で「愛する女性に対する隠しきれない様々な気持ち」を表現している作品です。彼女に対する「好きだ」という気持ちは紛れもない本当、けれど、好きだと思うがゆえに相手の背景を想像してしまう男性の心が絶妙なまでに表されており、グレーで統一されたミュージックビデオの雰囲気と相まって話題を呼びました。
女性がこれまでの人生で辿ってきた過去が透けて見えてしまう自分。過ごしてきた過去をどう処理するかは相手次第であることも痛いほどにわかっているからこそ、溢れ出る気持ちを「嫉妬」だと認めるのが怖い男性の心理を深く捉えています。
発売から約9年が経つ「痛いよ」ですが、その深み・味わいは衰えることなく存在していると言えるでしょう。改めて、この楽曲に触れてみてはいかがでしょうか。
清竜人25は一夫多妻制アイドル?異例なコンセプト
「痛いよ」リリースから4年。2014年に突如結成されたアイドルグループ「清竜人25」の登場は、世間を驚かせました。記憶に新しい方も多いでしょう。「一夫多妻制アイドル」というコンセプトは、従来のアイドルイメージから考えると、およそ想像もつかないような斜め上の偶像設計といえるかもしれません。清竜人はプロデューサー兼メンバーとして同グループに関わっており、残り5名の女性アイドルを「第◯夫人」と呼称して、「妻」としてのキャラクター設定を打ち出していました。
結成から3年目となる2017年に惜しまれつつも解散した「清竜人25」ですが、「元々1年ほどで完結させる予定のプロジェクトだった」と清竜人は語っています。これまで発表してきた楽曲も、ほとんど1年スパンでコンセプトを作り変えてきていることを振り返ると、手法としては意外ではありません。活動を続けていくうちに「終わらせたくない」という欲が芽生えてきたのだとか。
アイドルグループとしてのコンセプトとして、「一夫多妻制」は異質なものです。インパクト重視で「狙いに」いったは良いものの、心のどこかでは「受け入れられないかもしれない」という懸念もあったといいます。結成直後に開催したお披露目ライブ「清 竜人ハーレム♡フェスタ2014」が、その懸念を払拭してくれました。予想外にウェルカムな聴衆の空気を感じ取った瞬間に押し寄せた、圧倒的な安心。物理的にも精神的にも支えてくれたメンバーの存在のおかげで、活動を続けられたのかもしれません。
解散から約2年の2019年現在。元・夫人たちはそれぞれに、ソロで芸能活動をはじめる者、Youtuberになる者など、各々に活動の幅を広げているようです。
入れ墨は本物?ファンをも驚かせる清竜人の変貌
発表する作品ごとに、自身の外見をゼロからガラリと変容させることでも話題をさらってきた清竜人。とりわけファンを騒然とさせたのは、2016年に公の場で見せたモヒカンと入れ墨でした。当時新しく始動させた、リスナーやファンとより深く繋がるためのライブイベント「TOWN」で公に発表されたもので、「入れ墨は本物?」とファンをも騒然とさせる結果に。
話題となった「痛いよ」から、発表される作品ごとに自身の魅せ方まで変えてきた清竜人。入れ墨の真偽に関して、一部ファンからは「メイキング映像を確認したら、イベント終了後には(清竜人の背中に入れ墨は)なかった」との声も上がっていることから、本物らしく描かれたものである可能性が高いようです。
歌詞の中毒性にやられるファンが続出!?
「中毒性がある」として、水面下でコアなファンが増え続けている清竜人の曲。前述の「痛いよ」をはじめ、「ホモ・サビエンスはうたを歌う」「Morning Sun」など、聴くそばからリスナーの弱点を刺しにくるような、深い思索への入り口を促されるような歌詞が人気の根源です。
「ぼくが抱くこの思いはきみにとって愛と言えるの?」(「痛いよ」)
「ふと突然背筋が凍った ぼくはなんのため息をしているの?」(「ホモ・サピエンスはうたをうたう」)
「単純な繰り返しが本当はただ大切で気付いていないだけなんです」(「Morning Sun」)
2019年は5月1日に新アルバムの発売が予定されており、東京、大阪、名古屋でのアコースティックライブも開催する清竜人。さらにその前には、札幌、福岡、広島でたった一人のステージを披露する「札福広ツアー」が控えています。すでにチケットがソールドアウトになっている会場もあり、「年始早々勢いを見せつける展開になるのでは」と業界内外から期待が寄せられています。
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