こまどり姉妹 悲惨すぎるどん底借金人生エピソード集!
こまどり姉妹 貧乏で、少女時代から「流し」に
こまどり姉妹は、まだ戦後色濃い1960年代に、活躍した双子デュオの演歌歌手。同じ双子のデュエット、ザ・ピーナッツが、芸能界の高度成長期を担うシンボルなら、こまどり姉妹は、戦後芸能界の暗部を象徴するかのような存在と言えます。
こまどり姉妹は今も、これほど芸能界に人生を苛まれながら、芸能界でしか生きる場所を知りません。今のテレビ業界が、彼女たちの苦難の人生を、笑いのネタにしているのはいかがなものかと考えます。戦後の混乱期、こまどり姉妹の父は、北海道の炭鉱を渡り歩く日雇い人夫でしたが、こまどり姉妹が11歳のとき、結核に倒れます。
こまどり姉妹は、小学校に行くことさえままならず、父が倒れてからは、姉妹で、家や店の前に立って歌を歌い、少しばかりの施しを受けるという物乞いまがいの芸をし、やがてギター弾きと組んで、駅のホームで寝泊まりしながら、道内あちこちの飲み屋街を回って歌を歌う「流し」を始めます。
とはいえ、まだ食べ盛りの頃。仕事にあぶれたときは、畑から野菜を盗み、雑草を食べたこともあったとか。やっと「流し」としてそれなりに食べられるようになったので、こまどり姉妹は、やくざや薬物の売人が徘徊する、東京の上野の裏町を流します。
それでも16歳になったときには、「流し」で稼いだ金で、二階建ての家を買い、両親を呼び寄せることができたそうですから、こまどり姉妹が登場したのは、まさに戦後の闇と高度成長が交錯するような時代でした。
こまどり姉妹 歌手デビューの絶頂からどん底へ
その後の1959年には歌手デビューを果たし、1961年には「ソーラン渡り鳥」で紅白歌合戦に出場することができたこまどり姉妹。しかし幸せもつかの間、1966年、今で言うストーカーが、妹の敏子を姉の敏子と間違って刺す事件が起き、敏子は瀕死の重傷を負います。
その後も、信頼していた税理士が横領していて、莫大な税金滞納が発覚したり、1967年には妹敏子が末期がんであると言う宣告を受けたりしました。おまけにその年には、こまどり姉妹は、苦労を重ねた父と母を同時に失います。そしてついに1972年、こまどり姉妹は解散。
しかし、妹の敏子が受けたがんの治療費は、保険もきかず1億円にもなりましたが、なんとかがんから生還。こまどり姉妹の二人は音楽教室やスナックの営業で、その借金をコツコツと返し、1983年、なんと再デビューを果たすのです。
こまどり姉妹 身長、体重、性格、年齢は?
こまどり姉妹は、もう77歳の双子のおばあちゃん
こまどり姉妹は、1938年生まれで、なんともう77歳。高齢女性ということもありますが、身長は145cm前後、体重は昔よりかなり太っているようで50kgぐらいはあるようです。こまどり姉妹は、性格というより、少女時代の貧困と、それによって義務教育を受けることができなかったことが、その後の人生に大きな影を落としています。
確かに、どんな不幸にも打ち勝って生き抜いていくというバイタリティや、今でも、好きな時に好きなものを食べたいだけ食べるという旺盛な食欲、生命力は育まれたかもしれませんが、一般人として最低限必要な社会常識には全く疎かったこまどり姉妹。
売れれば売れたで、姉妹の稼ぎを食い物にする悪い輩が群がり、それがまた新たな不幸を生んだようです。これは何もこまどり姉妹だけに限らず、例えば島倉千恵子や畠山みどりなど、この時代を生きた演歌歌手に数多く見受けられます。
こまどり姉妹 再デビューも今の芸能界からは忘れられた存在
こまどり姉妹の不幸は、彼女らが引退したのが、ちょうど芸能界や音楽業界が近代化し始める1970年代の初めだったということです。1970代以降、それなりに芸能界で継続して生きてこられたなら、今のようないびつな扱い方はされなかったはず。
こまどり姉妹は、確かに1983年に再デビューし、それなりの活動はしているものの、今の多くの人々にとっては、過去の栄光と悲惨を背負った、きもケバイおばあちゃんにしか見えないのです。
こまどり姉妹 「有吉反省会」出演の衝撃
つい先日、NTVテレビ「有吉大反省会」にこまどり姉妹が出演しました。こまどり姉妹の極貧生活や、刺傷事件、がんや借金などの話が、面白おかしく取り上げられていました。最近、貧乏や借金、スキャンダルや事業の失敗などを、本人自身を登場させて語らせ、笑いのネタにするという番組が大はやりです。
確かに芸能人にプライバシーはないし、そのスキャンダルですら、自ら売りとばすのが芸能人です。しかし、そういうことに免疫のない昔かたぎの歌手や芸人、はては一般人までを登場させて、笑いのネタにするのは、たかがテレビ、されどテレビとはいえ、下品が過ぎるように思います。現在のこまどり姉妹の活躍は、今の芸能界やテレビ業界とは一線を画しています。
彼女たちの人気を支えているのは、こまどり姉妹と同じように、戦後の厳しい環境の中、貧しいながらも懸命に生きてきた同世代の高齢者たちです。彼らが、今またこまどり姉妹の歌を聞き、当時の自分たちを懐かしんでいるのです。カラオケは、何も若者たちの文化だけではありません。
日本の歌謡界、音楽シーンは、新たな時代を迎えようとしています。テレビ東京ではすでに成功している番組がありますが、こまどり姉妹を始め、今の芸能界やテレビから忘れられた実力を持った歌手たちの歌番組こそ、今のテレビに求められているのではないでしょうか。