シルク・ドゥ・ソレイユ創設者ギー・ラリベルテの経歴、資産は?
シルク・ドゥ・ソレイユ創設者ギー・ラリベルテは大道芸人だった!経歴を紹介!
シルク・ドゥ・ソレイユ創設者ギー・ラリベルテは、1959年にカナダのケベック州モントリオールで生まれました。18歳でヨーロッパに旅立ち、ロンドンで1年間大道芸人として路上で活躍し、1979年に帰国。劇場プロデューサーとして働き始めたギー・ラリベルテは、後にシルク・ドゥ・ソレイユを共に立ち上げる2人の芸人と出会い、劇団クラブ・デ・タロン・オーを設立しました。
ギー・ラリベルテは、発掘した優秀な人材を育てつつ、色とりどりの衣装をまとって、ジャグリングや竹馬、火吹き、音楽芸を地元の祭りで披露。1984年に、ケベック州政府から文化奨励補助金の交付を受けて、シルク・ドゥ・ソレイユを創設しました。ギー・ラリベルテは、世界で初めて文化・芸術・アクロバットを融合させた動物を使わないアートサーカスを生み出し、子供だけではなく、知的な大人も対象とした芸術分野へとサーカスを引き上げました。創設当初こそ経済的に困窮していましたが、他のサーカスより入場料が高額であろうとも、カナダのみならず、米国を初めとする他地域に進出して大成功をおさめたのです。
シルク・ドゥ・ソレイユ創設者ギー・ラリベルテの起業ストーリー!資産は?
シルク・ドゥ・ソレイユ創設者ギー・ラリベルテは、1986年から起業家として才覚を発揮します。ギー・ラリベルテは、公演収益の上積み策として、シルク・ドゥ・ソレイユの中に別のショーを行う集団を作り、並行して複数ショーを各地で展開。これによって、企業から多額のスポンサー料やメディア契約金が入って来るようになると、ディズニーワールド「ラ・ヌーバ」や、ラスベガス「ミステール」など、特定の地でショーを継続開催する契約を結びました。
そのため、シルク・ドゥ・ソレイユの世界各地での人気は高騰し、日本にもディズニーに隣接する専用劇場をオープンし、年商は750億円に到達。ギー・ラリベルテは、シルク・ドゥ・ソレイユのCEO(最高経営責任者)として会社所有権95%に当たる資産1000億円を手にし、フォーブスの長者番付にランクインしました。2009年には世界7人目となる個人宇宙旅行も果たすという盛況ぶりでした。ところが2012年にはシルク・ドゥ・ソレイユが初の財政赤字を計上。ギー・ラリベルテは、2014年末に所有権の20~30%を売却するために投資家を募集すると発表しました。
シルク・ドゥ・ソレイユを買収した会社は?日本公演、演目は大丈夫?!
シルク・ドゥ・ソレイユを買収した会社は?ギー・ラリベルテ、所属アーティストたちは今……
シルク・ドゥ・ソレイユ買収のニュースが駆け巡ったのは2015年4月でした。買収した会社は、米テキサス州に本拠地を置く「TGP Capital LP」と、中国の「Fosun Capital Group」。そしてカナダの大規模年金基金団体の3社です。この3社が、どの程度シルク・ドゥ・ソレイユの所有権を買収したかは明らかになっていませんが、2014年末にギー・ラリベルテが言っていた20~30%を遥かに超えているのは間違いありません。
ギー・ラリベルテは、今後10%程度の権利を所有し、シルク・ドゥ・ソレイユのクリエイティブアドバイザーとして社内に残るという話から考えると、約90%は売り渡されてしまったと推察されます。シルク・ドゥ・ソレイユの経営陣や方針が一新されるとなると、アーティストたちはさぞ動揺していることでしょう。シルク・ドゥ・ソレイユが2007年~2012年のうち開幕させた14のショーのうち、5つが経営不振のあおりで早期閉幕に追いやられた経緯もありますし、今後の日本公演、演目への影響も心配されます。
シルク・ドゥ・ソレイユ、リストラや30年目の死亡事故!日本公演「トーテム」は大丈夫?
シルク・ドゥ・ソレイユは、2011年、日本のディズニーランドからも契約を打ち切られました。しかし、買収騒動の最中に開催されていた「オーヴォ」が、2015年6月7日に閉幕した後、日本公演があるのかないのかという日本ファンの心配事を一蹴するかのように、2016年2月3日から日本初上陸となる「トーテム」が予定通り開催されています。
企業買収については、日本人はあまりいい印象をもっていません。ところが欧米では「会社成長の手段」というポジティブなイメージが持たれているようです。シルク・ドゥ・ソレイユは、2012年の財政赤字転落以来、大幅なリストラや予算削減に追われていました。
それが祟ってか、渦中の2014年には30年の歴史以来初となる死亡事故が発生。ラスベガスの別のショーで起きた落下事故もあって、危機管理体制への問題点が浮き彫りになっている状態だったのです。動揺が心配されたアーティストたちは、不安よりむしろ「この転換期を経て、良い方向に進めばいい」と考えているといいます。「トーテム」が大成功のうちに閉幕すれば、今後の日本公演、演目にも期待できるのではないでしょうか。
シルク・ドゥ・ソレイユ日本再始動!ギー・ラリベルテの魂受け継ぐ「トーテム」がお台場で開幕!
シルク・ドゥ・ソレイユの買収騒動は世界中を驚かせましたが、2016年2月3日、世界中で300万人以上を魅了してきた「トーテム」が東京お台場で無事開幕しました。ラスベガスで「KA」を大ヒットさせたロベール・ルパージュによって、可動式ステージや、プロジェクションマッピングを駆使した創造された壮大な世界。生演奏と生歌、総数750着の衣装で彩られ、観客は全身に「トーテム」の驚きを浴びることになります。
まさにシルク・ドゥ・ソレイユが「世界最高峰」と呼ばれるに値する素晴らしいショー「トーテム」は、いまだギー・ラリベルテが経営権の多くを握っていた2010年に初演を迎えています。ギー・ラリベルテの「トーテム」に対する思い入れは特に強く、作中には、ギー・ラリベルテが宇宙旅行の際に宇宙から撮影した地球の写真も使用されています。シルク・ドゥ・ソレイユは、1つのショーでツアーで回りきると、決して再演しません。
今回、日本では、東京を皮切りに大阪・名古屋・福岡・仙台を巡演しますが、これを終えると、「トーテム」には日本では2度とお目にかかることはできないのです。シルク・ドゥ・ソレイユの創始者として、サーカスの概念を吹き飛ばす一級芸術を築き上げたギー・ラリベルテが、いつまで、どのような形でシルク・ドゥ・ソレイユのショーに関わっていくかは分かりません。そう考えると、彼の奇想天外な魂が詰まった「トーテム」は見逃すことはできないでしょう。