「あおざくら」は意外と知らない防衛大学校が舞台の青春漫画!過酷すぎるエピソードに読者もドン引き?

「あおざくら」は意外と知らない防衛大学校が舞台の青春漫画!

「あおざくら」は防衛大学校が舞台の青春漫画!

「あおざくら」は、正式なタイトルが「あおざくら 防衛大学校物語」となっていることからも分かるように、防衛大学校を舞台とした青春漫画です。2016年に、「週刊少年サンデー」にて連載が開始されましたが、設定の特異さが目を引き、当初から話題を集めました。

主人公の近藤勇美は筋金入りの勉強好き。高校でも優秀な成績を収め、進学を考えていましたが、実家の食堂の経営が厳しいことにより断念し、学費がかからず手当が支給される防衛大学校に進学することを決意します。同じ目標を持った同級生たちとの出会いの中、新たな一歩を踏み出した近藤でしたが、入校式を終えると上級生の態度は一変、厳しい指導が待っていました……。主人公の近藤は、頭が良く守銭奴というキャラクターです。

とはいえ、防衛大学校へは、金銭的な理由だけで入学したわけではなく、彼なりの自衛官になる覚悟や成長も描かれています。指導の厳しさを知ると、読者もへこたれそうになりますが、その分、仲間たちと困難に立ち向かう近藤たちの姿が眩しく感じられるはずです。

「あおざくら」の舞台、意外と知らない防衛大学校ってどんなところ?

「あおざくら」は、防衛省が設置した、自衛隊の幹部自衛官を育成する防衛大学校を舞台とした物語です。では、防衛大学校とは、どういった場所なのでしょうか?防衛大学校の在学期間は一般大学と同じ4年で、大学院に相当する専門的な研究科もあります。入学した時点で国家公務員扱いとなるため、入学試験ではなく、採用試験というのが正式呼称で、学費や入学費用はかかりません。

逆に、「学生手当」として毎月の給料をもらうことができます。「あおざくら」作中でも、近藤が受験を決めたのは、学費無料で給料がもらえるという条件があってのことでした。入校すると、敷地内の学舎で集団生活を送る他、体育会系部活(校友会)に入部することが必須など、さまざまな決まりが存在します。「あおざくら」で描写されている制度の中には一部廃止されているものもあるようですが、人命にかかわる職務に就くことが多いため、やはり規律はかなり厳しいようです。

「あおざくら」の過酷すぎるエピソードに読者もドン引き?

「あおざくら」に描かれる防衛大学校が過酷すぎる!

「あおざくら」の舞台となっている防衛大学校の思った以上に過酷な日常に衝撃を受けた読者も多いのではないでしょうか。特に、入校翌日は、近藤だけでなく読者も油断しきっているため、上級生たちの変貌ぶりは衝撃的です。テンポよく点呼に応えられなかった場合、連帯責任とされることから、上級生も含めた全員が腕立て伏せ。1年生だけではなく上級生も一糸乱れず腕立て伏せを行う姿は異様に映ります。

その他にも、入室時のルールが守れない時は何度でもやり直し。帽子をかぶる角度も厳密に決められているなど、何もそこまでと言いたくなる場面も少なくありません。理不尽とも取れる上級生の厳しさですが、それは、税金で勉強をし、いずれ国防を担うという自覚があるからこそ。一生懸命な彼らの姿を知ると、世界が平和であるようにと祈らずにはいられなくなります。

「あおざくら」は共感と応援必至!読者の感想と評価とは?

昨今は、厳しい指導や言動が「パワハラ」と騒がれることも多いですが、「あおざくら」で描かれる上級生たちの厳しい指導に賛否両論が起きるかと言えば、そうでもありません。読者の感想は、共感や応援する声のほうが圧倒的に多く、厳しさも受け入れられていることが分かります。共感する感想を詳細に見てみると、部活動の先輩や、会社の上司から、時に理不尽な指導を受ける自分の経験に、近藤たち1年生の姿を重ねることが多いようです。

子供が同年代という読者からは、我が子を見守るような気持ちで彼らの成長を楽しみにしているという感想も見られました。中には、元自衛官や、防衛大学校出身という読者もおり、自身の防衛大学校在学中の思い出と比較しているのも面白いところ。漫画らしく描写に誇張が入っているという指摘もありますが、さほど大きな違和感はないらしく、リアリティのある作品であることが伝わってきます。

「あおざくら」の防衛大OBエピソードもすごい

「あおざくら」は、防衛大学校に入校した主人公・近藤勇美を中心とした1年生の成長を描いた青春漫画です。あまり知られていない防衛大学校での日常はもちろんのこと、過酷すぎると言われる上級生の指導も見どころのひとつとなっています。実際に漫画を描いている作者や防衛大学校出身者はどのように考えているのでしょうか?2018年6月に、「あおざくら」作者の二階堂ヒカルと、防衛大学校出身で任官拒否をしてIT会社に就職、防衛大学校で学んだメソッドをビジネスに活用して人材育成などを行っている濱潟好古が対談を行いました。

二階堂ヒカルは、OBや家族から話を聞き、漫画制作に臨んでいますが、やはり過酷な日常を送っているという印象が強いようです。一方、在学中「ダメっ子」と呼ばれた出来の悪い生徒だったという濱潟好古は、部活動で11キロもカッター(訓練用ボート)を漕ぎ、尻の皮がむけたという衝撃的なエピソードを披露。しかし、厳しすぎる指導に対する否定的な意見は見られず、理不尽さや困難な状況の中、どうすればいいのか考えて行動することが大切なのだと語っています。

防衛大学校はただ勉強をする場ではなく、国防を担う自衛官を育てる重要な機関です。生命が脅かされる現場に立つこともあるため、行動しながら考えることや、仲間とフォローし合うことが絶対的に必要になってきます。「可愛い子には旅をさせよ」という言葉がありますが、人間が成長するには逆境が良いと語る濱潟好古は、それだけに、「あおざくら」を若手ビジネスマンに読んでほしいともコメント。

厳しいことが推奨されない空気が漂う中、それでも厳しさは必要なのだと突きつけてくる「あおざくら」。逆境に腐らず成長する近藤たちの姿は、一種の希望なのかもしれません。

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