チャールズ・チャップリンは稀代の喜劇王!天才名言集!
チャールズ・チャップリン、「小さな放浪者」から喜劇王、サーの称号を得るまで
チャールズ・チャップリンの波乱万丈の生涯と、無声映画時代からトーキーに至る喜劇映画の数々は、広く世界の人々の知るところです。窮屈な上着にだぶだぶのズボン。竹のステッキを振り回し、大きなドタ靴に山高帽をかぶった、ちょび髭の「小さな放浪者」の「チャーリー」。チャーリーは、やがて喜劇王となり、母国イギリスにおいてナイトの称号を与えられます。
この人こそ、20世紀が生んだ天才コメディアン、チャールズ・チャップリンです。チャールズ・チャップリンは、1889年イギリスに生まれ、1977年、88歳の時、スイスで亡くなっています。幼くして両親が離婚し、母に育てられたチャールズ・チャップリン。生活の困窮からか母は発狂し、別れた父もアルコール中毒で亡くなります。チャールズ・チャップリンは自らが、まさに「小さな放浪者」として悲惨な幼少期を過ごしますが、その類まれなコメディアンとしての才能と、映画の勃興期が重なり、無声映画のスターとなりました。
チャールズ・チャップリンの映画は、まさに「小さな放浪者」が、権力や金に抗いながら、ひたすら愛と自由を求めるものでした。圧倒的な人気を得たチャールズ・チャップリンは、母国イギリスから、自由の国アメリカ、そしてハリウッドで、その才能を如何なく発揮します。しかし、自由の国であったはずのアメリカで起こった、レッドパージ(冷戦下における共産主義者狩り)。チャールズ・チャップリンは、決して共産主義者ではありませんでしたが、その作風が反体制的であるとして、1952年に国外追放令を受け、やむなくスイスへと移住します。
チャールズ・チャップリンが再びアメリカの地を踏むのは1972年。アカデミー賞名誉賞に選ばれ、授賞式に出席したときでした。この時、授賞式会場の人々だけでなく、全てのアメリカ国民が、チャールズ・チャップリンを万雷の拍手で迎えたと伝えられています。
チャールズ・チャップリンの名言は、人生の処方箋
チャールズ・チャップリンの愛と自由を求め続けた真摯な生き方や言葉は、世界中の人々の共感を得ています。一番有名な言葉は、「人生を恐れてはいけない。人生に必要なものは、勇気と想像力。それとほんの少しのお金だ」。そして映画「殺人狂時代」での「一人殺せば悪党で、100万人だと英雄です。数が殺人を神聖にする」という、辛辣な戦争批判の台詞です。あくなき映画創作の思いを語ったチャールズ・チャップリンの名言「私の最高傑作は次回作だ」は、いくつになっても前向きに生きる勇気を、我々に与えてくれています。
チャールズ・チャップリンの身長は?妻、子供、孫は?オススメ映画はコレ!
チャールズ・チャップリンの、小さい体に秘められた女性への愛と歪み
チャールズ・チャップリンは、映画で「小さな放浪者」といわれていたように、165cmだったそうで、欧米人としては小柄でした。しかし、チャールズ・チャップリンの小さな体には、偉大な才能とパワーに満ち溢れていたようです。チャールズ・チャップリンは、その生涯で4度結婚し、3人の妻と六男五女の子供をもうけています。
その息子や娘、さらには孫たちもまた、多くが俳優になりました。妻となった女性は、15歳から25歳までの若い美人女性ばかり。残念ながら、家庭生活は誰とも長く続かなかったようです。チャールズ・チャップリンは、結婚というより、まるで自分の映画の主人公のように、穢れのない恋に憧れていただけかもしれません。
チャールズ・チャップリンの名作は、コレだ!
チャールズ・チャップリンは、多くのドタバタ喜劇で人気を博していました。チャールズ・チャップリンの出世作は、なんといっても、1921年、放浪者と捨て子の束の間のふれあいを描いた「キッド」でしょう。感動やペーソスの要素が加わった「キッド」は、従来の喜劇の常識を破り、大ヒットしました。
続けて、空腹で、靴の皮ひもをスパゲティに見立てて食べるシーンが有名な「黄金狂時代」。そしてサイレントの傑作「街の灯」と続き、資本主義社会の歪みや、ナチス、戦争など、20世紀の世相を徹底的に批判した「モダンタイムス」や「独裁者」「殺人狂時代」が、第二次世界大戦下につくられていきます。
そしてチャールズ・チャップリンの最高傑作というべき「ライムライト」が公開されたのが、1953年。「ライムライト」は、まるでチャールズ・チャップリン自身の栄光と挫折と、初老の男の見果てぬ夢、若い女性との叶わぬ恋であるかのように、哀愁たっぷりに描いています。
チャールズ・チャップリンだけでない、ハリウッドは現代を生きた偉人の伝記映画ブーム
チャールズ・チャップリンの波乱万丈の人生は、自伝に書かれ、1993年には、母国イギリスで、「チャーリー」というタイトルで映画化されています。監督は巨匠、リチャード・アッテンボロー。チャールズ・チャップリンには、今や「アイアンマン」で有名なハリウッドスター、ロバート・ダウニー・Jrが扮し、第46回英国アカデミー賞で主演男優賞を受賞しました。映画としては、チャールズ・チャップリンの存在が偉大過ぎたか、意外に凡庸だったようです。
しかし、チャップリンを演じたロバート・ダウニー・Jrは、チャールズ・チャップリンの仕草から表情、身のこなしまで、完璧なまでに演じ切っていました。ハリウッド映画では最近、過去の偉人ではなく、現代を生きた人々の伝記映画が、1つのジャンルとして確立されたようです。
例えば2005年に公開された「Ray」では、盲目の天才R&Bシンガー、レイ・チャールズに扮した、ジェイミー・フォックスが出色でした。彼はこの作品で、アカデミー主演男優賞を獲得しています。昨年は、スティーヴン・ホーキング博士を描いた「彼女と博士のセオリー」で、徐々に病に侵されていくホーキング博士の姿を、段階的にとてもリアルに表現した、エディ・レッドメインの演技が話題となりました。エディ・レッドメインはこの演技で、アカデミー賞主演男優賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞、英国アカデミー賞主演男優賞の3冠に輝いています。
そして今年大注目されているのが、「スティーブ・ジョブズ」です。監督は「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル。注目のスティーブ・ジョブズには、「それでも夜は明ける」のマイケル・ファスベンダーが扮し、熱演しています。いずれにせよ、チャールズ・チャップリンをはじめ偉人たちの伝記を映画化するには、制作スタッフや演じる俳優たちの、本人への対する並々ならぬリスペクトがないと成り立ちません。ハリウッドで、次に伝記映画になるのは一体誰でしょうか?!