江川達也の「忘却の涯て」は渾身の自伝漫画!最終回が唐突すぎた!

江川達也の「忘却の涯て」は渾身の自伝漫画!打ち切りの理由とは?

江川達也の「忘却の涯て」は渾身の自伝漫画だった?その意図はデジタルコンテンツとしての漫画?

代表作「まじかる☆タルるートくん」や「東京大学物語」などで知られる漫画家の江川達也。現在は、本業よりもむしろコメンテーターなどとして多く活動しており、「このおじさんは漫画家だったの?」と驚く若い人も多いかも知れません。その江川達也が、「渾身の人生最後の漫画」と銘打ち新連載を開始したのは2016年3月のこと。発表した新連載のタイトルは「忘却の涯て 16歳の自分への手紙」です。

しかも、従来のコミック雑誌掲載という枠にとらわれず、小学館「サンデーうぇぶり」というWeb媒体で連載するという意欲作でもありました。内容は、高校生・江川達也が漫画家を目指す姿を描いた自伝的漫画。とはいえ、高校生の江川達也の前に、すでにデビューを果たしている同姓同名の漫画家・江川達也が現れるなど、一筋縄ではいかない構成になっています。

「渾身の人生最後の漫画」と並々ならぬPRを打ち出した江川達也本人の弁によると、「忘却の涯て」には、「コミック誌で漫画を連載するというのは時代の流れにそぐわない」「デジタルコンテンツとしての漫画が登場してきてもいいのではないか」という意図があったようです。

要は、「時代の流れに逆行している漫画界で、時代にマッチした漫画を描くのはオレしかいない」ということでしょう。その思いが、「渾身」という言葉に凝縮されているのかもしれません。高らかに自分の理想をぶち上げた新連載。その幕切れは、全く予期しない形で唐突に訪れました。

江川達也の「忘却の涯て」が唐突に打ち切り!理由は作品の質の劣化にあった?

「渾身の人生最後の漫画」という鳴り物入りで登場した「忘却の涯て」は、本当に江川達也自身の最後の漫画作品になってしまうのか、それともデジタルコンテンツ展開にシフトしていくのかと注目を集めました。しかし、主人公が周囲から相手にされず、「なんだったんだ、今の刺すような目は」というモノローグの後に、「あああああ」という主人公の顔面アップで幕を閉じた第9話。その最後にひっそりと、「『忘却の涯て』は今回が更新終了となります。

作品の続きに関しては現在未定です」と、事実上の打ち切りのお知らせ文が!本人が打ち切り理由を語っていないため、詳細は不明のままです。一方、作品の感想を見ると、「心配になるほど絵が劣化している」「手抜きな絵に加えてストーリーの帰結が全然分からない」「描けないならそもそも連載を始めないで欲しい」などと散々。

とはいっても、代表作「東京大学物語」自体も、すべてはヒロイン遥の妄想だったという信じられないオチで終わるなど、江川達也作品を知る読者からすると、ある意味当然の結末だったのかも知れません。

江川達也の全盛期の力量!「君の名は。」批判の理由とは?

江川達也の全盛期はすさまじい力量だった!「まじかる☆タルるートくん」のヒットで8億円稼いだ?

今は漫画家としてはパッとしない江川達也ですが、全盛期は、「まじかる☆タルるートくん」や「東京大学物語」などのヒット作で名声を誇っていました。「BE FREE!」で鮮烈にデビューした頃は、すさまじい力量をファンに見せつけてもいます。アニメと漫画がミックスされたような絵柄に加えて、引き込まれそうになるテンションの高さ。そのハイレベルな画力とインパクトあふれる迫力に、読者は心をわしづかみにされたものです。

そして、「ドラえもんみたいなやつぐらい、パパッと描けます。速攻でアニメにできますよ」と言い放ち、反「ドラえもん」として生み出されたのが、「まじかる☆タルるートくん」でした。これが言葉通りに大ヒットし、ピーク時の印税だけで2億円は得たと伝えられるほど大儲け。本当にアニメ化を実現させ、グッズも大量に売れたため、アニメやゲームのキャラクター使用料なども合わせると、8億円稼いだとも伝えられています。

江川達也本人も、6000万円もする高級車と、6億円の豪邸を購入できたと明かしているほどです。しかしその後は、「日露戦争物語」が事実上打ち切られるなど、これといったヒット作がありませんでした。

江川達也は「君の名は。」批判で炎上!「プロ」目線での酷評が反感を招いた?

最近話題になるのはその毒舌ぶりばかりの江川達也。どんな名作漫画であっても遠慮会釈なく一刀両断というスタンスで、多方面からバッシングを浴びることも少なくありません。代表的な例が、映画「君の名は。」批判で引き起こした炎上騒ぎです。フジテレビ系情報番組「バイキング」にゲスト出演した際、江川達也は、興行収入200億円を超えるとも言われる大ヒット作となった同作を、「プロから見て全然面白くない。作家性が薄くて、売れる要素ばかりぶち込んでいる。言わば大人版ドラえもんみたいなもの」と徹底的に酷評しています。

どんな作品にも批判が伴うのは当然でしょうが、問題は、江川達也の語り口。「プロから見て」という言い方が、「上から目線」だと反感を招いた様子です。実際、批判コメントを見ると、「観客がプロなわけない」「観客が求める映画=プロが面白いと思う映画というわけではない」など、「プロ」目線への反感ばかり。しまいには「GANTZ」で有名な奥浩哉が「プロという言い方はしないで欲しい」とツイートするなど、同業者からも批判されることに。

もっとも、江川達也の毒舌は今に始まったことではありません。名作漫画「ドラえもん」を、「人の欲望を限りなく膨張させる最悪の漫画」と断じ、手塚治虫を「ダメな人間」と斬って捨てたりもしてきました。最近も、宮﨑駿アニメを、「プロから見て、エロとバイオレンスが巧妙に隠されている危ない作品」と、これまた「プロ」目線で酷評。相変わらず、「プロから見て」と、漫画家を代表するかのような語り口を続けています。

江川達也が「GTO」を「僕のデビュー作のパクリ」と指摘!作者の藤沢とおるはノウハウ盗みでアシスタントに来ていた?

コメンテーターとしてのタレント活動も多い江川達也が、バラエティ番組にゲスト出演した際に、大ヒット漫画「GTO」は自分のデビュー作品をパクったものだと指摘しました。「GTO」作者の藤沢とおるが、「かつて江川達也のアシスタントを3日ほどやって逃げたことがある」と週刊誌上で告白したことに触れ、「この話ホントですよ」とコメント。

続けて、「オレ、その当時売れてたんですよ。彼は産業スパイで漫画家のノウハウを盗みに来たんで、いろんなことを聞いてきましたよ」と振り返りました。さらに、「(『GTO』は)僕のデビュー作でヒットした『BE FREE!』のパクリなんですよ」と指摘。

たしかに、両作品には、学園に赴任した型破りキャラの教師の破天荒な活躍を描くという共通点があります。藤沢とおると会って「(『GTO』は)パクってたね」とズバリ尋ねたところ、本人も「(『BE FREE!』を)パクってました」とあっさり認めたそうです。しかし、「アシスタントだからOKだよね」と、おとがめなしに終わったとか。語り方から分かるように、半ば冗談のコメントと受け取るべきでしょうし、江川達也の大ヒット作「まじかる☆タルるートくん」自体も、もともと「ドラえもん」の設定をパクっていたといいますから、ことさらに取り上げる話でもないのでしょう。

彼が漫画家として一時代を築いた勝ち組であることは紛れもない事実です。本当に、「忘却の涯て」を最後に漫画界から退いてしまうのか、それとも、新たな形の漫画像を模索していくのか……炎上漫画家・江川達也からはまだ目が離せそうにありません。

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