「ゴールデンカムイ」の顔芸が面白い!?ネタバレ感想を公開!
「ゴールデンカムイ」登場人物たちの顔芸がすごいと話題に!
「ゴールデンカムイ」は、2014年からヤングジャンプ誌上で連載されている漫画です。日露戦争後の明治時代、妻の眼病を治すために、一獲千金を夢見て、北海道の地を踏んだ「不死身の杉元」こと杉元佐一を中心に話が進んでいきます。アイヌの少女アシリパや、坊主頭の脱獄囚白石由竹など、「ゴールデンカムイ」には、個性的な登場人物が登場します。
主人公、杉元の顔にある複数の傷も相当なもので、作中で熊の爪に傷をつけられ、「隠し包丁をいれられた焼きナスみたい」と評されていました。そんな杉元をはるかにしのぐ顔芸を見せているのが、アシリパ。個性的なアイヌ料理が登場するグルメ漫画の側面もある「ゴールデンカムイ」。アシリパは、食事のときなどに、女性キャラクターにあるまじき、可愛いといえば可愛いともいえなくはないという、絶妙にコミカルな表情を幾度も披露しています。そのため、「ゴールデンカムイ」の読者からは、三文芝居の顔芸と呼ばれ、笑いを誘っています。
「ゴールデンカムイ」明治期、極寒の北海道を舞台にした金塊争奪戦のネタバレ感想を公開!
「ゴールデンカムイ」は、明治期の北海道、アイヌの地から奪われた8万円……現代の価値では8億円相当の金塊をめぐる物語です。隠された金塊の手掛かりは、脱獄した網走刑務所の囚人に彫られた刺青にあり、同房の囚人たちを集めれば、暗号が分かる仕組みになっています。杉元とアシリパ以外にも、金塊に関わる勢力は多く、脱獄した囚人たちはもちろん、大日本帝国陸軍所属の第七師団、戦死していなかった銀髪顎鬚の老人・土方歳三も登場するなど、実にさまざまな人物、勢力の思惑が複雑に絡み合います。
「ゴールデンカムイ」6巻では、金塊を隠した男、通称「のっぺらぼう」が、アシリパの父ではないのか、と衝撃の事実が明かされました。物語の展開には勢いがあり、ギャグとシリアスとサスペンスが、ほどよいバランスで配分されています。「強い変態がとにかくたくさん出る」との感想もあり、個性が突き抜けている登場人物の魅力が、特に読者をひきつけるようです。
「ゴールデンカムイ」作者・野田サトルの性別は?インタビューは自信満々!?
「ゴールデンカムイ」バトル×ロマン×グルメの世界を描く作者野田サトルとは
「ゴールデンカムイ」の作者・野田サトルは、2003年にデビュー。23歳で上京し、久保ミツロウや国友やすゆきの下でアシスタントとして活動していました。2011年から2012年にかけて、アイスホッケー漫画「スピナマダラ!」の連載を開始し、2014年から「ゴールデンカムイ」の連載が始まりました。実は、野田サトルの出身は北海道。「ゴールデンカムイ」では、舞台が北海道であることから、アイヌの文化という非常にデリケートな題材を扱っています。
アイヌ文化の専門家にも、「よく文献や資料を調べている」と太鼓判を押されるほど、丁寧かつ細密な描写がなされている野田サトルの「ゴールデンカムイ」。また「強いアイヌを描いてくれ」との言葉も受けたという野田サトルは、迫害と偏見の歴史があるアイヌ文化をあえて漫画の題材に選ぶことで、綿密な取材と真摯な姿勢をもって、表現の可能性の追求に臨んでいるのです。
「ゴールデンカムイ」作者は自信家?ウケないわけがない自信作!
「ゴールデンカムイ」は、1巻と2巻が2カ月連続で発売されるという、珍しい形式がとられました。2カ月同時発売のメリットは、読者がストレスなく読め、店頭に長い期間置いてもらえること。連載開始当時も、アンケート結果などは聞いていたものの、覚えていなかったと語る野田サトル。自身が面白いと感じている要素を、これでもかと詰め込んでいるのが「ゴールデンカムイ」なのだから、ウケないわけがないと、相当な自信をもって描いていたようです。
しかし、「このマンガがすごい!2016オトコ編」では、九井諒子の「ダンジョン飯」に次いでの2位。このことを相当悔しがっている野田サトルは、柔道に例えて、今の複雑な心境を語っています。作品をもっともっと面白くしようと意欲的な野田サトルは、作品を盛り上げるのに不可欠な要素として、単なる悪役ではなく、「複雑な変態」の存在を挙げて、キャラクター作成に熱意を注いでいます。
「ゴールデンカムイ」マンガ大賞2016受賞!で、勢いが止まらない!!
「ゴールデンカムイ」は、友達に勧めたくなる漫画をコンセプトにした「マンガ大賞」の2016年、第9回の大賞を受賞しました。過去には、「乙嫁語り」「3月のライオン」、映画が大ヒットした「テルマエ・ロマエ」や「ちはやふる」などの有名作品が並ぶ大賞受賞作に、負けずとも劣らない、今、最も旬で面白い漫画といえる「ゴールデンカムイ」。野田サトルが本作を描くきっかけとなった人物である、野田サトルの曾祖父は、日露戦争に出兵経験があり、屯田兵でもありました。その時の体験談から着想を得た野田サトルは、他にもいろいろな要素を詰め込んだと語っています。
それは北海道の歴史であったり、アイヌの文化であったり、好きな映画の表現であったり。たくさんの要素を取り込んで、昇華させたものが漫画「ゴールデンカムイ」として表現されているのです。もちろん、リアルな描写は、綿密な取材なしに表現できるものではありません。アイヌ文化の取材のほかにも、囚人たちが収容されていた網走や、読者に大好評の料理、鹿や熊肉のほか、穴熊の脳や目玉も実際に食べ、漫画の描写に活かしているそうです。
おいしそうな料理と、派手なアクション、そして絶妙なタイミングでさしはさまれるギャグパート。読後感よく、何度でも読んでほしいと作者が心血を注ぐ「ゴールデンカムイ」。コミックスは現在7巻まで刊行され、連載は現在も続いています。野田サトル曰く、コミカル成分はそのままに、登場人物の変態成分はさらに増量されているとのこと。人に説明するのは少し難しいですが、「ゴールデンカムイ」は、まずは「読め!」と強く勧めることができる作品です。