服部隆之がテーマ曲を手がけたドラマは?ガンダムの主題歌も作曲!

服部隆之がテーマ曲を手がけたドラマは?ガンダムの主題歌も作曲!

服部隆之が手がけた、日本の映画・ドラマ・アニメ音楽の全容

服部隆之は、成蹊高等学校を2年で中退し、フランス・パリのコンセルヴァトワール、パリ国立高等音楽院和声科、対位法科に入学し同院を修了後、1988年に帰国。90年代後半より、映画や人気ドラマのテーマ曲を数多く手がけます。

テレビドラマでは、フジテレビの「王様のレストラン」や、「HERO」、「のだめカンタービレ」。TBSでは、「華麗なる一族」から「下町ロケット」へとつづく一連の重厚なドラマ、そしてNHKでは、今年の大河ドラマ「真田丸」など、数えればきりがありません。また、「ラヂオの時間」や「電車男」、「HERO」などの映画音楽、「機動戦艦ナデシコ」や「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」などのアニメ主題歌やゲーム音楽、さらにはさまざまなアーティストの楽曲の編曲もこなす天才です。服部隆之が手掛けた映画やテレビドラマ、そしてアニメの楽曲を聞いたことがない人はいないのではないでしょうか。

服部隆之に脈々と受け継がれた、祖父良一、父克久の天才的な音楽の才能

服部隆之は、1966年生まれの50歳。芸能人ではないので、一般にはあまり知られていませんが、服部隆之は、まさに奇跡だといえるでしょう。人とは不思議なもので、ひとりひとりは全く違う存在でありながら、親から受け継がれるDNAは普遍です。受け継がれたDNAを大切に、さらに後天的な環境を整えることで、秀でた技能や才能として受け継いできた一族が少なからず存在します。そして受け継がれてきたものは、人類文明の偉大な宝となっているのです。そしてここにも、親子三代にわたって日本の音楽をけん引してきた一族がいます。服部良一、服部克久、そして服部隆之の音楽一家です。

服部隆之は父・服部克久を超えた?!祖父、娘、従弟と芸術一家!

服部隆之の祖父、服部良一は日本歌謡界の首領。父・克久はテレビ音楽の父

祖父の服部良一から、父・服部克久、そして服部隆之と続く音楽の歴史を振り返ってみましょう。祖父・服部良一は、芸事好きな大阪商人の息子として生まれ、音楽好きが高じて、1926年、大阪フィルハーモニック・オーケストラに入団します。時はモボ・モガの大正ロマンの文化が花開いた時代。服部良一は、正式に音楽の基礎を学び、クラシックやジャズ音楽を身につけていきます。

そしてコロンビアレコードの専属作曲家となって、戦中・戦後の流行歌を数多く作曲。中でも「東京ブギウギ」や「蒼い山脈」「銀座カンカン娘」などは、日本の戦後復興を奏でるシンボルとなりました。その後、服部良一は亡くなるまで、日本歌謡界の重鎮として君臨します。

その息子、1936生まれの服部克久は、幼い頃から音楽の英才教育を施され、成蹊高等学校からパリ国立高等音楽院に留学。帰国後は、テレビ創成期の音楽を一手に引き受け、今のテレビテーマ曲やアニメ音楽の基礎を築きます。例えば、TBS「ザ・ベストテン」のテーマ曲や、フジテレビ「ママとあそぼう!ピンポンパン」の音楽など、その活動は多岐にわたりました。そして服部克久の長男服部隆之は今、映画やドラマのテーマ曲を中心に活躍しています。

服部隆之を取り巻く、天才音楽一族

服部隆之の娘・服部百音は、すでにヴァイオリニストとして有名です。さらに、大叔母の服部富子は、宝塚出身で、従弟の服部有吉は、バレエダンサーとして活動しています。服部一族に限らず、才能というものは、生まれながらのDNAだけでなく、その才能を生かす十分な教育があってこそ花開くということなのでしょう。

服部隆之が作曲したNHK大河ドラマ「真田丸」、驚きの作曲法

服部隆之は、今年のNHK大河ドラマ「真田丸」のテーマ曲も担当しています。ヴァイオリンソロを基調にした楽曲が話題となっていますが、服部隆之は、今回のテーマ曲の制作にあたってヴァイオリンをフューチャーしたのは、主人公・真田信繁(幸村)のキャラクターと、ヴァイオリンの持つ特有のスピード感や高揚感、そして土着感を感じさせるワイルドなイメージが重なったからだと語っています。

徳川家康の前に立ちはだかった真田幸村の機動力や泥臭さ、そして孤高の厳しさを表現できるのはヴァイオリンのソロしかないと思い至ったそうです。単にメロディを作るのではなく、物語や主人公のキャラクターを熟考し、そのイメージに合った楽器を選ぶという服部隆之の作曲法は、凡人に思いもよらない発想ですね。

服部隆之はまた、劇伴と呼ばれるドラマ音楽についても、ただ音をつけるだけでは音楽の輝きを失わせるからと、ドラマという総合芸術の中での調味料として、劇伴のさじ加減がいかに大事かを大いに説いています。天才はただ天才にあらず。およそあらゆる文化というものは、天才が生み出す芸術にその時代の人々の共感が合ってこそといえます。服部隆之だけでなく、服部一族はこれからも、日本の音楽の歴史とともに歩み続けることでしょう。

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