池波正太郎は稀代のグルメ道楽だった!絶品レシピを大公開!

池波正太郎は稀代のグルメ道楽だった!絶品レシピを大公開!

池波正太郎は文人屈指の食通だった

池波正太郎は、代表作「鬼平犯科帳」「剣客商売」「真田太平記」などで知られる優れた時代小説家です。しかし、また別の一面も持っていました。最近は、箸の持ち方も怪しい芸人やタレントが、老舗の料理も屋台の食べ物も一緒くたに、ただ、「うまい、うまい」を連発するだけで興ざめです。

しかし、かつて、このグルメリポートを務めていたのは、作家や評論家などそれなりの文化人たちでした。繊細な料理の味わいや、店の格式、また料理にまつわるさまざまなエピソードが、エッセイなどに記されることによって、読者は、その店に入るための最低限の知識やマナーを学んだものです。食通で知られる文人には、グルメの元祖ともいうべき北大路魯山人や、宰相吉田茂の息子で英文学者の吉田健一、作家の壇一雄や、開高健がいます。

そして、もうひとり。人気時代劇作家の池波正太郎も、食通で知られた文人でした。池波正太郎の作品では、登場人物だけでなく、当時の人々が実際に食べたであろう料理や食べ物が、いきいきと描かれています。

池波正太郎の「鬼平犯科帳」は江戸時代の旨いものでいっぱい

池波正太郎が鬼平犯科帳で描いた料理については、「池波正太郎鬼平料理長」他、数冊のアンソロジー本まで出ています。この中から、いかにも旨そうな料理の一節をご紹介しましょう。平蔵と密偵たちが集まる「五鉄」の、軍鶏の臓物鍋です。

「新鮮な臓物を、初夏のころから出まわる新牛蒡のササガキといっしょに、出汁で煮ながら食べる。熱いのを、ふうふういいながら汗をぬぐいぬぐい食べるのは、夏の快味であった」。「鬼平犯科帳」だけでなく、池波正太郎の各人気作品に登場する料理の描写は、どれも秀逸で、読めば必ず食べたくなるものばかりです。

池波正太郎のおすすめグルメエッセイ!食にまつわる名言とは?

池波正太郎は食べ方やマナーにもうるさい生粋の江戸っ子

池波正太郎には、食に関するエッセイ集が数冊あります。たとえば、「食卓の憧憬」や「散歩のとき何か食べたくなって」「むかしの味」などです。他のエッセイの中でも、食について書かれたものが、数多くあります。また、料理や店だけでなく、食べ方のマナーや、店での振る舞い方を記した「男の作法」といったエッセイも。池波正太郎は、決してぶったところない人ですが、男が酒を飲み食いすること、また女性とつきあうことに、粋を求め、野暮を嫌った、生粋の江戸っ子でした。

だからこそ、食に関する一家言は痛快です。「たまにはうんといい肉でぜいたくなことをやってみないと、本当のすきやきのおいしさとか、肉のうま味というのが味わえない」と豪快にぶちあげたかと思えば、「てんぷら屋に行くときは腹をすかして行って、親の敵にでもあったように揚げるそばからかぶりつくようにして食べなきゃ」と指南。まさに、プリンシプルの一言に尽きます。

池波正太郎の食とは一味違った人生の名言

池波正太郎が世の中や人の人生について語る言葉は、ただ是非を正すのではなく、深い愛情と鋭い洞察がある点で心に響きます。「人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。善事をおこないつつ、知らないうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らずに善事をたのしむ。これが人間だわさ」。この言葉は、「鬼平犯科帳」第二巻、「谷中・いろは茶屋」で、長谷川平蔵が部下の木村忠吾を優しく諭す言葉です。このように、代表作「鬼平犯科帳」では、長谷川平蔵を借りて語られる、池波正太郎の珠玉の言葉に溢れています。

池波正太郎も草葉の陰でビックリ!「鬼平犯科帳」が初のアニメ化で「鬼平」とは?!

「鬼平犯科帳」が誕生して来年で50周年。放映局は未定ですが、いよいよ「鬼平犯科帳」のアニメ版「鬼平」が、2017年1月より放送されます。主人公の長谷川平蔵を務める声優は、ブラット・ピットの吹き替えで知られる堀内賢雄です。彼は「たくさんの人に『鬼平犯科帳』の魅力を感じていただけるように心を込めて魂を吹き込みます」とコメントしています。

また、女密偵・おまさには、「鋼の錬金術師」エドワード・エルリック役の朴璐美が、平蔵の息子の辰蔵には、「ハイキュー!!」の及川徹役だった浪川大輔が抜擢されました。制作プロデューサーは、映画「時をかける少女」「サマーウォーズ」などを手掛けた、スタジオM2の丸山正雄が担当。

監督・キャラクターデザインは、「BUZZER BEATER」「ルパン三世 GREEN vs RED」の宮繁之が務めます。このたび、若くてイケメンかつスタイリッシュな長谷川平蔵のキャラクターデザインが公開されるなど、アニメ界では、早くも話題の作品となっている「鬼平」。

「鬼平犯科帳」は、1993年より、すでに、さいとうたかおによって劇画化され、人気コミックとなっていますが、アニメ「鬼平」によって、これまで原作を読んだことがない若い人たちにも知れ渡るようになるでしょう。アニメで知った人が、「鬼平犯科帳」の原作を読むことで、江戸情緒に親しむ機会が少しでも増えれば、池波正太郎にとっては、作者名利に尽きるに違いありません。

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