湊かなえのおすすめ作品「告白」「高校入試」感想あらすじ・ネタバレ!

湊かなえのおすすめ作品「告白」「高校入試」感想あらすじ・ネタバレ!

湊かなえの大ヒット作を映画化 松たか子主演「告白」ネタバレと感想

2009年「第6回本屋大賞」を受賞した湊かなえの『告白』。2010年には松たか子主演で映画化され、日本映画興行収入第7位を記録しました。「愛美は死にました」。最初から最後まで貫かれた松たか子の感情を抑えた淡々とした演技。

その松たか子が唯一映画の中で地べたに四つん這いになって感情を露わにするシーンがあるのですが、この時のどこの誰にもぶつけられない「無念さ」は、最後まで読まないと分からない活字の世界では表現できない、ラストが分かっている映画だからこそ表現できた「映像の醍醐味」でもあります。

ちなみに松たか子演じる教師が、生徒に復讐を果たす最期のシーンの「な~んてね」というセリフは原作にはありません。丁寧な言葉が冷淡さを、無表情な演技が恐怖感をあおる映画『告白』。松たか子の狂気に満ちた演技が光ります。

湊かなえがシナリオを担当「高校入試」あらすじ・感想!

長澤まさみ主演で2012年10月よりフジテレビ系で放映されたドラマ『高校入試』。300万部を超える大ベストセラー小説となった『告白』の作者・湊かなえが、ドラマ「高校入試」のために脚本を書き下ろしました。

舞台は進学校で有名な県立高校。その学校の入試が、何者かの仕業で妨害されてしまいます。「犯人は誰なのか?そして入試妨害の目的とは何なのか?」タイトルの『高校入試』そのままに、その学校の入試前日と当日の出来事を主人公の女教師の目線で描くミステリードラマです。

放映当時は「先がなかなか読めない」とネット上でも話題になりました。後にこの脚本はノベル化もされましたが、作者の湊かなえは、過去に高校の非常勤講師をしていた時期があるので、この学園ミステリーもその時の経験が大いに生かされている気がします。非常勤講師という立場はある意味、常勤の高校教師とは違った距離感、視点で学校内を見つめることができたのではないでしょうか。

湊かなえの結婚や子供は?高校や大学、性格は?

湊かなえの出身高校と大学 結婚や子供は?

作家・湊かなえは1973年生まれ。広島市因島市の出身です。尾道市立因北小学校、因北中学校、広島県立因島高校を経て、武庫川女子大学の家政学部を卒業しました。大学を卒業後、一旦アパレルメーカーに就職しますが、子供の頃に森村桂の『天国にいちばん近い島』に感銘を受けていた湊かなえ。

「自分の南の島を見つけたい!」その一途な思いで仕事を辞め、青年協力隊の隊員として1996年から98年までの二年間、トンガ王国に二年間赴任しました。そして帰国後に結婚。2007年に「聖職者」で小説推理新人賞を受賞して、作家デビューとなりました。湊かなえの小説家になったモチベーションは「このまま主婦として、平凡な毎日を送っていて良いモノだろうか。何も残らない人生でいいのだろうか」こんなやるせない思いだったようです。

プライベートはあまり公表してないようですが「日頃は専業主婦で育児と執筆を両立させている」という本人談から、旦那さんや子供とごく普通に家庭生活を営んでいる様子が分かりますね。

湊かなえ、実際の性格はどうなの?

話題作になった映画『告白』や『白ゆき姫殺人事件』、ドラマ『Nのために』など、読者の意表を突くような問題作を次々と発表してきたミステリー作家・湊かなえ。だからといって作家本人の性格が冷淡であるとか、悪意に満ちているということは全くありません。もともと狂気にしても悪意にしても、人間であれば多かれ少なかれ必ず持ち合わせている感情であり、逆にそれがあるからこそ人は人に優しくなれるものです。

ただ、作家という職業には「第三者の目」という客観的に物事を判断する力が必要不可欠になります。湊かなえのように、人間の心に深く入り込み、訴えかける作品を次々と発表できるということは、強い感受性を持ち、人間洞察力に非常に優れた性格の女性なのではないでしょうか。

湊かなえの本音 大ヒット作「告白」を代表作から消したい!

主人公の一人称で事件の真相が語られる、タイトルそのままの小説『告白』は、復讐を主題としたことから社会現象にもなり、300万部を超える大ベストセラーとなりました。それも、小説推理新人賞受賞後の新人作家が、処女作で大ホームランをかっ飛ばしてしまったのですから、「次はそれを超える作品を」彼女に掛かるプレッシャーたるや、常人の想像を遥かに超えるものだった思います。

しかしながら、湊かなえはそのプレッシャーを見事に跳ね返します。日本推理作家協会賞に輝き、小泉今日子主演でドラマ化された『贖罪』、榮倉奈々主演の『Nのために』、鈴木京香主演の『夜行観覧車』などの話題作を次々と発表。しかし、ここまでヒットを飛ばしても、世間は「湊かなえの代表作は『告白』」としか評価してくれません。本人もそれが一番不満なようで「将来は、代表作から『告白』を消したい!」と切に願っています。

また、後に出した『少女』『贖罪』が共に『告白』同様、一人称の語り口で書かれていることに関して、ネット上で「湊かなえは一人称でしか作品を書けない。本当に才能があるのか」などのバッシングを受けているようです。ミステリーにおける叙述表現や余りにも突飛なトリックに付いていけなかった読者をミステリーファンにさせたのは、湊かなえの書いた『告白』があればこそ。

『高校入試』にしてもそうですが、分かりやすい文体で読者の心をつかんだのは、湊かなえという作家の功績が非常に大きいと感じます。逆に肯定的な意見しか出ないというのは、所詮可もなく不可もない、平凡な作品に過ぎないということではないでしょうか。

否定的な意見をエールに、湊かなえにはこれからも面白い作品を生み出して欲しいものです。そして将来、ぜひとも『告白』を超える大傑作を!期待しています!

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