森和俊は小胞体ストレス応答を解明した研究者!ノーベル賞候補選出で話題に

森和俊がノーベル賞候補となった研究内容は?小胞体ストレス応答とは


森和俊のプロフィール
◆生年月日:1958年7月7日
◆出身:岡山県
◆出身大学:京都大学薬学部
◆生命科学ブレイクスルー賞受賞(2018年)

森和俊がノーベル医学生理学賞候補に!

森和俊(もりかずとし)は。新型コロナウイルス感染拡大の影響でリモート形式の開催となった2020年のノーベル賞で、受賞者候補の一人として注目を集めた生物学者です。

ノーベル賞の医学生理学賞候補に名が挙がった森和俊は、小胞体ストレス応答の研究で世界的にその名を知られることになりました。

森和俊が解明した小胞体ストレス応答でがん治療が前進

森和俊が研究している小胞体ストレス応答は、がんや糖尿病、パーキンソン病に大きな影響を与える異常なたんぱく質の蓄積を防ぐ仕組みです。

細胞内で作られる不良なたんぱく質の処理を解明したもので、細胞表面からの情報伝達だけでなく、細胞内小器官や細胞の中の区画同士の間でもコミュニケーションを取り、細胞の中にある小胞体でたんぱく質の異常を修復するセンサーの役目を果たす「IRE1」を発見しました。

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森和俊の剣道の腕前が一流!普段はよきパパ?京都大学教授までの道のり

森和俊が剣道の講師を始めたきっかけは?

森和俊は生物学者として、岐阜薬科大学薬学部助手、テキサス大学博士研究員、エイチ・エス・ピー研究所主任研究員、京都大学大学院生命科学研究科助教授などを歴任。一方で剣道が特技というアクティブな一面も持っています。

京都大学時代は剣道部に所属し、平成10年には5段に昇格。現在は太秦少年柔剣道愛好会の部長として、毎週小中学生を指導しているのだそう。剣道5段の免状を手にした後はしばらく竹刀を握る機会がなかったそうですが、平成14年から再び剣道を始めたのは、息子の小学校入学がきっかけだったといいます。

息子を含めた小学生の初心者剣士を相手にボランティアで指導するようになり、娘の誕生を機にマイホームを購入したと自身の研究室のWebページで自己紹介する森和俊。家庭では、子供を愛するよきパパであることが伺えます。

森和俊の経歴、生物学者を志したきっかけとは?

森和俊は1958年7月7日生まれ、岡山県倉敷市出身です。小学生の頃から理数系が得意だった彼は当時読んだ戦争漫画にも影響を受け、科学者になろうと決意。ノーベル賞を受賞した湯川秀樹、朝永振一郎が学んだ京都大学理学部を目指します。

しかし、現在も日本トップクラスの難易度と言われる京大理学部の壁は高く、合格のボーダーラインにあった森和俊は確実に合格するため、京都大学の工学部合成化学科に進路を変更。現役で合格し、晴れて京大生となります。

そんな森和俊が生物学の道へ進んだのは1年の時、後にノーベル生理学・医学賞を受賞する利根川進の海外での活躍を知ったことがきっかけでした。高校時代まで生物が大嫌いだったという森和俊ですが、志願者7名のうちただ一人合格し、2年から薬学部製薬化学科へ移り、1981年に卒業しています。

京大卒業後は大学院の修士課程も修め、1987年に同大の薬学博士となった森和俊。しかし自身の思い描く研究ができず、壁にぶつかります。その理由が自身の能力によるものか、あるいは環境によるものなのかを見極めるため、森和俊は助手として働いていた岐阜薬科大学を辞職して渡米。アメリカのテキサス大学博士で研究員として4年間勤務し、ここで生涯の研究テーマとなるUPR(Unfolded Protein. Response:小胞体ストレス応答)と出会います。

テキサス大学での研究で成功を収め、世界最高峰の学術誌とされる「Cell(セル)」に論文が掲載されるなど実績を得た森和俊は帰国し、1995年に京都で新たに創設されたHSP研究所の主任研究員に着任。京都大学大学院生命科学研究科助教授を経て、2003年11月に同大学院の理学研究科教授に就任しました。

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森和俊が文化功労者を受賞

森和俊は残念ながら2020年のノーベル賞受賞はなりませんでしたが、2005年にワイリー賞を受賞して生物学者として世界から注目を集めました。

2009年にはガードナー国際賞、2015年にはトムソン・ロイター引用栄誉賞、2016年には日本学士院賞・恩賜賞などこれまでに数多くの賞を受賞。

その社会貢献が認められて2010年に紫綬褒章受賞の栄誉に輝き、2018年には文化功労者も受賞しました。

森和俊のノーベル賞候補選出が株式市場にも影響

森和俊がノーベル賞の候補に挙がったことは、株式市場でも注目を集めました。ノーベル賞の候補に挙がった研究につながる関連企業の銘柄は、例年上昇する傾向にあります。

ノーベル賞の候補に森和俊の名前が挙がったことで注目された関連銘柄は、IPS細胞を使ったパーキンソン病の治療で京都大学と提携している4978リプロセル、6340澁谷工業。また、アメリカの企業と小胞体ストレス応答を調節する治療薬に関して提携契約を結んでいる4503アステラス製薬への注目度もアップ。

「ノーベル賞まであと一歩」と評されるほど人間の身体に関わる偉大な研究を続ける森和俊。日本の医学進展に多大な足跡を残した研究者として、その名が刻まれることは間違いないでしょう。

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