荻野真の「孔雀王」は映画も話題に!若くして死去した理由とは?

荻野真は「孔雀王」のヒットで人気漫画家に


荻野真のプロフィール
◆職業:漫画家
◆生年月日:1959年5月26日
◆死没:2019年4月29日
◆出身:岐阜県
◆代表作:孔雀王(1980~1989年)

荻野真は「週刊ヤングジャンプ」でデビューした漫画家!

荻野真(おぎのまこと)は、1985年にデビューした漫画家です。

青年向け漫画を手掛ける漫画家として「週刊ヤングジャンプ」で連載された「孔雀王」でデビューし、同作で「集英社青年漫画大賞」を受賞しました。

政岡としや、もりたじゅん、釋英勝といった漫画家のアシスタントをして業界での経験を積み、必死の努力と熱意で漫画家デビューを掴み取った荻野真。

デビュー作「孔雀王」は異例の大ヒットとなり、将来を嘱望される大型新人漫画家として注目されました。

荻野真の「孔雀王」シリーズはアニメや実写映画化でも人気

荻野真の代表作は、大ヒットしたデビュー作「孔雀王」でしょう。同作は、続編「孔雀王 -退魔聖伝-」も発刊され、シリーズものとして人気を集めました。

しかし、シリーズ第3部となる「孔雀王 -曲神紀-(まがりがみき)」は、編集社との方針の違い等により、予告無しの連載打ち切りが決定。12巻が続巻無しの完全完結巻となり、「週刊ヤングジャンプ」からも追放されてしまいますが、その後「孔雀王 -ライジング-」として、「月刊スピリッツ」で2012年5月号から7年間にわたり連載されました。

「孔雀王」シリーズの主人公である「孔雀」の13才の頃を描いた「孔雀王 -ライジング-」は好評で、2012年には「孔雀」が戦国時代に転生した「孔雀王 -戦国転生-」が隔月刊コミック誌「戦国武将列伝」で連載をスタートするなど、長編シリーズとなりました。

また、「孔雀王」は日本・香港合作で実写映画化。三上博史の主演で1988年12月に公開され、注目されました。同作の続編として1990年2月に公開された「孔雀王アシュラ伝説」では阿部寛が主演。前作で緒方拳が演じた慈空には勝新太郎がキャスティングされ、話題作を呼びました。

「孔雀王」は実写映画と同時期にOVAとして3本のアニメも制作されており、名実共に荻野真の代表作と言えます。

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荻野真は両親に漫画家になることを反対されていた?プロフィールを紹介!

荻野真は理系大学出身のエリート?

荻野真は1959年5月26日生まれ、岐阜県出身です。

岐阜県立恵那高校を卒業後、名古屋大学理学部に進学。国公立の名門大学に進んだ荻野真ですが、在学中に所属していた漫画研究会の同人誌仲間が次々と大手出版社との契約が決まるなか漫画家としての芽は出ず、勉強も遅れがちに。やがて大学を中退し、独力で漫画家として生きる道を模索することになります。

荻野真の両親は大変厳格で、漫画家になることを反対されていたとも言われています。荻野真がアシスタントをしていた漫画家・もりたじゅんによると、一家中が教師の家系だということですから、大学を中退してまで漫画家になることを両親が大賛成したとは考えにくいでしょう。

荻野真の作品を一挙紹介!プロフィールまとめ

中退してしまったとはいえ、名門大学の理学部に合格した経歴を持つ荻野真は、その明晰な頭脳を漫画家として発揮。代表作である「孔雀王」をはじめ、魅力ある作品たちがプロフィールを彩っています。

当時はまだ目新しかったPCを題材とした「ALGO!」や「小類人(ちゃいるど)」と言ったSF漫画は、荻野真自身も子供の頃から好きなジャンルだったとか。

また、「拳銃神」は中学生時代に荻野真が唯一ハマった少年漫画「荒野の少年イサム」のオマージュで、懐かしいガンマン物語となっています。

他にも、「暁星伝奇・真魚」「夜叉鴉」、港町人情ドラマを描いた「おぼこ」、ゴスロリとヤンキーをMIXした「怨霊侍」、自分の息子の受験問題をきっかけに着想した歴史漫画「15の春」や、「おぼこ」を釣り漫画にリニューアルした「サルビアの海」などがあります。

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荻野真の作風は?

荻野真は「孔雀王」に見られるように、密教や神道をモチーフとした青年向けのオカルト風アクションという独特の作風で人気を集めました。

宗教という難易度が高い題材をアクションと上手く結びつけた独自の世界観は、漫画界においてひとつの道を創ったと言っても過言ではないでしょう。

しかし、独特な作風ゆえに、荻野真の作品は好みが分かれ、「難解だ」「意味がわからん」等と酷評する声も。こうした評価により、予告無しの連載中止という憂き目にも遭う困難もありました。

荻野真が若くして亡くなってしまった理由とは?

荻野真の人生において、連載中止は些細なことだと思えるほど、彼を真から苦しめたのは病だったのかもしれません。

「拳銃神」の連載1年前に遺伝的な体質から心臓病を発病した荻野真は、連載中に病状が悪化していきます。2回の入院と手術を経て、リハビリをしながら仕事を続けますが、2015年末に心不全による腹水が影響し、肺梗塞、肝硬変、急性ヘルニア、多臓器不全を一度に発症。翌2016年1月末の退院時には、体重が小学4年生の子供に匹敵する29kgまで減ってしまいます。

その後も入退院を繰り返す生活が続いた荻野真は2019年4月29日、腎不全により享年59才でこの世を去りました。荻野真の息子は父の逝去にあたり、2018年9月から重度の多臓器不全で病状が悪化し、入退院を繰り返していたことを明かしています。

荻野真は入院中にも関わらず連載中の漫画のネームや下書きを終え、「拳銃神」の連載を全て完結させたといいます。ペン入れこそできなかったものの、息子は「これは正真正銘、父の作品だ」と語っています。また、連載を完結した後も、次の物語を創作する熱意を最期まで失わなかったとも語っています。

徐々に衰えていく自分と向き合い、弱気になるよりも物語への熱い思いを最期まで貫いた漫画家・荻野真。彼の遺した作品は、これからもファンの胸の中で生き続けることでしょう。

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