桂文枝、「新婚さんいらっしゃい!」とともに45年
桂文枝の「新婚さんいらっしゃい!」がアニメコミックに
桂文枝が司会を務める、ABC・テレビ朝日系列のトーク番組「新婚さんいらっしゃい!」が、放送45周年を記念してコミック化されることになりました。
「新婚さんいらっしゃい!」にこれまで出演してきた4000組以上の夫婦たちをモデルにしたオリジナルのマンガで、月刊誌「JOUR すてきな主婦たち」の6月号より連載が開始されるとともに、電子コミックの配信がスタートします。この大長寿番組の司会を務める上方落語の重鎮、桂文枝師匠とは一体どんな人なのでしょうか。
桂文枝は、上方落語のエリート
桂文枝。1943年生まれ、71歳。2003年、上方落語協会6代目会長に就任。2011年には桂文枝を襲名。人間国宝であった桂米朝師匠亡き後、桂文枝は、名実ともに上方落語界の大看板です。
団塊世代でもある彼は、上方落語に新風を起こします。関西大学時代に落語研究会を創部して初代会長となった彼は、在学中に桂小文枝(後の5代目文枝)に入門し、桂三枝として、1960年代後半から現在に至るまで、常に芸能界の第一線で活躍し続けてきました。その前期は、大阪色豊かな数々の人気番組司会者として、そして後期は、故桂米朝師匠とともに、上方落語のより発展をめざして。
桂文枝、お笑いアイドルから上方落語の大看板へ
桂文枝は、元祖お笑いアイドル
デビュー当時は、今のジャニーズの人気者以上に、落語出身のアイドルタレントとして爆発的な人気を誇っていました。戦後、存亡の危機を迎えていた上方落語をめざす若者も激増。タレント化の批判もありましたが、彼の存在があったからこそ、現在の笑福亭釣瓶や明石屋さんまが登場することができたのです。明石屋さんまがよく話題にするのは、桂文枝、当時三枝が司会をして人気だったMBSの公開バラエティ「ヤングおー!おー」で、月亭八方、林家小染、桂文珍、桂きん枝の4人が、ザ・パンダを結成。これに当時まだ新人だった明石屋さんまが加わってゲームなどをするのですが、彼らがあまり好き勝手にやるもので、文枝は一番年下の明石屋さんまを毎回楽屋に呼びつけ、「どういうこっちゃ!」とよく叱ったとか。話し半分にしろ、絶対的人気を誇っていた文枝にとって、明石屋さんまの登場はやはり脅威であったのかもしれません。先代の文枝には、三枝をはじめ、きん枝、文珍など多くの弟子がいましたが、文枝もまた20人近くの弟子を育てています。これが文枝一門。最近では「世界のナベアツ」で人気となった、タレント渡邊鐘の入門が話題となりました。
桂文枝、目指せ創作落語300作
桂文枝は、独自の創作落語に取り組み、芸術祭大賞を受賞した「ゴルフ夜明け前」や「読書の時間」「宿題」など、生涯300作の創作をめざしているとか。また彼の尽力に負うところが多い、落語の定席寄席である天満天神繁盛亭も、落語好きのファンたちで大繁盛しています。そして桂文枝自身、今もなお全国各地での独演会や東西落語に大忙しの毎日。5月22日には名古屋で春風亭小朝と東西名人会を、6月30日には天満天神繁盛亭、7月4日は福井、7月30日は京都で、それぞれ独演会を開きます。チケットは4、5000円程度。ご覧になりたい方はチケットガイドでお問い合わせください。
桂文枝が過ごした大阪市難波ってどんなとこ
桂文枝が過ごした大阪市難波は、ミナミと呼ばれる町
大阪市の難波は、通称ミナミと呼ばれ、まさに全国のみなさんがイメージする大阪の町です。あのグリコの看板がある道頓堀が東西の通りなら、その道頓堀と南北にクロスする通りが千日前通り。その一番南に、吉本興業のホームグラウンドなんばグランド花月があります。さらにそれに連なって南に、東京で言うなら、上野のかっぱ橋道具街のような千日前道具屋筋商店街があります。東京と同様、ここ最近は、多くの外人観光客が訪れ、様々な食器や食品サンプルのおみやげが大人気となっています。
千日前道具屋筋商店街では、毎年10月初旬に「道具屋筋まつり」を開催しています。この祭りの一環として、修学旅行生徒に「あきんど体験」として、商店街各店で実際に、お店の接客・業務などを体験してもらう体験学習が大好評。2000年に始まって以来、毎年50校の受け入れ枠に全国の学校から申し込みが殺到しています。ほとんどのお店はお正月とお盆の数日以外は無休ですが、一部のお店は、火曜などを定休日にしています。商店街のHPなどで前もってご確認ください。お店は、朝9時頃から夕方6時頃まで開いています。
桂文枝が過ごした大阪市難波は、ふぐの町
この道頓堀や千日前には、昔ながらのうまいもん屋が軒を連ねています。中でも大阪ミナミは、ふぐ鍋の「てっちり」、フグ刺しの「てっさ」の激戦区。老舗からニューウェーブ、超高級店からリーズブナルなお店まで様々です。道頓堀には、大きなふぐの看板で有名な「づぼらや」がありますし、高級寿司店や割烹なら、大抵ふぐを扱っていてはずれもありませんが、大阪人なら、ふぐ専門店としての伝統を誇る、創業90年余りの「黒門浜藤」か、千日前、黒門市場に店を構える創業60年以上の「太政」の、2大老舗店をおすすめするのではないでしょうか。しかし、ふぐを食べるなら、やはり寒い冬に温(ぬく)い座敷で食べるのが一番。あと半年は我慢してください。