正代は新十両に昇進しても超ネガティブ!「気がちっちゃくて弱気」

正代は新十両に昇進しても超ネガティブ!「気がちっちゃくて弱気」

正代 10場所で新十両のスピード出世 小学1年で「半ば無理やり」通い始めた相撲

大相撲で新十両に昇進したばかりの新鋭力士・正代(しょうだい)。1991年11月5日生まれの24歳。熊本県宇土市出身、時津風部屋所属で、本名は正代直也です。血液型はA型。身長182cm、体重148kgと、上背こそ恵まれたほうではありませんが、次世代を担うホープとしては十分な体つき。2014年3月春場所で初土俵を踏み、今年7月に10場所で新十両昇進のスピード出世、9月秋場所でも11勝4敗で勝ち越しし、正代は、今、将来を期待されています。

しかし、この正代、外見からは分かりませんが、実は超ネガティブなことで知られています。師匠の時津風親方(元幕内・時津海)に言わせると「何をするにもマイナス思考」だそうです。もともと、相撲界には自分から好きこのんで飛び込んだわけではありませんでした。正代が小学校1年生のころ、公園で相撲を取って遊んでいたところ、地元の少年相撲クラブの監督に「半ば無理やり」スカウトされて相撲道場に通い始めたことがスタート。

正代は、その後順調に、小学5年生でわんぱく相撲の全国大会に出場し、中学2年生で交代選手として全中の団体優勝メンバーを経て、熊本農業高3年で国体相撲少年の部優勝という成果を挙げてきました。ここまでくると、もう本人も周囲に相撲やめるとは言い出せなくなったことでしょう。

東京農業大2年で学生横綱、3年次には全日本相撲選手権大会の決勝に進出するも、後の幕内・遠藤となる遠藤聖大に阻まれてアマチュア横綱のタイトル獲得は成りませんでした。しかし、この活躍が評価され、正代は、大学の先輩でもある時津風親方の部屋に入門します。小学1年で「半ば無理やり」スカウトされたのが相撲界入りにつながるのですから、本当に人生とは分からないものです。

正代 十両昇進記者会見で親方にいじられる小心ぶり 「しこ名は変えるつもりはない」と本名に愛着

時津風親方いわく「気がちっちゃくて弱気。負けたらどうしようとばかり考えている」という極度のマイナス思考の正代。その言葉に嘘いつわりはないようで、十両昇進の記者会見でも緊張しっぱなし。前夜はなかなか眠れなかったといい「勝ち越しを決めた相撲より緊張しているかもしれない」と、正代が何度も汗をぬぐう姿が見られました。

正代は、本場所では初日1週間前から、吐き気から食事も満足に取れなくなるほどのあがり症。「場所中の稽古は緊張で放心状態。四股(しこ)を踏めと言っても聞いてない」と同席した時津風親方からもいじられるほどです。しかし、「しこ名は変えるつもりはない」と本名に愛着を見せ、正代は、単なる小心キャラではないところも見せました。

十両昇進後の9月秋場所では11勝を挙げているのですから、やはり素質は非凡なものがある正代。あとは、勝負師にはかなり珍しい気弱な精神面を克服すれば、将来を期待できる大器でしょう。しかし、このマイナス思考ぶりで愛すべきキャラ立ちしているのですから、それでいいのかもしれませんね。

正代は国産学生力士(国体優勝、学生横綱)!モンゴルの厚い壁に風穴があく?

正代 国体優勝や学生横綱の経歴 遠藤と因縁の対戦?

外国出身の力士勢に席巻される大相撲において、純国産の学生出身力士として大きな期待が寄せられる正代。熊本農業高校3年時に国体相撲少年の部で優勝、東京農業大2年で学生横綱という輝かしいアマチュア時代の経歴を持っています。実は、この学生横綱になった時点で大相撲の幕下15枚目格付出の資格を取得したものの、大学卒業を優先したため、1年の有効期間のある資格を失効してしまった正代。

これが原因で、大相撲入り後は前相撲からの土俵スタートとなります。大学3年では全日本相撲選手権大会決勝進出を果たしましたが、ここで立ちはだかったのが遠藤聖大。遠藤に敗れてアマチュア横綱タイトルを獲得できず、4年でも幕下付出の資格を得る主要タイトル獲得にはいたりませんでした。

その因縁の関係だった遠藤と正代の対戦成績は2勝2敗と互角。その後、追手風部屋入りし、今や相撲界のホープとなった幕内・遠藤。その話題を振られても「たぶん、向こうは何とも思っていない」と苦笑した正代ですが、これからの遠藤との「因縁の対戦」には十分な期待をしてよいでしょう。

正代 次代のホープの一角に モンゴル勢との対戦はいつ?

現在の相撲界では、白鵬、鶴竜、日馬富士といったモンゴル出身の強者が上位を独占しているのが現状。その厚い壁に風穴を開ける日本人力士がなかなか現れないため、その現状に嘆き、憤る相撲ファンの声が多く聞かれます。前述の遠藤や千代鳳、高安など期待の日本人力士も次代のホープに名前が挙がりますが、ここへ来て正代もホープの一角として大きな期待が寄せられつつあります。

右四つと寄りを得意技とする正代は、決まり手の3割以上が得意の寄り切り。あとは、極度のあがり症を克服することと、横綱、大関ら三役との対戦で経験を積めば、本当に今後が楽しみです。正代自身も「いけるところまで番付を上げたい」というどん欲さを持っているので、モンゴル勢の壁に風穴が開く日もそう遠い日ではないと期待できます。本場所での、正代とモンゴル上位陣との対戦が待たれます。

正代 2大関に鍛えられ「死んだと思った」 実は努力家?

静岡で行われた大相撲秋巡業では、豪栄道と稀勢の里の2大関から徹底的にしごかれた正代。まず、豪栄道から指名され、14番連続で相撲を取った正代でしたが、いずれもあっさりとひねられ完敗。

このあとのぶつかり稽古の胸出し役が稀勢の里に交替。砂まみれになりながらも大関に果敢に挑み続け、最後にようやく大関を一押し。観客の声援を受けながらの10分間のぶつかり稽古を終え、「だいぶ、自分のためになったと思います。徐々に自力をつけていって、できれば(大関と)取るところまで行きたいですけど……」と一息つきながらも前向きなコメントを出した正代。

稽古相手が稀勢の里に替わった際には「死んだと思った」と気の小さい正代らしさを見せながらも、「経験しなければいけないことだと思っていた。覚悟しました」と力士としての自覚も十分。十両昇進の記者会見では「十両で対戦したい力士は?」という質問に「全然ない。できればみんなと当たりたくない」と答えて、時津風親方から「バカじゃないの?」とツッコミを入れられた正代ですが、そこはやはり進歩の跡がみられます。

幕下15枚目格付け出し資格を得ながらも、大学卒業優先で前相撲からスタートしたことに「下積みをしていって、少しずつ力をつけられた。逆によかった」と語るなど、決していわゆる「ネガティブ」ではなく、正代は、下積みの大事さを知る努力家の面を感じさせます。今後は、モンゴル勢を中心とする上位勢の壁を破り、そこへ割って入るくらいの勢いを見せてほしいですね。相撲界の次代を担うホープとして、正代の活躍に期待しましょう。

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