逸ノ城の素質を見抜いたのは貴乃花親方だった!現在までの成績は?
逸ノ城の素質を見抜いたのは貴乃花親方!湊部屋へ入門した経緯は?
湊部屋唯一の幕内力士で、2018年夏場所現在の位は関脇の逸ノ城駿(いちのじょうたかし)は、1993年4月7日生まれで、故郷は、モンゴル国アルヘンガイ県。本名は、アルタンホヤギーン・イチンノロブ。四股名は、本名の「イチ」と逸材の「逸」、日本の母校「鳥取城北高校」の「城」を取り「逸ノ城」としました。
逸ノ城は、貴乃花部屋の貴ノ岩と故郷の町が近く、高校時代から仲良しです。大相撲の親方衆は、新弟子を探しに日本各地の高校の相撲部を見学するほか、モンゴルやその他の国に飛んで、素質のある若者を探す努力を常にしています。優勝22回を誇る平成の大横綱・貴乃花親方も、高校相撲部で見た貴ノ岩の素質を買っていました。そしてもう1人、貴乃花親方の目に止まったのが逸ノ城です。
しかし、外国人の新弟子は1部屋に1人という決まりがあるため、貴乃花親方は貴ノ岩を選びました。
元湊富士の湊親方は、貴乃花親方の「これは逸材だ」という言葉を聞き、逸ノ城を湊部屋に入門させることを決めたと言います。その期待に応えた逸ノ城は、史上最速のスピード出世で関脇まで駆け上がりました。
TBS「情熱大陸」に湊親方が出演した際、叱る時は厳しく叱ると語っています。逸ノ城が、横綱・日馬富士に一方的に負けた時にも「何だよあれ?全く力出てないだろお前」と叱責しましたが、素直に指導を聞いた逸ノ城は、一つ一つの課題を克服。突き押しを訓練し、筋トレもして、強くなることにより貪欲になったように見えました。
現在、逸ノ城は、湊部屋で若手力士の指導・育成もしています。逸ノ城もまだ十分に若手力士ですが、自分が活躍して湊部屋を大きくしたいという目標があるからです。湊親方も、逸ノ城を必ず横綱にすることが自身の使命だと語っています。
逸ノ城の高校時代から現在までの成績!
白鵬や鶴竜の両横綱など、モンゴル出身の力士は何人もいますが、遊牧民出身の力士は逸ノ城が初めてです。モンゴルの大草原で羊や馬と暮らし、季節によって移住するという生活を幼い頃から経験してきた逸ノ城。小さい頃から10リットルの水を2つ天秤棒で担ぐなど、モンゴルの大自然でナチュラルパワーを培ってきました。
2010年に、鳥取城北高校相撲部の石浦外喜義監督にスカウトされたことから来日。モンゴルと日本の生活習慣や文化の違いに苦労しましたが、猛稽古をして強くなり、大会で5つのタイトルを獲得し、2013年には、全日本実業団相撲選手権で堂々の優勝を遂げました。
こうして、大相撲幕内15枚目格付の資格を取得し、2014年1月に初土俵を踏んだ逸ノ城。初土俵を白星で飾り、6勝1敗の好成績で幕下3枚目に上がると、6勝1敗で十両昇進します。「関取」と呼ばれるようになった十両でも11勝4敗の好成績。翌場所に13勝2敗の十両優勝を遂げ、幕内に昇進します。
新入幕となった逸ノ城は、桁外れな強さで連戦連勝!新入幕力士が1横綱・2大関に勝ったのは、大相撲の長い歴史の中で史上初の快挙です。最終的に13勝2敗の準優勝で、殊勲賞・敢闘賞を受賞した逸ノ城は、「怪物」の名をほしいままにしました。
関脇に昇進した逸ノ城は、「今年中に大関になるだろう」と言われていましたが、その後の成績は奮わず、勝ち越しと負け越しを繰り返します。その後も悪い成績は続き、いつしか「昔怪物今ただの人」とまで言われてしまった逸ノ城。しかし、2017年の九州場所からは、10勝5敗、10勝5敗、9勝6敗と好成績が続き、2018年夏場所には、関脇に返り咲きました。
逸ノ城が白鵬から初金星を上げた場所は?有吉弘行が大ファン?!
逸ノ城が白鵬から初金星を上げた場所は?
逸ノ城と横綱・白鵬は、これまで何度も対戦していますが、やはり優勝40回という前人未到の大記録を誇る白鵬には、そう簡単には勝てません。その白鵬が、2018年夏場所前の稽古で、逸ノ城を褒めました。最初に逸ノ城と稽古し、その後に、他の力士と稽古した白鵬は、記者から感触を尋ねると、「逸ノ城が強くてガソリンが切れた」と苦笑。逸ノ城との稽古で息切れして、その後は稽古にならなかったようです。
逸ノ城と白鵬の初顔合わせは、2014年の秋場所でした。新入幕・逸ノ城の位は前頭10枚目なので、普通は横綱とは当たりません。しかし、逸ノ城が優勝争いできるほどの白星街道を走っていたため、大関・横綱との対戦が組まれます。その勢いのまま、大関・豪栄道を一方的な相撲で土俵下まで吹き飛ばし、横綱・鶴竜にも勝ってしまった逸ノ城に対し、最後に立ちはだかったのが白鵬でした。白鵬はさすがの強さで、逸ノ城の巨体を上手出し投げで転がしました。
ドラマが起きたのは、2015年の夏場所初日です。逸ノ城は、立ち合い後すぐに小手投げ気味の突き落としで白鵬に快勝。初めて大横綱・白鵬を破り大金星を勝ち取りました。とはいえ、その後は一度も勝てておらず、白鵬が連勝しています。
印象的な一番は、2015年の名古屋場所。白鵬が寄り切りで破りましたが、土俵際で全く粘ることもなく簡単に足を割ってしまった逸ノ城。白鵬は、モンゴルの先輩として不甲斐なく思ったのか、「何をやってるんだ!」と言わんばかりに、逸ノ城の顔を思い切り突き押す仕草を見せました。
勝負が決まった後に手を出すのは反則ですが、あえて気合を入れたのでしょう。
逸ノ城は2018年春場所までに、白鵬に対する1回の金星のほかに、稀勢の里に2回、鶴竜に1回、日馬富士に2回と、計6個の金星を勝ち取っています。不調の時でも金星を挙げ、横綱たちからすると逸ノ城は、成績が悪い時でも怖い存在に違いありません。
逸ノ城ネタが大好物の有吉弘行!実は大ファン?!
逸ノ城の話題は、芸能界でも取り上げられています。特に有吉弘行は、逸ノ城ネタが大好物のようです。新入幕で1横綱・2大関を破り怪物と呼ばれた逸ノ城がよほど印象に残ったのか、ラジオで語りまくりです。「演歌歌手みたいな名前だけど、逸ノ城駿は怪物ですね。
嫌いな食べ物はカレーライス」と紹介。「みんな大好きなカレーライスを嫌いなんだよ。ほかに嫌いなものは、歌」と続けます。「これがモンスターのモンスターたるゆえんですね。趣味聞いたらビビるよ」と前振りし、「日刊スポーツによるとだけどね。趣味、相撲」と爆笑。「底が見えない逸ノ城でございます」とまとめました。
さらに、横綱・大鵬が活躍していた昭和の時代、子供が好きなものは「巨人、大鵬、卵焼き」だったと話した、「逸ノ城は巨体で強くて卵焼きみたいな顔してるから、ひとり巨人、大鵬、卵焼き」と言いたい放題。その一方で、自身のツイッターでは、逸ノ城からもらったサインをアップしています。
逸ノ城が2018年夏場所で8勝7敗!自己最重量225キロでも強かった!
2018年夏場所、関脇・逸ノ城の体重は自身最重量の225キロと、現役力士の中で最重量を記録しました。ちなみに史上最高は小錦の275キロです。
225キロでも俊敏な逸ノ城は、初日から4連勝で快進撃を続け、解説の北の富士に「優勝の可能性もある」と言わしめました。しかし4連勝の後4連敗後、逸ノ城に悪い癖が出ます。簡単に諦めて土俵を割る脆さが目立ち、225キロの重さを生かし切れません。
7勝6敗で向かえた14日目に、横綱・白鵬と対戦。立ち合い後すぐに白鵬が上手を取りましたが、白鵬の上手を切った逸ノ城が逆に上手を取り、豪快な上手投げで白鵬から金星をあげて両国国技館に座布団が舞いました。
最後の最後にファンの期待に応えた逸ノ城。千秋楽は、小結・御嶽海に押し出しで負けて8勝7敗と課題を残した夏場所でしたが、あの白鵬に一方的な相撲で圧勝した一番には、「怪物復活」の兆しを感じました。夏場所は、鶴竜が14勝1敗で5回目の優勝。栃ノ心は13勝2敗で大関昇進が確定しました。逸ノ城は、225キロから生み出す桁外れのパワーで、「大関昇進」と「初優勝」という大きな目標に驀進中です。