津村マミ漫画「コタローは1人暮らし」が話題!コタローには衝撃の過去が…

2019年4月25日 更新

津村マミ漫画「コタローは1人暮らし」が話題!コタローには衝撃の過去が

津村マミ漫画「コタローは1人暮らし」あらすじ!訳あり4歳児の1人暮らしが話題に

津村マミ漫画「コタローは1人暮らし」は、小学館「ビックコミックスぺリオール」に、2015年7号より連載されている作品です。4歳児が1人暮らしをするという特異な設定で話題を呼んでいる本作。「アパートの清水」に引っ越してきた古風な言葉遣いの少年、さとうコタローが1人暮らしをする日常を、コミカルに描きます。

4歳のコタローは、だれが見ても子供。しかし、周囲の心配をよそに、年齢からは想像もできない驚異的な生活能力を発揮して、コタローは立派に1人暮らしをしていきます。コタローと同じアパートに住むのは、漫画家の卵の狩野や、キャバ嬢のみづきなど、個性的な大人たち。しっかりした子供と残念な大人たちの、年齢が逆転するような関係性も、どこか温かく感じられる「コタローは1人暮らし」を読めば、ほっこりすること間違いなしです。

津村マミ漫画「コタローは1人暮らし」4歳児コタローの衝撃の過去とは?ネタバレ!

津村マミ漫画「コタローは1人暮らし」は、現代を舞台にしながら「4歳児が1人暮らしをする」という、現実ではあり得ない設定が見どころです。物語が進むにつれ、コタローの抱える事情が、徐々に明らかにされていきます。ギャグやコメディ漫画では、設定が後付けされたり、なかったことになったりしがちです。

しかし、「コタローは1人暮らし」では、なぜ1人暮らしをしているのかもしっかり描かれています。コタローは、DVをする父親から逃れるため、さまざまな場所を転々としています。1人暮らしをする以前は、児童養護施設にいましたが、父親が乱入してきたことがきっかけで、清水アパートに住むことになりました。家族に恵まれなくとも家族を想うコタローと、両親の代わりをしようと奮闘するアパートの住人の温かさには自然と涙がこぼれます。

津村マミは「コンビニの清水」で漫画家デビュー!あらすじネタバレ!

津村マミ漫画家デビュー作「コンビニの清水」あらすじ!人々が交差するコンビニ物語

津村マミは、「ビッグコミックスペリオール新人コミックオーディション」で受賞し、漫画家デビューをしました。漫画家デビュー作となるのが「コンビニの清水」です。コミックス既刊は全1巻で、2014年6月30日に発売されました。日本各地に点在するコンビニエンスストア……日本のどこにでもある1つのコンビニ店舗で物語は始まります。コンビニを創業し、オーナーとして「コンビニの清水」を切り盛りする謎の老夫婦、清水夫妻。

接客態度は決してよいとはいえないこのコンビニに、なぜか吸い込まれるように悩みを抱えた人々が訪れます。コンビニ店員である老夫婦のコミカルな動きで笑いを誘いつつ、客の悩みを、その自然体の接客でほぐしていく様子を読むにつれ、読者も、気持ちが軽くなっていることに気が付きます。津村マミの「コンビニの清水」は、さまざまな人が訪れるコンビニならではのヒューマンドラマが見どころです。

津村マミ「コンビニの清水」はコメディ?ヒューマンドラマ?ネタバレ

津村マミ「コンビニの清水」は、老人を描くのが得手だという津村マミの、得意分野が詰まった作品だといえます。コンビニを訪れる人々の悩みを解消するきっかけを与えていく清水夫妻。亀の甲より年の功とは言いますが、夫妻の最大の武器は、その自然体です。お客さんもろともハエを叩こうとしたり、年齢制限のある本を買おうとする青年に「自信を持て」と説教をはじめたり……。

お客さんの容姿について失礼なことを言う店員など、現実のコンビニではあり得ないでしょう。しかし、清水夫妻が自然体だからこそ、悩みを抱えた人の気持ちを動かす言葉が、相手の心にもしっかりと届くのかもしれません。レジ打ちが遅いなど、傍若無人さが気になるコンビニではありますが、ちょっと立ち寄りたくなってしまう、津村マミの「コンビニの清水」には、そんな人を惹きつける力があります。

津村マミ「コタローは1人暮らし」は2016年傑作漫画!コタローが愛おしくなる!

津村マミ「コタローは1人暮らし」は、くすりと笑える日常の中に、逃れることができない過去や、さまざまな事情を描いています。コタローのしっかりとした部分を際立たせているアパートの住人たちのダメさ加減は、作者が意図したもの。しかし、社会的にはダメではあるけれども、気持ちは温かい大人たちがコタローを見守っているという構図に、読者は、どこか安心します。コタローが1人暮らしをする様子は物珍しく、あまりにもしっかりしているので、「コタローは特別な子供なのだろう」と納得してしまいがちです。

しかし、コタローは、同年代の子供よりも、出来ることを増やすことを余儀なくされた子供。子供らしさを残しながらも、子供でいることができなかったコタローは、離れて暮らさなければならない家族に想いを馳せながら、毎日を生きていきます。コタローは、殿さま言葉を話し、少し古風な面がありますが、そんな言葉づかいになったきっかけは、母親が、殿さま言葉を話す「とのさまん」の真似をしたら笑ってくれたからでした。

その時の体験が、現在のコタローを形づくるものになっています。とはいえ、コタローが無表情な理由は、成育歴とは全く関係がなく、これもまた作者の津村マミが意図したものです。普通の子供は、喜怒哀楽が一目瞭然。しかし、コタローは、子供離れした子供という設定であるため、豊かな表情という子供らしさがそがれています。

とはいっても、気持ちが豊かでないわけではないので、心の中にある喜怒哀楽は、行動やしぐさで表現されることに。自分にできる精いっぱいのことをして、まっすぐに生きるしっかり者のコタローと、彼を見守る心優しき人たちとの物語。時折見せる子供らしいコタローのかわいらしさに、メロメロになること間違いなしです。

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