若狭勝と小池百合子の関係!自民党除名覚悟で支援した理由とは?
若狭勝は小池百合子ジャンヌ・ダルクを救うジル・ド・レ男爵か?!
若狭勝(わかさまさる)は、自民党所属の衆議院議員です。先の東京都知事選で、自民党に反旗を翻し、たった独り小池百合子の応援に立った衆議院議員として、一気にその名が知られることになりました。英雄となったヒロインを補佐する影の立役者とは、何やらジャンヌ・ダルクとジル・ド・レ男爵の関係を彷彿とさせるようでもあります。
ジャンヌ・ダルクとは、フランスとイギリスの百年戦争に忽然と現れ、フランスの「救国の英雄」となった「オルレアンの乙女」。そして、ジャンヌ・ダルクの戦いを補佐したのが、ジル・ド・レ男爵でした。しかし、その晩年は、2人ともに異端の疑いをかけられ、非業の最期を遂げています。
……フランス史を持ち出すほどではないにしろ、2016年8月に行われた都知事選では、小池百合子が当選し、都民の喝さいが上がりました。若狭勝の英断にも、拍手を送った都民は少なからずいたことでしょう。自民党公認を受けずに立候補した小池百合子に、当初は、党からの除名も辞さない自民党でしたが、選挙民の圧倒的支持を得たために、形式上の訓戒を行ったのみにとどまりました。とはいえ、小池百合子都知事と、党・党都議会とは、厳しい緊張状態にあり、問題は山積しています。
若狭勝が考える議員としての可能性
若狭勝はかねてから、法律家は、現行法律の枠内で物事を考え、問題解決せざるを得ないけれど、議員は、問題解決に必要であれば、新しい法律を制定・修正していく、自由な実践が行えると考えていました。しかし、国会レベルでは、この実践もなかなか難しいのが現実です。そこに、降ってわいたような今回の都知事選。若狭勝は、小池百合子知事の実行力と都民の支持があれば、自分が考える、議員としての仕事が実現できると考えたのではないでしょうか。
若狭勝の弁護士経歴と学歴!議員としての評判は?
若狭勝は下町出身の熱血検事だった!
若狭勝は、1956年生まれの59歳。東京の葛飾区に生まれ、足立区育ちという根っからの下町っ子です。父親は、タクシー運転手を経た町工場の従業員でした。都立高校を卒業後、中央大学へ進んだ若狭勝は、1983年、晴れて東京地検の検事となりました。
その生い立ちからして、庶民派で正義感の強い人物と思われる若狭勝ですが、2009年に検事を退官すると、ヤメ検弁護士として働くだけでなく、テレビのコメンテーターとして活躍、知名度を得るようになります。そして2014年の衆議院議員選挙で、自民党より比例東京ブロック単独で立候補し、初当選を果たしたのです。
若狭勝が小池百合子を応援した深謀遠慮とは?
若狭勝が、今回の都知事選で、たった独り自民党に反旗を翻し、小池百合子の応援に立った理由は、一般にあまり理解されていません。しかしそれは、法律家となり、議員となって以来、自分が社会的に実現できること、できないことを、ずっと考えてきたからだったのではないでしょうか。
正直なところ、若狭勝にあったのは、小池百合子を助けるという義侠心だけでなく、自分が理想とする政治と政策の実現を視野に入れた深謀遠慮を描いているのかもしれません。小池百合子の圧倒的勝利により、自民党本部も若狭勝に下手な処分を下すことができなくなりました。その結果、9月6日には、二階俊博自民党幹事長が若狭勝と会談を行い、厳重注意処分をするにとどまっています。若狭勝は会談後、「たいへん厳しいお叱りを受けた」と、してやったりの笑顔でした。
若狭勝は一転、衆議院東京都比例ブロックから衆議院東京10区補欠の鞍替え選挙へ
若狭勝を巡る戦況は、早くも第2ラウンドへ。小池百合子の東京都知事選当選に伴う、衆議院東京10区補欠選挙で、自民党は、若狭勝の比例区からの出馬を公認する方針を固めています。若狭勝は、今回の都知事選で、一陣笠議員の地位から、発言や動向が注目される議員へと、確実にステップアップしました。若狭勝は、小池新党を視野に入れた、豊洲の移転問題に端を発する東京都動乱の中で、さて、どう動くのでしょうか。
しかし現状へと目をやると、豊洲の地下空間問題が勃発し、責任の所在をめぐって、すでに紛糾混乱。これが、利権問題につながれば、都議会自体が維持できなくなることは目に見えています。かといって、すでに建屋まで建設されてしまった豊洲を放棄するわけにはいかず、結局、その責任は、めぐりめぐって、小池百合子都知事の元に戻ってくるでしょう。ここでこそ、若狭勝の真価が発揮されるはずです。
若狭勝は、弁護士時代、企業の煩雑なコンプライアンス問題にも精通していたといいます。早急かつ現実的な政策案を都議会に通すことで、まず、この豊洲移転問題に決着をつけることが第一です。逆に一番危惧されるのは、問題が一向に解決されず、旧来の体制をひっくり返した小池百合子都知事と若狭勝議員が再び批判の的となって、事がうやむやになってしまうこと。まさに異端者として葬られた、ジャンヌ・ダルクとジル・ド・レ男爵のように。伏魔殿の都政にも、1つぐらい痛快な物語が語り継がれるよう、2人には期待したいものです。