八木景子は映画監督!さまざまな国で秘境を旅した過去も

八木景子は日本の映画監督。彼女の過去の代表作とは?

八木景子はイギリスの国際映画祭のドキュメンタリー部門で最優秀監督賞を受賞!代表作は?

八木景子は東京出身の女性映画監督です。幼少期からアメリカへの留学を希望していましたが父親の反対にあい、せめてもとアメリカの映画配給会社の東京支社に就職。その会社で8年間勤務し、2011年3月に退職しています。

その後、八木景子は2014年に「合同会社八木フィルム」を設立し、同年ドキュメンタリー映画「ビハインド・ザ・コ―ヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」を企画。同年7月から捕鯨の町として有名な和歌山県東牟婁郡太地町で4か月間の撮影を行い、監督デビュー作の製作を単独で行いました。

監督デビュー作となった「ビハインド・ザ・コ―ヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」では制作費400万円を自ら投じ、撮影・監督を一人で担当した八木景子は、作品の配給や宣伝までを自身で行っています。恐るべき行動力ですが、強い好奇心や冒険心は以前から持っていたようで、監督としてデビューする前にアマゾン、ガラパゴス、キューバ、南アフリカ、ケニヤ、エジプト、インドなどの数々の秘境を旅した経験があるそうです。

たくさんの想いが詰まった八木景子のデビュー作は2018年2月17日に反捕鯨の本拠地と言われるイギリスのロンドンで開催されたロンドン・フィルムメーカー国際映画祭の長編ドキュメンタリー部門で最優秀監督賞に選ばれ、八木景子の代表作になっています。

八木景子が「ビハインド・ザ・コーヴ」を撮った理由とは?アノニマスから犯行声明文!?

八木景子が「ビハインド・ザ・コーヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」を撮るきっかけになったのは、2014年のICJ(国際司法裁判所)の判決で日本の調査捕鯨が商業捕鯨の隠れ蓑だというオーストラリアの訴えが認められたことに疑問を抱いた事でした。

八木景子は納得できない気持ちを元IWC(国際捕鯨委員会)の代表に会った際に質問しますが、解決するどころか逆にどんどん疑問が増えていき、その結果映画が出来たという感じだと後に語っています。元々捕鯨問題に造詣があったわけではなく、ニュートラルな視点で問題に踏み込んだのが視聴者の視点と重なって良い結果になったのではないでしょうか。

ホームビデオカメラしか扱ったことのなかった八木景子は無知ゆえにたくさんの人に支えられ、試行錯誤しながら作品を完成させていきました。特に映画の翻訳とナレーションを担当したラッセル・グドールという元TVプロデューサーの構成案やアドバイスは大変為になったと八木景子は振り返っています。周りの人たちに頼れたり、分からないことを聞いたり出来る素直さも、八木景子の強みなのでしょう。

苦労して完成までこぎ告げた「ビハインド・ザ・コーヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」ですが、公開初日前夜には反捕鯨家からの洗礼を受け、公開劇場のK’s cinemaと八木景子の作品の公式サイトが、サイバーアタックによりダウンさせられる事態が起こりました。Twitter上では、国際的ハッカー集団の「アノニマス」から名指しの犯行声明文が発表されたそう。

このような状況に陥っても八木景子は一切ひるまず、「これは表現の自由に対する重大な侵害です。嫌がらせや攻撃に屈することなく挑んでいきたいと思います。」と語り、映画の封切り後も断続的に続いた攻撃にも全く屈しませんでした。

寛容な思想を持ちながらも、自身の信念を貫き通す強さを持った女性なのですね。八木景子は映画監督として、一番必要な資質を兼ね備えていると言えそうです。

八木景子は秘境好き!過去に旅をしたことある国は?

八木景子が過去に旅した秘境は?秘境を旅して養われた日本を外側から見る目

八木景子は先述したように、現在までに様々な国の秘境を旅したことがあり、日本を外側から見る機会を得ている日本人であると、モントリオール映画祭で紹介されています。周囲からは見た目も考え方も日本人離れしていると言われるそうですが、考え方はともかく見た目が日本人離れと言うのは周りからの好意的なジョークのようで、八木景子本人はショートカットの目がクリクリした可愛らしい女性です。

元々アメリカ留学を希望していたほどアメリカが大好きな八木景子は、日本に住んでいるからと言って偏った考えは持っていませんでしたが、(アメリカに留学せず)日本に残留することになったから「ビハインド・ザ・コ―ヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」のような映画を作れたと語っています。日本に居ながら右左の考えに固執し過ぎず、かと言って完全に外国の視点でもない独特の視野は、ドキュメンタリーを撮る上でこれ以上ない強みとなって生きています。

人間は何かについて考える時、ついどちらかに偏ってしまうのが常ですが、「ビハインド・ザ・コーヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」を観ても分かるように、八木景子の目線はどこまでもクリアで真実のみを淡々と映しており、観る人が考える余白を残しています。

「ビハインド・ザ・コーヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」を撮る前に反捕鯨映画「ザ・コーヴ」を視聴していなかったことからも伺えるように、八木景子の真っ白な視点を通すことで、より物事の本質が明らかになるのでしょう。ある映画人から「女マイケルムーア」と称されるのも理解できる気がしますね。

八木景子の「ビハインド・ザ・コーヴ」以外の作品は?

「ビハインド・ザ・コ―ヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」以外に八木景子が携わった作品には、市井昌秀監督、八木景子制作の「あの女はやめとけ」があります。同作は「ハルチカ」「箱入り息子の恋」の市井昌秀が監督を手掛け、八木景子は制作スタッフとして関わっています。

本作のストーリーは突如として婚約者に逃げられて混乱し絶望する男が、友人たちに誘われて温泉旅行へと繰り出したことから思わぬ騒動が起こる人間ドラマ。「無防備」の市井昌秀、出演は「人の善意を骨の髄まで吸い尽くす女」の牧野琢也、「オチキ」の木乃江祐希、「山犬」の広木健太、内堀太郎ほかワークショップオーディションを経て個性的なキャストが集結し、哀愁と笑いが入り混じる物語に加え、若き映画人たちのほとばしる才気も堪能できる良質な作品になっています。

八木景子が監督を務めた作品ではありませんが、映画好きなら引っかかる名前が多数あるはず。まさに知る人ぞ知る作品なので、気になる方は是非一度ご覧になってみてください。観終わった後、思わずにんまりしてしまうような幸せな気分になれる作品です。

八木景子監督作品「ビハインド・ザ・コーヴ」が反捕鯨の本拠地の英国で最優秀監督賞を受賞!

八木景子の初監督作品「ビハインド・ザ・コ―ヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」が、反捕鯨の本拠地英国のロンドン・フィルムメーカー国際映画祭の長編ドキュメンタリー部門で最優秀監督賞を受賞しました。

ドキュメンタリー映画「ビハインド・ザ・コーヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」は反捕鯨映画「ザ・コーヴ」の反証映画ですが、結果としてそうなっただけで、八木景子は「ビハンド・ザ・コーヴ」を撮り始めるまで「ザ・コ―ヴ」を視聴したことがなかったそうです。

2010年にアカデミー賞を受賞した「ザ・コ―ヴ」は、映像作品としてのクオリティでは一定の評価を得ているものの、「ドキュメンタリーとしては過剰にドラマ仕立てで作為的な部分がある」「隠しカメラや映像加工で海の色を変えたりしている」などの声が当初より多くの人々から聞こえていました。しかし、反証映画は八木景子が制作するまで一切ありませんでした。

捕鯨問題が根強く解決しないのは、捕鯨問題が政治問題に発展しているからです。反捕鯨団体には多くの海外スターや政治家が繋がっているため資金は常に潤沢で、こうした背景から、ハリウッドでは一方的主張のプロパガンダ映画が多く製作されてきました。

全く企業の力を借りず、出資も自身で行い映画を完成させた八木景子は、これについて「企業がついたり自分が会社をやっていたりしたら作れなかった映画」だとし、「これから何か作りたいという人がいたら、『一人より強いものはない』と勇気を持っていいと思うんです。」と、後に続く人たちにエールを送りました。

八木景子が自身の情熱だけで作った映画「ビハインド・ザ・コ―ヴ~捕鯨問題の謎に迫る~」は、現在も各地から多くの反響があるそうです。海外からの上映リクエストも多いそうですが、八木景子自身は捕鯨問題は日本の問題なので、まずは国内で多くの人に観てもらいたいと願っているようです。

偏りのないニュートラルな視点と、周囲の反対に負けない強い意思を持つ八木景子は、今後も日本のドキュメンタル界を引っ張って行く稀有な存在だと思います。また新たな題材で視聴者に問いかける、魂のこもったドキュメンタリー作品を撮影してもらいたいですね。
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