山崎豊子おすすめ作品「沈まぬ太陽」「華麗なる一族」あらすじ感想ドラマキャスト!
山崎豊子おすすめ作品「沈まぬ太陽」あらすじ感想ドラマキャスト!
山崎豊子の長編小説「沈まぬ太陽」。壮大なストーリー展開はもちろん、扱うテーマの難しさからもドラマ化は不可能ではないか、とずっと言われ続けてきた作品でしたが、WOWOW開局25周年記念としていよいよドラマ化されることが決定しました。主演の恩地元は上川隆也が、ライバル役の行天四郎を渡部篤郎が演じるという豪華キャストの「沈まぬ太陽」。
あらすじは、航空業界の組織を変えたいと誓った若き盟友・恩地と行天が、左遷と出世という二つの全く違った道を進みながら、やがて日航機墜落事故という歴史に残る大惨事に立ち会うこととなり、それにどう向き合っていくか、といったものです。この「沈まぬ太陽」の中で、主人公の恩地は、左遷され世界各国に出向されるのですが、アフリカや中東での海外ロケで壮大に表現するのだそうですから、かつてないドラマになることは間違いなしです。
山崎豊子おすすめ作品「華麗なる一族」あらすじ感想ドラマキャスト!
山崎豊子の有名な小説といえば「華麗なる一族」も外すことはできません。2007年に木村拓哉が主演したドラマ「華麗なる一族」は、高視聴率をマークしましたよね。
北大路欣也演じる阪神銀行頭取で万俵財閥のトップ・万俵大介と、大介の長男で阪神特殊製鋼の専務を務める鉄平との経営理念の違いや、鉄平が、実は大介の本当の子供ではないのでは?という思いからくる二人の確執が、「華麗なる一族」のメインストーリーとなっています。
少しネタバレになってしまいますが、ドラマ「華麗なる一族」の最終回、木村拓哉が冬の雪山で猟銃自殺を図ったシーンがいまだに記憶に焼き付いている人も多いのではないでしょうか。
山崎豊子の作品盗作騒動の真相は?執筆の裏に徹底的な取材・資料があり
山崎豊子の作品盗作騒動の真相は?
山崎豊子といえば、過去に何度か、作品盗作の疑惑が持ち上がったことがあります。作品の盗作疑惑がかけられたのは「花宴」、「光の雨」、そしてあの有名な「大地の子」「不毛地帯」などがあります。
史実を基にして小説を書くのが山崎豊子のスタイルであるため、どうしても他の小説と内容が似通ってしまうことは仕方のないことではあります。それでも、こう何作も盗作疑惑が持ち上がると、やはり山崎豊子の盗作は「常習なのでは?」という思いを抱く作家も多いようで、故・松本清張は「引用の頻度からいって、これは無断借用じゃなく盗用だ」。また瀬戸内寂聴は「山崎さんの盗作は一種の病気だと思うの」といったコメントも出てきています。
中でも「光の雨」に関しては、山崎豊子自身がはっきりと盗作を認めています。心揺さぶる数々の名作の陰には黒いうわさも潜んでいるのですね。
山崎豊子、執筆の裏に徹底的な取材・資料があり
山崎豊子は、盗作疑惑が騒がれる一方で、執筆する際に徹底した取材をすることで有名です。その資料の数は膨大で、2015年9月25日より全国各所で開催されている「追悼・山崎豊子展」の際に大阪・堺市の自宅より集められた資料は、なんと段ボール100箱にも上るものだったとか。
新しい作品のものになると、その数は、1作品あたり5箱・10箱になるものもあったのだそうです。山崎豊子が取材を重ねる姿は「不屈の取材」と評され、1つの作品を書き上げるために世界中を駆け回るほどの情熱がありました。だからこそ、山崎豊子の作品はどれも読み手の心をつかみ、ヒットしてきたのでしょう。
山崎豊子にしか描けない作品の数々は永遠に人の心をつかみ続ける
山崎豊子の作品のスタイルといえば「権力の矛盾に切り込む」ものが多いですよね。2016年に上川隆也主演でドラマ化される「沈まぬ太陽」は、航空業界という、それまで切り込みタブーだった巨大組織の陰を描いたものです。同様に、巨大組織や財閥の闇を題材にした作品には「白い巨塔」や「華麗なる一族」があります。また、実際の事件などを基にして、政界の闇を描いたものには「不毛地帯」「大地の子」「運命の人」なども有名です。
徹底した取材から描き出される、読み手の心をつかんで離さないストーリー展開で、数々のヒット作品を生み出した山崎豊子。残念ながら2013年9月29日に新作「約束の海」を連載途中で亡くなってしまいましたが、その情熱を賭した作品は、それでもなお人々の心を強く揺さぶり続けています。
ちなみに、「白い巨塔」や「華麗なる一族」など、初期の作品には関西を舞台にした作品が数多くみられますが、それは山崎豊子が大阪の出身だったから。生涯大阪に住み続け、亡くなった時も大阪の堺市に住んでいたようです。
亡くなってしまったのは非常に残念ですが、それでも数々の素晴らしい作品を世に残してくれた山崎豊子。今後も、ドラマ化や映画化などで、その物語世界は再びよみがえり、人々を感動させ続けることは必至です。